「風邪を早く治すには休息と栄養が大切」と言いますが、具体的にはどんな物を食べるとよいのでしょうか。
今回は、そうした風邪のときに食べ物について、「自炊するならどんな食べ物?」、「コンビニやスーパーで買うなら何がいい?」、「家族が風邪をひいたときにおすすめの手料理は?」など、状況別に情報をご紹介。
風邪を予防するのに役立つ情報についてもお伝えします。
風邪のときに摂るべき栄養って?
のどがイガイガしたり、体がだるかったり、頭がぼーっとしたり…。ちょっとした風邪でも、ひいてしまうと辛いですよね。
まずは、風邪をひいてしまったら、早く治すためには食べ物からどんな栄養を摂るとよいのか、ここで把握しておきましょう。
◎ビタミンA
風邪のときは鼻やのどが痛くなりますが、こうした部分の粘膜を保護してくれるのがビタミンA。ウイルスが侵入してくるのを防ぐ働きもあります。ビタミンAが豊富な食べ物は、牛乳、バター、卵黄、うなぎ、レバーなど。ニンジンなどの緑黄色野菜に含まれている「カロテン」も、体内でビタミンAに変化するのでおすすめですよ。
◎ビタミンB1
体のだるさを軽くしてくれるのは、糖質をエネルギーに変える栄養素、ビタミンB1です。免疫力を高める働きもあり、風邪を早く治すにも効果が期待できます。ビタミンB1を含む食べ物は豚肉、うなぎ、大豆、胚芽米など。玉ねぎ、ネギなどに含まれる「アリシン」と一緒に食べると吸収率がアップするので、組み合わせて食べるとよいでしょう。
◎ビタミンC
よく、「風邪のときはビタミンCがいい」と言われますよね。ビタミンCはウイルスへの抵抗力と、免疫力を高めてくれる頼れる栄養素。とくに発熱したときは大量にビタミンCが消耗されるので、しっかり補給することが大事です。ビタミンCはキウイフルーツ、イチゴ、レモン、キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、春菊、じゃがいも、大根などに豊富に含まれていますよ。
◎タンパク質
粘膜などを作るもとになり、新陳代謝を活発にして体の回復を図ってくれるのが、タンパク質。タンパク質はいくつかのアミノ酸が組み合わさったものなのですが、そのアミノ酸がバランスよく構成されたタンパク質を摂取できるとベストです。おすすめの食べ物は、肉、魚介、卵、乳製品、大豆など。
風邪のときに摂りたい食べ物(自炊する場合)
つらい風邪のとき、自炊をするのはちょっとたいへん。でも、体の調子に合わせて手作り料理で栄養をしっかり摂ることができたら、体はきっと喜ぶことでしょう。
自炊をするなら、風邪のときは次のような食べ物がおすすめ。よければ参考にしてみてくださいね。
◎消化によい食べもの
風邪で弱った体になるべく負担をかけないよう、お粥やうどんなど消化のよいもの、口当たりのよいものを食べるとよいでしょう。豆腐や卵と組み合わせるのもいいですね。
同じ魚介類でも、白身魚はよいのですが、うなぎやサバなど脂肪分が多いものは消化によくないので避けます。
ヘルシーなイメージがあるコンニャクやキノコ類、ヒジキなども消化がよくないので、風邪のときは好ましくありません。
◎バランスのよいメニュー
少し回復してきたら、栄養バランスにも注目してみましょう。例えば、ビタミンB1とアリシンを一緒に摂るなど、栄養素によっては組み合わせることで吸収率がアップする場合があります。
ただし、風邪で弱っているときに難しいことは考えないで、「食材を偏りなく、バランスよく食べよう!」と心掛ける程度でOK。いろいろな食材を取り入れるだけでも、栄養バランスが自然とアップするはずです。
◎水分が補給できる食べ物を
熱があるときは、体の水分が失われやすくなります。そのため、こまめに水分補給をするのはもちろんですが、食事にもスープ類を取り入れるとよいでしょう。スープならナトリウムやカリウムなどミネラルも一緒に摂れて◎。
◎温かいもの
風邪のひき始めは、体がゾクゾクして体温が下がることも。鍋料理やお味噌汁など、温かい食べ物や飲み物で体温を上げ、免疫力をアップさせるとよいでしょう。生姜やネギ、ニンニク、唐辛子など体を温める食べ物を使うのもおすすめです。
◎冷たいもの
反対に、熱があって食欲がない時は、アイスクリームなど冷たい食べものも活用したいところ。ただし、咳が出るときは冷たいドリンクは器官を収縮させて、咳を出やすくしてしまうのでご注意を。お腹の調子が弱っているときも冷たいものはやめておきましょう。
風邪のときにコンビニ・スーパーで買うならおすすめの食べ物
風邪がひどいときや忙しいときには、コンビニやスーパーが重宝します。風邪のときには、こんな食べ物を買ってみてはいかがでしょうか。
◎コンビニで買うなら
温かくて消化によい食べ物なら、どこのコンビニでも手に入りやすいのはレトルトのお粥やフリーズドライの味噌汁あたりでしょう。冷凍のうどんや、冬場に出そろう一人用鍋焼などもいいですね。
のどが痛いときや食欲がないときは、タンパク質を含むバニラアイスクリームやプリン、のど越しのよいゼリーもおすすめ。まずは食べられる物を口にして、エネルギーをチャージしましょう。
◎スーパーで買うなら
コンビニで買える食べ物に加えて、ビタミンCが補給できるカットフルーツや、ビタミンAを含む乳製品も、一般的なスーパーなら販売されていますよね。冷凍食品コーナーも充実しているので、温めるだけで食べられる冷凍の鍋料理などもあると重宝します。
最近は、ネットスーパーも増えていますよね。自分が風邪をひいたときや、子どもが風邪をひいて外出するのが難しいときにも、ネットスーパーは心強い味方になってくれそうです。
風邪のときに家族に作ってあげたいおすすめレシピ
子どもやパートナーなど、大事な家族が風邪をひいたら、栄養のある手料理で回復をサポートしてあげたいもの。そんなときに、ササッと手軽に作れるレシピをご紹介。材料や分量などは、家族の体調や好みに合わせて調整してあげてくださいね。
◎風邪のひき始め/お好みにゅうめん
麺類のなかでは、そうめんやうどんは消化によいので、風邪のひき始めにもおすすめの食材。
やさしい味付けで、内臓を休めてあげましょう。薬味に体が温まるショウガを加えても。
<作り方>
1.そうめんを表示時間通りにゆでて、ざるにあげておきます。
2.好みのスープ(鶏がらスープ、めんつゆなど)を鍋に入れ、ネギ、鶏肉などを煮ます。
3.器にそうめんを入れ、2をかけて盛り付けます。
◎風邪がつらいとき/雑炊で〆る水炊き鍋
熱があるときは、消化がよくて栄養もしっかり摂れる食べ物が理想的。水炊き鍋は肉類のタンパク質と野菜のビタミンが一緒に摂れて、体も温まるので一石二鳥です。最後は雑炊にすれば、スープに溶け出た食材の栄養もしっかりいただくことができますよ♪
<作り方>
1.お好みの具(鶏肉、豆腐、野菜など)を食べやすい大きさに切ります。
2.鍋に水と昆布を入れて火にかけ、昆布は沸騰直前に取り出します。
3.具材を入れて火が通れば完成。
◎風邪が治りかけのとき/おろしうどん
「 熱はもうないけど、のどがまだ痛いな」というときにも、温かい食べ物がベター。のどの炎症や咳を和らげてくれる大根やネギと組み合わせてみましょう。
1.大根をすりおろし、ネギは細かく刻みます。
2.鍋にだしを煮立てたら、うどんを入れて麺が柔らかくなるまで煮ます。
3.大根おろしを汁ごと加えて軽く煮てから、器に盛ります。仕上げにネギを散らします。
風邪予防に普段から摂っておきたい栄養
できれば風邪をひく前に、普段から予防しておけると一番いいですよね。風邪予防のなかでも、栄養についての情報をピックアップしてご紹介します。
◎ビタミンA
1章でもお話しましたが、ビタミンAはのどや鼻の粘膜を丈夫にしてくれる栄養素。風邪予防にも効果的です。脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ることで吸収率が上がりますよ。
◎ビタミンC
こちらも1章でお話したとおり、ウイルスへの抵抗力と免疫力アップに欠かせない栄養素。ビタミンCはたくさん摂っても使わない分は体外へ排出されてしまうので、毎日摂っておくのが風邪予防のポイントです。
◎ビタミンE
ビタミンEは体内で「活性酸素」の働きを防ぐ抗酸化作用があります。活性酸素は増えると風邪をひきやすくなるので、普段からケアしておきたいところ。ビタミンEを含む食べ物は、モロヘイヤ、カボチャ、アーモンド、うなぎなど。ビタミンAと同じく脂溶性ビタミンなので、炒め物などにして油と一緒に摂るのがおすすめ。
ここでは、3つの栄養素をピックアップしましたが、「この3つさえ補充しておけば風邪をひかない!」というものではありません。
栄養が偏ると風邪をひきやすくなるので、栄養バランスのよい食事を摂ることが一番大事。いろいろな食材を取り入れた料理で日ごろから風邪予防に努めましょう。
まとめ
風邪は栄養をしっかりとって、ゆっくり体を休めることで回復していくと言われています。余裕があるときは手作りの料理で、時にはコンビニやスーパーも上手に活用して、元気を取り戻していきましょう。
文/北浦芙三子
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