りんごは比較的日持ちする果物ですが、乾燥と高温に弱いため保存方法を間違えると早く傷んでしまうことも……。そこで今回は、りんごをおいしく長持ちさせるための保存方法を紹介します。ひと手間加えることで、りんごはもっとおいしく&かしこく消費できるんです。
保存方法の前に、まずはりんごの豆知識をチェックしておきましょう。
りんごの産地、種類、旬
りんごの産地は、東北地方を中心にした寒い地域に集中しています。生産量は、青森県がダントツの1位で、それに長野県、山形県が続きます。
りんごは世界中で栽培されていて数千以上もの品種があるそう。日本で主に栽培されているのは「ふじ」で、長く保存できることでも知られる品種です。また、「つがる」「王林」「ジョナゴールド」などもメジャーですよね。お菓子用には「紅玉」がよく使われます。
りんごの旬は一般的に秋~冬。例外もあり、「星の金貨」「金星」など、品種によっては春先まで旬のものあります。
りんごの栄養
りんごに含まれる代表的な栄養は、次のとおりです。
◆有機酸
りんごには、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸がたっぷり含まれています。それらは胃腸の働きや疲労回復などをサポートするのだとか。
◆カリウム
カリウムは体内の余分な塩分を排出してくれる、大切なミネラル。むくみや血圧が気になる人を助けてくれるでしょう。
◆ペクチンやポリフェノール
りんごの皮には、整腸作用のあるペクチンや活性酸素を取り除くポリフェノールが豊富に含まれています。こちらも、健康維持には大切な栄養ですね。
おいしいりんごの選び方
おいしいりんごの特徴を挙げておきます。買う前にしっかりチェックしてくださいね。
◆ムラなく赤いのが完熟のしるし
お尻の方までムラなく赤く色付いたりんごは、熟している証です。ぱっと見は赤くても下のほうが黄緑のりんごは完全には熟していません。完熟でないりんごは、酸味が強い傾向にあることを覚えておきましょう。
◆枝が干からびていないもの
枝が干からびているりんごは、内部の水分がかなり抜けてしまい鮮度が落ちているおそれがあります。そのため、りんごを選ぶときには果実の方だけでなく、枝の具合もチェックするようにしましょう。
◆香りが芳醇なもの
香りをかいでみて芳醇な香りするものは良く熟したおいしいりんごです。
りんごを長持ちさせる保存方法
りんごは方法さえ間違えなければ長く保存できる果物です。りんごの正しい保存方法をここでしっかりチェックしておきましょう。
■そのままで常温or冷蔵保存
りんごの旬は冬。保存の適温は0~5℃なので、そのまま冷暗所で保存できます。乾燥を嫌うので、一つずつ新聞紙などに包んで段ボール箱などに入れておきましょう。
夏場や暖房のきいた室内では冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。冷蔵庫内は乾燥しやすいのでポリの袋に入れるようにしてください。ポリ袋に入れることで、りんごが放出するエチレンガスが他の果物を熟させるのも防いでくれます。
■りんごのエチレンガス効果
前述のエチレンガスについて補足しておきましょう。エチレンガスには野菜や果物を熟させる働きがあります。特にメロンは影響を受けやすく、バナナやキウイフルーツなども注意が必要です。そのため、他の果物や野菜に影響を与えないよう、できればりんごは別の場所に保存するのが◎。冷蔵庫に同居させる場合は、密閉できる保存袋に入れるようにしましょう。
一方でエチレンガスにはジャガイモの発芽を抑えてくれるという働きもあります。
■ひと手間加えて冷凍保存
りんごをそのまま食べるのではなく、料理やお菓子に調理して使う場合は、下処理をした状態で冷凍保存しておくと便利です。
■カットして冷凍保存
りんごは皮をむいて、カットして、芯を取ってと、下処理に意外と手間がかかります。時間のあるときにまとめて下処理を済ませておけば、使いたいときにさっと使えますよね。保存の手順を紹介します。
。
(1)りんごを食べやすいor調理しやすい大きさにカットする。
(2)レモン汁を表面にかける。
(3)冷凍用保存袋に入れて、全体を平らにならす。
(4)できるだけ空気を抜いてから、冷凍庫で保存する。
【ポイント】
・レモン汁をかける理由は、断面が酸化して変色するのを防ぐため。
・1回に使う分をラップに小分けしてから、冷凍用保存袋に入れるとなおよし。
・使うときは、半解凍してそのまま食べたり、凍ったまま調理したりすればOK。
■すりおろして冷凍保存
経験があるかと思いますが、すりおろしたりんごは変色するのが早いもの。つまり、酸化して傷みやすいとも言えるため、こちらも冷凍保存するのがおすすめです。
(1)りんごをすりおろす。
(2)レモン汁を混ぜる。
(3)製氷皿に入れて冷凍する。
(4)凍ったら冷凍用保存袋に移して、冷凍庫で保存する。
【ポイント】
・おろし器はりんごと反応してしまう金属製よりも陶器やプラスチック製がおすすめ。
・レモン汁は変色と酸化防止のために加える。
・すりおろして冷凍保存したりんごは、料理の下ごしらえやソース、隠し味などに。
りんごの保存期間の目安
りんごの保存期間の目安を、先ほどお伝えした保存方法の順に紹介します。あくまでも目安なので、早めに食べきることをおすすめします。
◆そのまま常温or冷蔵保存する場合
・常温保存:約2~4週間
・冷蔵保存:約3~8週間
◆カットして冷凍保存する場合
約1ヶ月
◆すりおろして冷凍保存する場合
約1ヶ月
おすすめのりんごの保存食
りんごは保存食にするのもおすすめ!ここでは、りんごの保存食として代表的な、りんごのコンポート(甘煮)の作り方を紹介します。
りんごのコンポート
【材料】
・りんご(紅玉)…4個
・砂糖…大さじ2
・はちみつ…大さじ2
【作り方】
(1)りんごの皮をむき、芯を取って約2cmにカット。
(2)お鍋に1を入れて、砂糖とはちみつを全体にまんべんなく行き渡らせ、しばらく放置。
(3)2のお鍋を弱火~中火にかけて、果汁が出てきたらお鍋のりんごの上下を入れ替えるように混ぜ、弱火で煮る。
(4)焦げないように注意しながら煮て、りんごがしんなりしたら火を止めて予熱調理。
(5)4の粗熱が取れたら、消毒した清潔な保存容器に入れ、密閉して完成!
【ポイント】
・使うお鍋は厚手のものが◎
・砂糖とはちみつをかけてしばらく置くと、浸透圧で果汁が出て調理しやすくなる。
・粗熱を取るには30分以上必要
・甘味の強いグラニュー糖やまろやかな三温糖など、使う砂糖の種類で好みの味に♡
2018.11.06数ある種類のりんごの中でも「焼く宝石」もいえる「紅玉」が秋になり出回り始めました。パティシエや、菓子作りの愛好家にとって「紅玉」が特別とされるそのワケと、家庭でも安く、手軽に「紅玉」の作り置きを楽しむための、入手方法や調理...続きを見る
りんごを使ったおすすめレシピ
りんごのグラスケーキ♥ざっくり混ぜたら詰めて焼くだけ!【#ホットケーキミックス #おやつ】
【材料(250ml容量で3個分)】
りんご…1個
A ホットケーキミックス…1袋(150g)
A 卵…1個
A 牛乳…100ml
A 溶かしバター(無塩)…25g
メープルシュガー…40g
ホイップクリーム…適量
材料をざっくり混ぜて、詰めて焼いたらあとはトッピングして完成!の、りんごを使ったお手軽なグラスケーキはいかが?スイーツ初心者でもできるお手軽レシピなので、普段のおやつにはもちろん、パーティーメニューや手土産にも喜ばれそう♪
2018.11.26基本は、ざっくり混ぜて・詰めて・焼くだけ。 トッピングはアレンジで♪自分史上1番簡単で優しい♥初心者さん向けのケーキレシピができました♪ホットケーキミックスをぐるっと混ぜてオーブンでほっとけばできちゃうお手軽さは、普段のお...続きを見る
★簡単!!りんごのマヨサラダ(사과샐러드)。
【材料(2人分)】
りんご…1個
みかん…1個
きゅうり…1本
じゃが芋…2個
ゆで卵…2個
マヨネーズ…適量
りんごやみかん、きゅうりなどを使ったビタミンCたっぷりのサラダ☆りんご、みかん、きゅうりは皮付きのまま使うと食感も栄養もアップ☆お好みでレーズンやほかのトッピングを加えてアレンジするのもおすすめです。
2018.01.25葉物野菜が高騰な冬こそ作ってほしいサラダ。切ってマヨネーズと混ぜるだけの簡単サラダ。肌の乾燥が気になる方、毎日のビタミンC不足に悩まれている方にお勧めします。続きを見る
旬の食材の秋鮭とりんごで体力アップに!鮭のりんごザンギ
【材料(2人分)】
鮭…2切れ
りんご…1/8個
にんにく…1/2片
しょうが…1/2片
酒…大さじ1
しょうゆ…大さじ1
片栗粉…大さじ2
薄力粉…大さじ1
サラダ油…大さじ3
秋らしいおかずのレシピ!秋鮭の漬け込みダレにすりおろしたりんごを使っています。こちらはもちろん、冷凍保存しておいたすりおろしりんごを使ってもOK!鮭はりんごといっしょに食べることで、健康によい相乗効果が得られるのだとか☆ぜひ試したい一品ですね。
2018.10.25急激に寒くなって、体力低下してませんか?そんな時にオススメ☆旬の食材の秋鮭をりんごのすりおろしでつけた、揚げ焼きレシピのご紹介♪☆鮭(サケ)の栄養と効能☆不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペン...続きを見る
まとめ
りんごを長持ちさせる保存方法をチェックしてきました。正しい方法で保存すれば、おいしいりんごを食べたいときに食べられます。この記事を参考にして、りんごをおいしく&かしこく消費しましょう。
参考/文部科学省「食品成分データベース」
まとめ/暮らしニスタ編集部
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