一度買ったら長~く使う、それが「冷蔵庫」。いざ買い替えとなっても選び方がよくわからない、だから値段で選んでしまい、使いにくさを10年我慢……なんて絶対嫌、ですよね!
そこで主婦100人に、「冷蔵庫」についてのお悩みポイントをリサーチ。TVチャンピオン「スーパー家電通選手権」優勝の「家電王」中村剛さんに、忖度なしのアドバイスとおすすめ商品をあげていただきました。
お悩みその1 冷蔵庫って何が違う?メーカー別の「ウリ」が知りたい!
――「冷蔵庫」は家電の中でも高額アイテム。アンケートでは「壊れない限り買い替えない」という意見も多く、10年以上使っている人は16%もいました。
絶対失敗したくない冷蔵庫選びで、まず知っておきたいのは大手メーカーそれぞれの「特徴」「ウリ」。家電王、教えてください!
棚が外しやすい冷蔵庫は掃除しやすい。重い野菜は『真ん中』が再トレンド。
冷蔵庫は低温で食品を保存するのが役目です。家電メーカー各社とも「より新鮮に」「長く」「使いやすく」キープする技術にしのぎを削っており、特に低温度帯で特徴が出ています。
パナソニック、日立、三菱3社の例と特徴的な商品をあげてみるので、参考にしてみてください。
パナソニック
生鮮食料品を1週間分新鮮に保存する「おいしさ7days」がキーワード。野菜室と冷凍室の「広さ」「大きな開き具合」は格別で、コンプレッサーを最上段のデッドスペースに移した「トップユニット方式」や、レール位置の工夫などが効いています。
三菱電機
三菱電機の冷蔵庫は低温度帯が多彩。特に「過冷却」の状況を作る「氷点下ストッカーD」は、肉や魚を「生のまま長持ち」させる便利な技術です。野菜室が「真ん中」と「下段」2タイプを用意しているのも特徴。
日立
日立の冷蔵庫の特色はやはり「真空チルド室」でしょう。チルド室内の空気を0.8気圧まで抜き、酸素量を約20%減らして食材の酸化を防ぎます。食品に冷気を直接当てない間接冷却・密閉構造により食品の乾燥が抑えられるので、ラップなしでの保存も可能です。
家電王のおすすめ!
「幅68.5cm、600Lの省スペース大容量冷蔵庫」パナソニック パーシャル搭載冷蔵庫 NR-F604WPX(600L)
「幅68.5cmで600Lの大容量をもつ省スペースな冷蔵庫。まとめ買い食材や作り置きおかずをたっぷり保存できます。表面にフロスト加工を施した『フロストガラス』はインテリア性だけでなく指紋汚れも抑えます」
「4つの低温度帯を使い分け」三菱電機置けるスマート大容量 MXシリーズMR-MX57D(572L)
「低温帯の引き出しが充実している三菱。『MR-MX57D』は0度、0~-3度、-7度、-18度の4つの部屋があり、保存する期間や用途によって使い分けられます」
「『真空チルド』と『プラチナ触媒』で鮮度長持ち」日立 真空チルド ラグジュアリーWXシリーズ R-WX74J(735L)
「『プラチナ触媒(ルテニウム配合)』がニオイ成分を分解。炭酸ガス濃度を高め、野菜を“眠らせるように”保存し鮮度を守ります。735Lも入ると引き出しが重くなりがちですが、ラグジュアリーシリーズでは電動引き出しを採用。ワンタッチで開けられます」
お悩みその2 うちの冷蔵庫、いつもパンパンなんです!
――「冷蔵庫をどんな基準で選んだか」という質問では「容量」が1位。不満についても「容量不足」が最も多くあがりました。
食べ盛りの子どもがいて、まとめ買いや作り置き等もする「4人家族」が満足できる冷蔵庫選びのポイント、おすすめを教えてください!
冷蔵庫はサイズが許す範囲で、なるべく容量の大きいものをおすすめします。
余裕をもって食材が入れられるのはもちろん、実は電気代も大型の方が安い。
カタログの消費電力量欄を見ると差は歴然です。
1年間の電気代の目安は「年間消費電力量」×27で計算できるそう。
この2機種では、
小容量のほうが年間2,322円も高い!
大型冷蔵庫は断熱がよりしっかりしているので電気代が安い。
ただどうしても本体価格はお高めですから、旧型商品が安くなる新商品リリース前後を狙うなど、賢く選んでいただきたいですね。
それと、まとめ買いをされる家庭に一言。
食材の収納はゆっくり整理しながらで大丈夫ですよ!
1日の8~9割の時間、閉まっている冷蔵庫にとって、この程度の空気の入れ替わりで電気代はさほど変わりません。
むしろ「手早く」を優先して乱雑に置き、消費期限が見づらくてフードロスを出してしまう方がよほどムダです。
家電王のおすすめ!
「たくさん入って節電もしっかり」パナソニックパーシャル搭載冷蔵庫 NR-F504HPX(500L)
「4人家族に使いやすい500Lの冷蔵庫。ムダをみつけて自動で節電する『エコナビ』を搭載し、年間消費電力量は259kWh。一カ月あたり約600円程度という低ランニングストっぷりです」
「月の電気代試算は500円ちょい。たくさん入ってコスパな冷蔵庫」日立 真空チルド R-HW52J(520L)
「真空チルドルームを搭載し、520L入る『R-HW52Jの年間消費電力量は239kWh。年間の電気代は約6,453円と月額500円ちょっと。断熱性能を高めている大型機種ならではのコスパの良さです」
お悩みその3 「野菜室」「お手入れ」も気になる!
――今使っている冷蔵庫の不満について、「容量」の次に高かったのが「掃除のしにくさ」。拭きにくいので汚れてもついそのまま……という事は多いよう。
「次の買い替えで重視するポイント」の質問では、「野菜室の使いやすさ」も注目されていました。これらをクリアする冷蔵庫は?
棚が外しやすい冷蔵庫は掃除しやすい。重い野菜は『真ん中』が再トレンド。
食器は洗うのが当たり前なのに、冷蔵庫内は汚いことがよくありますね。口に入るものを収納する場所なので、マメに「外して洗える」「拭ける」棚かどうかをチェック。
日立が採用する「強化処理ガラス棚」はサッと拭きやすく、傷がつきにくくニオイうつりも少なめです。
野菜室については、以前は冷蔵庫の一番下が定位置でしたが、東芝や三菱等真ん中野菜レイアウトにこだわっているメーカーもあります。野菜は重くて大さもあるので、理にかなっています。
家電王のおすすめ!
「全段強化処理ガラス棚で掃除がラクにできる」日立 真空チルド R-HW60J(602L)
「強化処理ガラスを全棚に採用。サッと拭きやすいだけでなく上からの見通しもいいので、食材が探しやすく整理もしやすい。下段右側の『高さかわるん棚』は、収納したいものに合わせて高さを3段階に調整できます」。
「元祖まんなか野菜室冷蔵庫です」東芝ベジータGR-P600FWA(601L)
「野菜室は、大きさに加えて使いやすさも必要。『真ん中に野菜室がある冷蔵庫』を貫く東芝は、水分を含んだ冷気でうるおいを守り、野菜クズをサッと履きだせる『お掃除口』も設けています」
「家電王」が動画で紹介! 「間違いだらけの冷蔵庫の使い方!まさかのカビ?」
「家電王」中村さんがためになる家電のアレコレを動画で教えてくれる「教えて家電王」シリーズ。うっかり忘れると怖い製氷室のメンテナンスについて紹介しています。
お悩みその4 2人暮らしの冷蔵庫選びは?
――「嫁入り道具として購入するけど家族が増える7~8年後には買い替え予定」「子どもが巣立って夫婦ふたりになった」など、2人暮らし用冷蔵庫もニーズは多め。どんな選び方やおすすめがあるでしょうか?
質問1同様、少人数でもスペースが許すなら小さいよりはある程度大きさのある冷蔵庫がおすすめです。
それ以外だと、「結婚」「家族の巣立ち」など家族の人数が変わるシーンには引越しが伴うことが多いので、キッチンのレイアウトにあわせてドア開閉がどちらからも出来るタイプや、観音開きのフレンチドアタイプを選んでおくと安心でしょう。
家電王のおすすめ!
「使ってみると案外便利!『どっちもドア』冷蔵庫」シャープ プラズマクラスター冷蔵庫 SJ-GT42D(415L)
「ひとつのドアが左右どちらにも開く、シャープ独自の『どっちもドア』を採用した冷蔵庫です。『近い方からアクセスできる』『壁際でも開閉スペースを大きく取れる』『来客時に庫内が見えないように開けられる』など、引越し以外でもメリットは多いです」
お悩みその5 見た目のいい冷蔵庫ってある?
――存在感のある冷蔵庫は見た目も大事。「インテリアにあう」「お客様に見られてもはずかしくない」おしゃれな冷蔵庫で、なおかつ性能もいいものってありますか?
デザイン性と使い勝手を両立した冷蔵庫と言えば「アクア」でしょう。
ハイアールグループが引き継いだ旧三洋電機の製品なので性能はお墨付き。「ホームパーティで活躍する」をコンセプトにした「クールキャビネット」は、デザイン性と家じゅうどこでも使えるコンパクトさを特徴としています。
家電王のおすすめ!
「リビングに置ける“おもてなし冷蔵庫”」AQUA クールキャビネットAQR-SBS45H (449L)
「高級感たっぷりのガラスドアと落ち着いたデザインがリビングにもマッチ。欧米で主流のパノラマオープンタイプで、あけると庫内が一目で見渡せます。庫内は左が冷凍、右が冷蔵のレイアウト。薄型なので奥まで手が届きやすくなっています」
「寝室用2台目冷蔵庫にぴったり」AQUA クールキャビネットAQF-GS15G(153L)
「キッチンに置いてメインで使うというより『2台目として寝室に置く』『ホームパーティの予備冷蔵庫に使う』などの使い方が似合う冷蔵庫です。庫内は『冷蔵』『チルド』『冷凍』のいずれかに切り替えて使う仕様です」
「家電王」が動画で紹介!「冷蔵庫じゃないの?クールなキャビネットって何?」
「家電王」中村さんがためになる家電のアレコレを動画で教えてくれる「教えて家電王」シリーズでは、「クールキャビネット」も紹介されています。
まとめ
冷蔵庫は「大きい方が電気代が安い」とは目からウロコ! とはいえ「小型でも省エネが進化しさほど差はないので、あなたの暮らし方にあった冷蔵庫を選んでくださいね」と家電王。365日24時間使う冷蔵庫は「壊れてから検討」では遅すぎるアイテム。今からじっくり検討してみてください!
監修/中村 剛さん
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プロフィール
監修/中村 剛さん
東京電力エナジーパートナー株式会社 リビング事業本部 副部長。テレビ東京系列にて放送された人気番組「TVチャンピオン」のスーパー家電通選手権において2002年に優勝。2018年5月現在「くらしのラボ」などリビング・デジタルメディアも担当している。節電や家電について、わかりやすく実践的な解説に定評があり、多くのメディアに登場。
取材・文/和田玲子
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