これから家を建てようという方にとって、土地の購入はその後を将来を左右するとても大切なプロセスです。その土地購入を成功させるためにも、少しでも多くの情報を頭に入れておいてもらいたいものです。
このページでは、専門家監修のもと、土地購入にまつわるQ&Aを紹介しております。
Q.家がひしめき合った密集地、日当たりのいい家は無理?
A.採光や通風は上からとれば、OK!ただし建材や工法に制限があることも
住宅密集地のプランニングのポイントは、採光と通風、そしてプライバシーの確保です。
たとえば、「うなぎの寝床」と呼ばれる細長い敷地では、サイドからの採光は難しくなりますが、吹き抜けなどを利用して上部から採光や通風を確保すれば、プライバシーを確保しつつ快適な住まいを実現することが可能です。
また密集地での家づくりの場合、注意したいのは地震や火災に対する配慮。隣家が家事になったときに備えて防火効果の高い外壁を使用すれば、延焼を避けることができます。
見落としがちなのが、工事がスタートしてからのトラブル。細長い道路に面した土地や「旗ざお状敷地」の場合、工事用の運搬車が近くまで入れないことがあります。
その場合、現場への資材の搬入が困難になるので、重量鉄骨の建築は難しいことも。近くに駐車場を借りれば、その分の予算確保も必要になります。
建て替えの場合は、解体時に隣家とトラブルが起こることもあるので、できれば密集地の解体に手慣れた業者を選ぶことをおすすめします。
Q.20坪以下の狭い土地は購入をやめた方がいい?
A.配慮は必要になるが快適な住まいは建てられる
狭小地でも快適な家を建てることはできます。住まいの快適性に必要なのは、採光と通風の確保。
たとえば南面からの採光が難しくても、上部に開口部を設け、そこから採光と通風を確保できるプランが考えられます。 3階建てプランなら居住面積を広くとれますが、用途地域によっては高さに制限があり、3階建てを建てられない場合もあります。
1階を半地下にすることもできますが、コストがかさむので、土地を購入する前に用途地域を確認しましょう。
20坪以下の狭小地に家を建てる場合、問題となるのが隣地との距離。隣地から外壁は、最低でも50cm(壁芯からは60cm)の距離が必要です。
また、敷地ぎりぎりに建物を建てると、エアコンの室外機やガスメーターの配置が難しくなることもあるので、あらかじめ配慮が必要です。
建て替えの場合、密集地では解体作業が困難であったり、解体を始めたら隣家の内壁が露出してしまった・・・・・というケースも。見積もりより予算高になることがあるので、トラブルに備えて余裕をもった資金計画を立てましょう。
Q.段差や高低差のある土地は、コストが上がるのか?
A.基礎工事や地盤改良で追加の予算が必要
敷地と道路に段差がある場合、注意したいのが地盤の状態。造成段階で盛り土をしていることが多く、地盤が軟弱になりがちなので、補強や地盤改良が必要になるケースがあります。
その場合、補強工事で追加の予算が必要に。 さらに、地盤の弱い土地は雨が降ると土が流されてしまうことがあるので、植栽を追加するなどの外構工事が必要になることがあります。
その場合も、追加の予算が必要になります。 敷地内に高低差がある場合、本格的な土留めや擁壁が必要になると、通常よりも外構工事の予算が高くなります。
特に傾斜地を造成した土地は、切り崩した部分に水が出ることもあるので、その場合は通常より防水への配慮が必要となり、コスト高になります。
ただし、段差や高低差をメリットにしたプランはたくさんあります。隣家の視線が気にならないので、オープンで見晴らしのよい住まいにすることも可能。段差を利用したスキップスロアにすれば、空間に変化が生まれ、開放感のあるオープンな家にすることができます。
また、道路との段差をうまく使い、そこを半地下として利用すれば、地下を掘るのに比べてコストダウンに。スペースに余裕が生まれ、車庫や防音スタジオなどユニークな空間にすることができます。
上部を木造(または鉄筋)、半地下部分をコンクリートの混構造プランにすれば、ひとつの住まいでさまざまなイメージが楽しめて、それぞれの構造のよい面をとり入れることができます。
Q.変形している土地でも希望のプランは実現できる?
A.希望のプランは無理でも前向きに楽しんで
極端に変形している敷地や狭小地の場合、「希望通りのプラン」はできないかもしれません。敷地に合ったオリジナリティの高いプランが必要になるので、ハウスメーカーでは対応できないケースも。
できるだけ早く家を完成させたい人や、大手メーカーの安心感を求める人には不向きな土地を言えるでしょう。 建築家と相談しながら慎重にプランニングを進める必要があるので、イメージしていたプランや希望の工法になるとは限りません。
たとえばシンプルな箱型のプランを希望していても、土地に合わせて余分な柱が必要だったり、壁の配置が思うようにいかず、間取りの変更が必要になることもあります。
土地からの購入を考えているなら、イメージを固める前に専門家に相談してみることをおすすめします。 変形地の家づくりで必要なのは、デメリットをメリットに変える発想の転換。そして、その土地ならではの家づくりを楽しむことができるポジティブな姿勢です。
どうしても敷地が余ってしまうことがありますが、それを「敷地がもったいない」「居住スペースが狭くなってしまう」と考えるのではなく、「この余った敷地を何かおもしろいスペースにできないか?」と前向きに考えられる人なら、変形地でも十分に家づくりが楽しめるでしょう。
敷地が余ってしまったら、採光や風抜きの空間として利用することも可能。わが家ならではのユニークな家づくりに挑戦できるチャンスと考え、前向きに楽しみましょう。
いかがだったでしょうか。 これらの質問はよく専門家に寄せられる土地購入に関する質問です。
今回は、長浜信幸さん(長浜信幸建築設計事務所)に監修をしてもらいました。 マイナスな要素がある土地でも、前向きに捉え、家づくりを楽しみましょう。
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