コラム
ところが教育費が長引くケースがあり、これは大きな落とし穴です。
わたしの知り合いのＭさん（51才女性・息子22才、20才）の話。息子さん二人は小さいころから、ほんとうに優秀で神童といわれているような子どもたちでした。
優秀だから当たり前のように、二人とも中高一貫の私立にすすみ、上の子はうまく現役で国立大学におさまりました。
下の子はさらに優秀で、某国立大学の医学部以外には行かないと。現役で、いくつも名だたる大学に受かっているのに、その国立大学だけが受からなくて、いま三浪目という状態です。
上の子の一人暮らしの仕送りをしながら、下の子には医学部系の予備校に通わせ、そのうえ自営業のご主人の仕事も最近あまり思わしくないという噂も耳に入ってきます。
そろそろ車の一台も手放さなきゃいけないぐらいのところまできていて、まだ息子の終わりが見えない……。
下の子は現役で折り合いをつけられればよかったのですが、勉強ができるだけでなく、ほんとうに努力家。そこまで頑張る子だったら、親は何も手出しできません。次の受験でまた国立がダメで、私立になってしまったら、Ｍさんの家庭が教育費破綻してしまう可能性すら出てきている状況です。
どんなに勉強ができる子でも試験当日に体調をこわすということはあり得る話です。
『試験に失敗しても、浪人は一浪まで』とか、『現役で入れなかったら専門学校に行く』『「地元の公立大学に入れなくて、遠くの私立大学に行くことになったら、奨学金を借りてもらわないと学費が払えない』など、あらかじめ、ある程度の進路や費用負担について決めておくことは大切です。
たとえば第一志望でない大学に入ったとしても、大学院の修士課程でもともとの志望校にチャレンジすることもできますから、そういった道も考えておくとよいでしょう。
司法浪人にしても会計士浪人にしても同じ。いつまでつづけるか、その期限を決めておかないと、お子さんは中高齢ニートになり、親のほうは老後破産につながりかねません」
一人息子は一浪して大学に入ったものの、ダンスにはまり、入学当初からほとんど大学にも行かず、25才になるいまも全く単位がとれていない状態。
息子はダンサーになるといって、ずっと練習をつづけているけれど、親は世間体で学費を払いつづけているようです。
もちろん夢を追いかけるのはいいけれど、大学に行きながら夜、練習してもよかったのではないでしょうか。
お金に余裕がある家なら、子どもを抱え込んで最後まで見るという考え方もありますが、そこまでできる家というのはそうありません。
きちんと援助できる限度というのを親が決めておき、それを子どもに教えておくということですね。それが子どもの自立のサポートにもなるのではないでしょうか」
『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、『どっちがお得？定年後のお金』（高橋書店）など著書多数。
取材・文／池田純子
子どもの教育費で破産の可能性も!? 限度額はしっかり決めておくべし！
更新日：2017.10.28
「子どものため」とはいえ、かけられる教育費にも限度が！
「子どもが成長するほど、お金がかかりますが、それも子どもが学校を卒業するまで、自分で働くようになるまで、と一応、教育費には終わりがあります。ところが教育費が長引くケースがあり、これは大きな落とし穴です。
わたしの知り合いのＭさん（51才女性・息子22才、20才）の話。息子さん二人は小さいころから、ほんとうに優秀で神童といわれているような子どもたちでした。
優秀だから当たり前のように、二人とも中高一貫の私立にすすみ、上の子はうまく現役で国立大学におさまりました。
下の子はさらに優秀で、某国立大学の医学部以外には行かないと。現役で、いくつも名だたる大学に受かっているのに、その国立大学だけが受からなくて、いま三浪目という状態です。
上の子の一人暮らしの仕送りをしながら、下の子には医学部系の予備校に通わせ、そのうえ自営業のご主人の仕事も最近あまり思わしくないという噂も耳に入ってきます。
そろそろ車の一台も手放さなきゃいけないぐらいのところまできていて、まだ息子の終わりが見えない……。
下の子は現役で折り合いをつけられればよかったのですが、勉強ができるだけでなく、ほんとうに努力家。そこまで頑張る子だったら、親は何も手出しできません。次の受験でまた国立がダメで、私立になってしまったら、Ｍさんの家庭が教育費破綻してしまう可能性すら出てきている状況です。
どんなに勉強ができる子でも試験当日に体調をこわすということはあり得る話です。
『試験に失敗しても、浪人は一浪まで』とか、『現役で入れなかったら専門学校に行く』『「地元の公立大学に入れなくて、遠くの私立大学に行くことになったら、奨学金を借りてもらわないと学費が払えない』など、あらかじめ、ある程度の進路や費用負担について決めておくことは大切です。
たとえば第一志望でない大学に入ったとしても、大学院の修士課程でもともとの志望校にチャレンジすることもできますから、そういった道も考えておくとよいでしょう。
司法浪人にしても会計士浪人にしても同じ。いつまでつづけるか、その期限を決めておかないと、お子さんは中高齢ニートになり、親のほうは老後破産につながりかねません」
あらかじめ親ができる限度を子どもに伝えておきましょう
「また、こんな家もあります。その家は夫婦共働きで、お金には困っていません。一人息子は一浪して大学に入ったものの、ダンスにはまり、入学当初からほとんど大学にも行かず、25才になるいまも全く単位がとれていない状態。
息子はダンサーになるといって、ずっと練習をつづけているけれど、親は世間体で学費を払いつづけているようです。
もちろん夢を追いかけるのはいいけれど、大学に行きながら夜、練習してもよかったのではないでしょうか。
お金に余裕がある家なら、子どもを抱え込んで最後まで見るという考え方もありますが、そこまでできる家というのはそうありません。
きちんと援助できる限度というのを親が決めておき、それを子どもに教えておくということですね。それが子どもの自立のサポートにもなるのではないでしょうか」
これでお金の不安ともサヨナラ！
もっと詳しく畠中先生のお話を読みたい方はこちら！『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、『どっちがお得？定年後のお金』（高橋書店）など著書多数。
取材・文／池田純子
Profile畠中雅子
ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
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