2×4(ツーバイフォー)工法は正式には「(木造)枠組み壁工法」といい、もともとは北米で発達した工法です。2×4インチ(日本では通常38mm×89mm)の構造材を組み上げて枠をつくるため、この名前がつきました。
構造材の枠に合わせて構造用面材で面を組み立てることで、基本の“箱”を構成します。このページでは、耐震性の高さに定評がある2×4工法について解説いたします。
2×4工法(枠組み壁工法)の仕組み
建て方は、まず基礎の上に床根太を一定間隔で並べ、構造用合板を張ってプラットフォームと呼ばれる床下張りをつくります。この床の上に、平らに倒した状態で組み立てられた壁をつくっていきます。
壁パネルは、断面が2×4インチの木材で枠を組み、構造用合板を打ちつけてつくります。
耐震性と省エネ性が高い
一般に、2×4工法は地震に強いと言われていますが、その理由は先述の「面で箱を構成する」構造にあります。地震エネルギーが建物に加わった場合。天井+床+四方の壁(面)でその力を受け止めるため、外からかかる力を効率よく吸収し、一部だけに偏った力が加わるのを防ぎます。
また、木造軸組み工法(在来工法)に比べて、すき間が出にくいため、気密性や断熱性がアップ。暖房などの熱が外に逃げにくく、エネルギーのロスを防げるのも特徴のひとつと言えるでしょう。
工期が短くコストダウンも
2×4工法の工期は3〜4ヶ月と短め。工期が短い分、コストダウンに繋がるという特徴があります。また、工程がマニュアル化されており、部材を工場である程度仕上げられるので、熟練した技術者がいなくてもスムーズに施工することができます。
つまり、施工業者や職人の建物の品質が左右されることがありません。安定した品質も強みのひとつです。
2×4工法を得意としているのは主にハウスメーカーですが、メーカーによって性能や基本プラン、価格は異なります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、さらに各メーカーの特徴やプランの柔軟性なども理解したうえで、敷地や予算、イメージに合った依頼先を選びましょう。
リフォームの際は増改築しにくい
木造軸組み工法に比べて柱の数が少ないため、柱の出ないオープンスペースが容易につくれるのも、この2×4工法の特徴。人気の高い開放的な空間を楽しむことができます。
ただし、壁の量や面積が建物の強度に影響するため、大きな開口部をとりにくいことがあります。窓の位置や間取りを考える際、プランニングの柔軟性は木造軸組み工法に劣ります。
また、2×4工法は壁を撤去することが難しいため、リフォームや増改築をすることが比較的難しいといわれています(まったく不可能ということではないので、2×4工法のリフォームを得意とする業者に相談してみましょう)。
2×4工法のメリット・デメリット
メリット
- 6面体の箱型構造により、すぐれた耐震性を備えている。柱のない広々とした空間がつくれる。
- 断熱性、気密性、耐火性に優れている。
- 部材や施工法がマニュアル化されているため、品質のバラつきが少なく、工期が短い。
- 和洋いずれのデザインにも対応できる。
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デメリット
- 壁の位置が限定されるので、大きな開口部がとりにくい。
- リフォームの際に、壁の位置を移動するなどの間取り変更や、増築がしにくい。
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