家づくりのスタート時点でもっとも悩むのが、依頼先探しかもしれません。家づくりの依頼先にはハウスメーカーや工務店、設計事務所など、さまざまな選択肢がありますが、どれが自分たちに合っているのか、見極めるのは難しいもの。しかも、もし選択肢を間違えたまま工事が始まってしまうと、途中で変更するのはほとんど不可能です。
そこでこちらでは、失敗しない依頼先の選び方について考えてみましょう。それぞれの依頼先の特徴をはじめ、依頼先を選ぶときのポイント、さらには依頼先選びの失敗談までご紹介。自分たちの希望を叶えてくれる、理想のパートナーを見つけるために役立ててください。
家づくりの依頼先を決める際の失敗談や、後悔した経験談が知りたい
家づくりの依頼先選びで「ここに頼んだのはちょっと後悔!」という先輩たちの声をご紹介します。やはり「思っていたのと違った!」という意見が多いよう。失敗しない依頼先選びのためには、まずは下調べや事前確認が肝心、ということがわかります。
ハウスメーカーを選んで後悔した体験談
- ●予算オーバーしたこと。コストダウンにこだわるなら、工務店のほうが向いていると思う。
- ●それぞれのメーカーの特徴や、よいところがわからなかった。何社も回って話を聞き比べ、工場見学までしてから依頼先を選んだ。
- ●土地探しのときにメーカーの担当者に立ち合ってもらったが、どの土地を見ても「いいですね」としか言ってもらえなかった。結局、自分たちのフィーリングで決めるしかなかった。
- ●担当者が途中で交代したが、引き継ぎがうまくいっていなかった。
- ●打ち合わせが少なく、内装や外壁などの相談が1 回しかできなかった。特に外壁は思っていた色とまったく違い、ものすごく後悔。コーディネーターさんを変えて、もっと細かく打ち合わせをするべきだった。
- ●決められたものの中から選ばなくてはいけなくて、好みの素材を使えなかった。
- ●軽量鉄骨造のメーカーだったので、耐力壁の関係で、間取りが思いどおりにならなかった。
- ●「1 坪いくら」とうたっていたメーカーが、実際に頼んでみると倍くらいの金額がかかった。
- ●担当者が目まぐるしく代わり、何か問題が起きたときに同じことを一から何度も説明しなければならなかった。
工務店・ハウスビルダーを選んで後悔した体験談
- ●自由度が高い分だけ選択肢が多くて、イメージがまとまりにくかった。
- ●手作りの部分が多いので、でき上がりが予想しにくかった。”間違いのないもの”を求める人には向かないかも。
- ●ハウスメーカーは数が限られているが、工務店やビルダーはたくさんありすぎて、好みに合うところを探すのが大変だった。
- ●何でもひとつひとつ自分たちで決めるので、時間がかかった。
- ●どこまで品質保証してもらえるのか不安だった。候補にしていた工務店に保証内容を確認して、ネットなどでも住宅の●品質管理について調べてから依頼先を決めた。
- ●「これは要らない」と言ったのに、工務店から「絶対あったほうがいい! 」と言われて取り付けたものがあるが、いまだに使っていない。
- ●自分たちの選んだおしゃれなハウスビルダーに、親がいい顔をしなかった。知り合いの工務店を勧められて困った。
設計事務所を選んで後悔した体験談
- ●建築家さんも一緒に考えてくれたけれど、基本的にはこまかなところまですべて自分たちで決めなければならず、最終プランに行きつくまでが大変だった。
- ●プランニングに5 ~6 カ月、工事にも5 ~6 カ月かかった。時間がない人には向かないと思う。
- ●とにかく好みに合う人を探すのが大変だった。妥協しないで気長に情報を集め、実際に会ってみるのがいいと思う。
- ●着工してからも現場で何度も打ち合わせをしなければならなかった。
- ●関西に住みながら東京の設計事務所に依頼したので、かなりの時間がかかってしまった。
家づくりの依頼先を吟味する必要性ってなに?
家づくりの依頼先選びは、なぜ重要なのでしょうか? その理由は、依頼先によって家づくりの進め方や、完成する家がまったく違ってくるからです。どんなところが違うのか、いくつかのポイントを挙げてみましょう。
ハウスメーカー、工務店、ハウスビルダー、設計事務所、インテリアショップなどの依頼先によって、提案されるプランや作風・デザインはまったく違います。特に間取りやデザインにこだわりがある人なら、できるだけ自分の好みに合った依頼先を選ぶのがベストです。
規格( 企画 )型プランをおもに扱うハウスメーカーなら、いくつかの間取りプランから選ぶスタイルが一般的。いっぽう、工務店や設計事務所などでは、自分たちも参加してゼロから間取りプランを考え、仕様・設備なども1 つ1 つ決めていくことになります。こうした家づくりの進め方・プランの決め方も、自分たちの希望のスタイルに合っていることが大切です。
ハウスメーカーの規格( 企画 )型プランを選べば、プラン選びも工期も短め。スタートから数カ月で家が完成するのが一般的です。いっぽう、工務店や設計事務所などでは、プランをゼロから考えるため計画期間が長く、メーカーの場合より工期もかかるため、完成まで半年~1 年ほど必要なことも。いつまでに家を建てたいかをしっかり考え、無理のない家づくりができる依頼先を選びましょう。
「監理」とは、工事がスタートしてから、図面や仕様書の通りに施工が行われているか、工事に遅れはないか、手抜き工事がないかなどをチェックすること。設計事務所に家づくりを依頼すると、建築家がこの監理を行い、第三者の立場から現場をチェックします。いっぽう、ハウスメーカーや工務店では、設計と施工を同じ会社が請け負うため、社外の人が工事監理を行うことはありません。工事の精密さなどを求めるなら、監理を重視して依頼先を選ぶのもおすすめです。
家づくりの依頼先によって、こんなに違いがあるんですね。自分たちのしたい家づくりや、ほしい住まいに合っていないと、違和感を感じながら家づくりを進めることになったり、目指していた時期までに完成が間に合わなかったり、出来上がった家に満足できなかったり……ということになりかねません。やはり、依頼先は自分たちの要望や条件に合わせて、しっかりと吟味しながら選ぶ必要がありそうです。
家づくりの依頼先にはどんな種類があるの?
あらためて、家づくりの依頼先にはどんな種類があって、それぞれどんな特徴があるのでしょうか?
こちらでは「設計事務所」「ハウスメーカー」「工務店・ハウスビルダー」「インテリアショップ」について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しくご紹介しています。依頼先ごとのスケジュール表もあるので、家づくりの進め方や必要な期間などもチェックしてみてください。
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依頼先を比較する際のチェックポイントが知りたい
「自分に合った家づくりの依頼先の選び方をずばりと知りたい! 」というかたは、こちらのチェックリストをぜひ活用してください。
住まいへの希望をもとにした22個の項目をチェックしていくと、「メーカー」「工務店」「建築家」との相性が3 段階でわかります。それぞれの依頼先を選ぶときの注意点も、ぜひ参考にしてみてください。
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https://kurashinista.jp/house_building/detail/parther
依頼先を決めるポイントが知りたい
ここでは家づくりの依頼先を決めるときに重視したいポイントや、選ぶときのコツについて考えてみます。
下に3 つのポイントを挙げましたが、なかでも重要といわれているのが「相性」です。
依頼先の担当者とは、家づくり期間中に何度も打ち合わせを重ねて、家ができてからもメンテナンスなどでたびたび相談することになります。
そのため“ 長いおつきあい" を想定してパートナーを選ぶのが正解。相性のいい依頼先ならコミュニケーションもスムーズで、楽しく家づくりを進められるのではないでしょうか。
依頼先選びはよく“お見合い" に例えられます。つまり「相手のキャラクターや信頼度」「センスや考え方が自分たちと合うかどうか」が大切ということ。なんとなく話がはずんだり、趣味や好きなものが似ているだけでも、家づくりがスムーズに進み、自分たちのリクエストも理解してもらいやすくなります。お互いの相性を知るためには、メールでやりとりするだけでなく、実際に会って話をしてみるのがベストです。
いくつかの依頼先を平行して検討するときは、「どんなプランを提案してくれるか」を比較したいもの。このときに相手によってリクエストの内容を変えてしまうと、提案されるプランもバラバラになって比較・検討がしにくくなるため、必ず同じ条件や希望を伝えるのがコツです。また、あまりたくさんの依頼先からプラン提案を受けると、自分たちが整理しきれないことも。3 ~4 社にしぼってから相談するのがおすすめです。
依頼先選びのときは「実際の施工例を見てみること」も大切。大手のハウスメーカーなら住宅展示場があり、モデルハウスを見学することができます。工務店やハウスビルダーでは住宅見学会、設計事務所ではオープンハウスを開催しているところが多く、おもに週末に施工例が公開されています。実際に建物の中に入ってみると、写真ではわからない間取りプランの特徴や、空間の魅力がわかるはず。
依頼先選びの際に気をつける注意点ってなに?
家づくりの依頼先選びにあたって、注意点をもっと詳しく知りたいかたは、こちらの依頼先別の選び方をチェック。設計事務所・工務店・ハウスビルダーのほかに、インテリアショップやプロデュース機関についても取り上げています。依頼先はなるべく幅広い選択肢から選びたいもの。それぞれの特徴や注意点について、じっくり比較・検討してみてください。
まとめ
家づくりにはさまざまな依頼先があり、それぞれに違うメリットがあるんですね。まずは「どのメリットを生かせば理想の住まいができるのか」を見極めることが大切です。そして、家づくりには長い時間とたくさんのお金がかかるもの。「この人ならまかせられる! 」と思えた相手と一緒に、楽しく家づくりができたら理想的です。
★おしゃれな注文住宅を建てたい方はこちら
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