「更年期に入ったころから、老け声になった気がする……」
更年期ごろになると、自分の声に変化を感じる女性が増えてきます。喉や声帯の老化によって、声が低くなってしまうのです。老け声だと実年齢より高く見られることもあり、お困りの方も多いのではないでしょうか。
今回は、野太い“おばさん声”を予防してハリのある若々しい声を保つための、喉トレーニングやマッサージ法を解説します。(文/薬剤師 竹田由子)
声帯が衰えて“おばさん声”に…
40代になると、いわゆる「おばさん声」や「低い声」に悩む人が多くなります。その理由は、更年期や老化によって喉の奥にある声帯(せいたい)が衰えてしまうから。
老け声チェックリストで、あなたの声の状態をチェックしてみましょう。
老け声チェックリスト
次の7項目で、声の老化をチェックしてみてください。
・昔よりも声が低くなった
・滑舌が悪くなった
・声のかすれ・ガラガラ声が気になる
・口の渇きを感じることが増えた
・食事や水分をとるとむせることがある
・昔は歌えたキーの高さで歌えなくなった
・一呼吸で15秒以上声を出し続けることができない
2つ以上当てはまる方は、喉の老化が進んできている可能性があります。
次に紹介する「喉トレ」や「唾液腺マッサージ」を、積極的に取り入れていきましょう。
老け声予防に効く「喉トレ」
声の老化防止には、喉トレがおすすめ。喉周りの筋肉の老化を防ぐと、声を若く保つことができます。
1.舌出しトレーニング
口を大きく開いて、舌を大きく出したり引っ込めたりする動きを3回行います。
次に、舌を左右に3回大きく動かしましょう。
1日3回の食事前など、生活に取り入れやすいタイミングで継続するのがおすすめです。
2.あごトレーニング
あごの下(骨ではなくやわらかい部分)に両手の親指を当てて、あごを引きます。
同時に親指に上方向の力を入れて、あごを押し戻すようにします。
あごと親指が互いに押し合うように、両方に力を入れましょう。
爪先に力が集中すると肌を傷めるおそれがあるため、指の腹で均一に押すよう意識します。
心地よいと感じる程度の力で、こちらも1日3回程度で毎日続けましょう。
喉の若さを保つ「唾液腺マッサージ」
喉の乾燥は老け声の悪化につながるため、喉の潤いを保つことが大切です。
喉の乾燥予防におすすめなのが「唾液腺マッサージ」。口の中にある「唾液腺」という組織をやさしくマッサージすると、唾液が分泌されて口と喉の潤いアップにつながります。
1.唾液腺マッサージのやりかた
唾液腺は3つあり、耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)といいます。
この3つを順番にマッサージします。
(1) 耳下腺マッサージ
親指以外の4本の指を頬に当て、上奥歯のあたりを後ろから前へ向かって10回ほど回します。
(2) 顎下腺マッサージ
親指を顎の骨の内側のやわらかい部分に当て、耳の下から顎の下に向かって各5回ずつ押します。
(3) 舌下腺 (ぜっかせん)
両手の親指をそろえ、顎を下から上へ「ぐーっ」と押して力を入れていきます。10回程度行いましょう。
2.唾液腺マッサージの頻度は?
唾液腺マッサージは、1日3回の食事前がおすすめです。
食事前に行うと唾液の分泌が促進されて口内が潤い、口周りの筋肉がほぐれて動きやすくなる効果もあるので、食事を摂りやすい状態が整います。
さらに、唾液の分泌促進による口臭予防の効果や、マッサージによるリラックス効果も期待できるため、生活習慣のひとつとして唾液マッサージを継続するといいですよ。
喉の老化や乾燥などには漢方もおすすめ
「マッサージなどと併用して、からだの内側からも老け声対策をしたい」という方には、漢方薬がおすすめです。
漢方薬は、耳鼻咽喉科など実際の医療現場での喉の治療にも使われています。
東洋医学では、血や体の中の水分の乱れや不足、ストレスなどによる自律神経の乱れなどが不調の原因になると考えます。喉の違和感は、気の滞りや水分代謝の乱れによる潤い不足が関係していると考えられています。
漢方薬は、からだの内側からバランスを整えることで、不調を改善します。
自然由来の生薬成分が穏やかに働くため、一般的な西洋薬よりも副作用が少ないとされているのも、漢方薬のメリットといえるでしょう。
<声の枯れ、喉の違和感におすすめの漢方薬>
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
気分がふさいで、咽や食道に異物感がある方のしわがれ声などに用いられます。気の巡りをよくして、喉のつかえ感や違和感を改善します。
・甘草湯(かんぞうとう)
しわがれ声や喉の痛み、咳などのある方に用いられます。
喉の痛みや炎症をやわらげて、声の枯れた状態を改善します。
・麦門冬湯(ばくもんどうとう)
たんの切れづらさや強いせきこみ、喉の乾燥がある方に用いられます。喉を潤してせきを鎮めます。
漢方薬を選ぶときに欠かせないのは、「その人の状態や体質に合っているか」ということ。合わない漢方薬を選んでしまうと、効果を感じられないだけでなく、副作用が生じることさえあるのです。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
漢方に詳しい薬剤師が一人ひとりに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅まで郵送してくれますよ。
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喉トレと唾液腺マッサージで美声をキープ!
更年期のころから、喉の老化が進んで老け声になる方が増えてきます。喉周辺の筋力低下を防いだり、口の乾燥を防いだりするには、喉トレや唾液腺マッサージが効果的。毎日取り入れて、若々しい声をキープしましょう。
また、喉トラブルには漢方薬でからだの内側からケアしていくのも効果的です。自分に合った漢方薬を選ぶ際には、専門家へ気軽に相談してみてくださいね。ハリのある澄んだ声を保って、毎日を明るく輝かせましょう!
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 竹田 由子
薬剤師。元漢方・生薬認定薬剤師で薬膳漢方マイスター。
大学院では臨床薬学を専攻、病院に10年間勤務。結婚後は調剤薬局へ勤務するのと並行して、ライターとしての活動も始める。
腎機能低下を機に、月経痛への鎮痛剤使用量を漢方で減量成功した経験があり、「日常の不調はまず漢方」をモットーに生活を送る。
病院時代の長いDI経験を生かし、薬の面から分かり易くサポートしたいと考えている。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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