夢がふくらむ新居のインテリアプラン。家づくりの段階で、お部屋のカラーコーディネートや家具の配置、ディスプレイの大まかな方向性まで考えておくのが、満足度アップの秘訣です。
「インテリアコーディネートは内装から!家づくりに役立てたい内装デザインの基本」も合わせてお読みください。
色の種類と仕組み
色の種類は大きく、赤、青、黄色のような色みのある「有彩色」と、白、グレー、黒などの「無彩色」に分けられます。
さらに、色の3属性「色相」「明度」「彩度」に基づいて分類します。色を分類し、合わせ方の法則を知れば、すっきりと使いこなせます。
色相は色味の違い
赤や青、黄色などの色みを色相といいます。各色相の中で彩度がいちばん高く、にごりのない純色を並べたのが、下図の「色相環」です。
明度は明るさの違い
明るいか暗いかといった、色の明るさを明度といいます。明度は白に近いほど高く、黒に近いほど低くなります。無彩色は明度の違いのみで分類します。
彩度は鮮やかさの違い
鮮やかさの度合いを表したものが彩度です。澄んでいて色みが鮮やかなほど高く、にごりがあって色みが薄いほど低くなります。
トーンは色の調子
明度と彩度を同時に考えたものがトーン。上の図のように、同じ色でもトーンが変われば、「淡い」「派手」など、受けるニュアンスが変わります。
色の組み合わせでイメージチェンジ
同色系は無難にまとまる正統派
同じ色相で、明度や彩度の異なる色を組み合わせるパターン。色の性質が同じなのできれいにまとまりますが、無難すぎることも。
淡い水色が多いときは、濃い青を少し入れて引き締めるなど、濃淡で表情を変えてみて。また、類似色や反対色をアクセントに使っても。
類似色は安心できる統一感が生まれる
色相環で隣の隣くらいまでの色を類似色と呼びます。似た性質なので、色同士がケンカしません。
ただし、2色を同じくらいの分量で使うと、どちらがメインかわからず、メリハリが無くなってしまします。テーマカラーを決め、その色を多めにして、ほかは少なめに。
反対色で個性的なインテリアに
色相環で向かい合っているのが反対色(補色)で、お互いを引き立てる組み合わせ。しかし、2色とも鮮やかだと刺激的になってしまうことも。
どちらかを主役に、もう一色は差し色として使いましょう。強い色の反対色を使いたければ、白やグレーの無彩色をベースに。
同一トーンは色数が多くてもまとまる
色を多めに使いたい場合は、トーンを揃えてみて。純色の派手なトーンは元気な感じ、淡いトーンはやさしい感じなど、トーンが同じならイメージも同じ。
色相が違って色同士がぶつからず、トーンのもつイメージが強調されて雰囲気が出ます。
どの色をどこにどれくらい使うかが重要
内装を決める前に、どの色をどこにどれくらい使うか、色彩計画を立てましょう。家具や雑貨の色も合わせて、「ベース」「メイン」「アクセント」の3色で組み立てていきます。
ベースカラーは飽きのこない色に
面積は部屋全体の約70%で、床、壁、天井などの内装材。価格も高く、かえにくいので、アイボリーやベージュ、茶色などの無難です。
メインカラーはいちばん好きな色を
面積は部屋全体の約25%で、ソファやカーテン、キャビネット類の色です。インテリアの主役になるので、好きな色を選びましょう。
アクセントカラーで遊び心を加える
面積は部屋全体の約5%でクッションやランプシェードなどの小物に使います。比較的安くかえられるので、思いきった色や柄でも。
色のもつイメージを利用する
暖色と寒色は部屋で使い分ける
青や黄色など色みのある内装を考えている人は、「暖色」と「寒色」の性質の違いに注意。
赤やオレンジなどの暖色は、あたたかい雰囲気にしたい部屋に最適な色ですが、興奮色と呼ばれる気持ちを高ぶらせる色でもあるので、リラックスできない場合も。暖色は進出色とも呼ばれ、前に迫って見えるので、部屋が狭く感じることも。
青や緑、白、グレー、黒の無彩色は寒色と呼ばれ、涼しげなイメージ。青は気持ちをしずめてくれる鎮静色なので寝室などにおすすめですが、鮮やかだと頭が冴えてしまうので気をつけて。
また、後退色という後ろに下がって見える色でもあるので、部屋を広く見せてくれますが、鮮やかすぎると圧迫感があります。
明るい色と暗い色は広さの印象も変える
色の明度によって、色の「重い」「軽い」という印象も決まります。明るい色ほど軽く、暗い色ほど重く見えます。これは高さの印象にも影響するので、天井の色を決める際に重要です。
白い天井は実際より10cm高く見え、黒い天井は20cmも低く見えると言われています。
また、暗い色は小さく引き締まって見える収縮色、明るい色は大きくふくらんで見える膨張色とも呼ばれます。暗い床にすると実際より狭く見えるので、床材選びに気をつけましょう。
人がどう移動するか動線計画を立てる
人が移動する線(動線)を考える
家具の配置を決める時に意識しなくてはならないのは、入り口からLDに入り、ソファの前を通って窓から庭へ・・・・・などの、人が移動する「動線」です。
直線距離で考えれば短くても、家具と家具の間を迂回すると余計な時間と手間がかかってしまいます。
目的の場所にできるだけ短い距離でスムーズに行けるように動線を考えましょう。
人が通るためのスペースも忘れずに
人が歩くには、通路になるスペースを確保する必要があります。平均的な人の肩幅は約50cmですが、左右に余裕がないと家具や壁にぶつかってしまうことも。
1人が正面を向いて歩くのに必要なスペースは55〜60cm、2人がすれ違う場合は110〜120cm。このスペースを基本に、場所によってアレンジしましょう。
たとえばLDは、プライベートルームと違って人が集まる場所なので、ゆとりあるスペースを設定して。狭い部屋ではすべての通路に十分なスペースがとれないので、週に一度くらいしか使わない通路は多少窮屈でもしかたない、と割りきって。
また、椅子を引いたり引き出しをあけたりするスペースも考えましょう。
家具を使うための動作寸法を知る
動作寸法とは、人が動作をする際に必要な寸法のこと。たとえば、引き出しを開ける、椅子を引く、ソファに座って足を出す、ベッドのシーツを替えるなど、家具の周辺にその家具を使うための動作寸法が必要です。
家具のサイズだけで「置ける・置けない」の判断をすると、部屋の中の通り道がなくなったり、引き出しや扉をあけられないなど、暮らしにくい部屋になってしまいます。
また、見落としがちなのが窓まわり。開閉のためのスペースが必要なのはもちろん、カーテンは意外に厚みがあり、その分も考えて家具を配置する必要があります。
どこから何が見えるか視線計画を立てる
広く見えて、生活感を感じさせないインテリアのために大切なのが、「視線計画」です。広く見せるには視線の抜けをつくるのがポイント。
目の前に障害物があると視線が途切れてしまうので、目が行きやすい部分は、すっきり遠くが見渡せる配置に。
また、窓の外に目が行くように家具を配置すれば、狭い部屋でも開放感が味わえるはず。鏡を壁にかけて奥行き感を出すのもひとつの手です。
DKはごちゃついた部分から視線をはずす
下のイラストではDKのダイニングセットの置き方による視線の違いを説明しています。
LDKは生活スタイルで配置を変える
下のイラストは、LDKのソファの向きによる視線の違いを説明しています。
家具はまとめて置くと無駄な空間がなくなる
狭い部屋でも広々と感じさせる空間をつくるには、床を広く見せるのも大切です。コーナーを利用するなどして家具を上手に配置し、なるべく広いオープンスペースをつくりましょう。
さらに、部屋の広さに対する家具の分量を考えることも重要。一般的に、家具の専有面積が床面積の3分の1程度になるのが理想とされています。難しければ、せめて4割程度におさえましょう。
また、家具は家で見るよりショップで見るほうが小さく感じるもの。サイズを確認してから購入を。
家具の色・高さ・奥行きをそろえる
インテリアの第一印象を決めるのは色使いといわれています。メインとなる家具の色をそろえるのが基本です。新調する場合は、今使っているものの中でメインにしたい家具の面材と統一させて。
また、ほかの部屋の家具と置き換えると統一感を出せる場合もあるので、今使っているすべての家具を一度チェックしてみましょう。
単体の収納家具を並べるときは、家具の高さと前面のラインをそろえるとすっきり見えます。
フォーカルポイントをつくって印象的に
パッと見た瞬間、思わず視線がいく場所、それがフォーカルポイントです。和室なら床の間、リビングならドアを開けたときに正面に見える壁。
そのポイントに素敵な絵をかけたり、家具を置いて小物を飾ったりすると、インテリアがぐっと印象的になります。
フォーカルポイントを2カ所つくる場合は、一方を目立たせて一方をひかえめにして。自慢のポイントに視線をくぎづけにできれば、ほかが目立たなくなるというメリットもあります。
遠近法をとり入れて奥行き感を出す
近くに見えるものを大きく、遠くに見えるものを小さく描くのが、絵画でいう遠近法。これを家具の配置に応用して、部屋を広く見せる方法があります。
視線の方向に沿って家具の高さを低くしていくと、家具の高低差によって奥行き感が強調され、広さを感じることができるのです。
一般的なLDを描いた下のイラストの左手の壁に注目してください。手前に背の高い家具、その奥に低い家具が並び、ダイニング側から見ると、窓までの距離が実際より長く感じられます。
部屋のテーマを決めて統一感を出す
視線が行きやすい部分や棚の上などディスプレイしたい場所を見つけたら、まずどんなものを飾るか、テーマを決めましょう。
自分の飾りたいものでもいいし、季節に合わせたものでもOK。モダン、ナチュラルなど好みのスタイルで統一したり、色をそろえたりしても。
ただし、好きだからといって何でも飾ってしまうのはNG。チグハグな印象になってしまうので、テーマと違うものは思いきってはずすのが大切です。使えなかったものは次回使ってみては。
バランスよく飾るには三角形かシンメトリー
三角形に飾るとメリハリが出る
飾るものに高低差をつけて頂点のある三角形にして飾ると、メリハリが出るうえに、モノの個性が生きてきます。
まず、頂点となる高さのあるものを1つ決めて、そこから底辺に下りる2辺に合わせて、高低差をつけてディスプレイします。
奥行きのある場所では、頂点になるものをいちばん奥に置いて、手前にくるほど低いものを置いて三角形に。
シンメトリーに飾ると端正な美しさに
シンメトリーとは、同じアイテムを左右対称に飾る方法。奥行きがなくても幅のある場所に向いていて、平面的で整った美しさを演出できます。
欧米のインテリアでは、テーブルランプやキャンドルスタンドをシンメトリーに並べることが多いですが、対でそろえるのは大変。グラスやキャンドルなら購入もしやすく、手軽に楽しめます。
色の合わせ方はルールに従って
ディスプレイのもうひとつの重要な要素は色合わせ。好きに飾るだけでは、全体がバラバラになってしまいます。
暖色or寒色ならトーンを変える
簡単なのは、暖色系か寒色系にまとめる方法。その際、同じ青でも淡い水色や濃いネイビーなどトーンを変えるのが、成功への近道です。
暖色&寒色なら7対3のバランス
暖色と寒色をミックスするなら、どちらをメインにするのかをまず決めて。メインのグループの色を多く採用し、反対色のグループからはアクセントになる色を少量使います。
メインを7、反対色を3の比率で使うのが理想的です。
ニュートラルカラーは素材に注意
白、生成り、ベージュといったニュートラルカラーでまとめるときは、素材の違うものを一緒に飾るのが成功の秘訣。
同じ素材だとのっぺりした印象になってしまいますが、布、かご、木、紙、陶器など素材が違うものなら、ひとつひとつの個性が出ます。
壁面の飾り方にもテクニックが必要
下に「受け」になるものを
飾る範囲とラインを決める
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