コラム
Ｋさんのうちにはペットがいます。そのこと自体はかまわないのですが、問題なのはペットにかかるお金。月収の平均が約17万円に対して、月々にかかるペット費が２万4000円！ 食費が２万3000円ですから、なんと、家族3人分の食費よりもペット費のほうが多いのです。
内訳を聞いてみると、病院代が１万7000円、えさ代3000円、保険料4000円とか。ペットも飼い始めて10年ぐらい経つと、年をとって病気にもなります。だから医療費がかかる。少し具合が悪くて病院に連れて行くと、1回の治療費が３～４万円というのはざら。ペットの医療費は高額なんです。
ペットの保険もまた高い。Ｋさんの夫の保険料は月々2200円なのに、ペットの保険料は4000円。こちらもペットのほうが高い！ なかにはペットの保険には入っているけれど、人間は保険に入っていないなんていうお宅もあります。人間は健康保険や高額療養費があるからってね。
ペットは一度飼ったら、家族の一員になるわけですから、手放すということは考えられないでしょう。だからこそ、特に家計の厳しいうちは、ペットを飼う前に子どもの教育資金や老後資金がどの程度、準備できているのか、ということをある程度考えてほしいのです。
とにかくペットを飼うと、医療費など突発的な支出がふえます。その現実をちゃんと知って、それでも払っていけるのかということをよく考えて。結局、病気になったときに飼い主がちゃんと治療費を払えないと、ペットも不幸だということです。
Ｋさんのお宅もペット費がふくらんで貯蓄ができない状況ですが、その中でも14万円と月収が少ない月はなしでＯＫだけど、20万円の月は２～３万円の先取り貯蓄をしましょう、とアドバイスしました」
ペットを飼うと、働く時間も左右されがちに。犬なんかは朝夕の散歩が必要だからって、それに合わせて働く人もいますよ。働くことまで制限されて、それでもなお飼うというなら、他の支出を削る工夫をしなくては。
先日こんな話を聞きました。その方はシングル女性ですが、老後資金を貯めなきゃいけないのに、なかなか貯金ができない。いざ貯めようとモチベーションを高めると、不思議なことにペットが病気をする。そのたびに治療して落ち着いて、そろそろ大丈夫かなと思って、もう一度家計を見直して、一生懸命貯め始めると、また具合が悪くなる……。その繰り返しだそうです。
どのぐらい治療費がかかっているのか聞いてみると、ある年は30万、ある年には40万と、30～40万円単位でかかると話します。１カ月３万円貯金しようと思って貯めていたお金があっという間になくなったと嘆いていました。とにかくペットが病気するたび、貯金のやる気がくじかれるそうです。
なぜ貯金をしようとするとペットが病気になるのでしょうか。それは彼女が貯められない理由を、ペットの治療費のせいにしているからではないでしょうか。実は貯められるタイミングは他にもっとあるはず。でもそれで貯められないというのは、やっぱり言い訳ではないかなって私は思うんです。
家計に余裕がない中でペットを飼うなら、その前に貯蓄計画を見直す、他に何かをあきらめる、ペットにお金がかかっても、それを貯められない言い訳にしない……ペットを飼うときの心得としてぜひ覚えておいてください」
『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、『どっちがお得？定年後のお金』（高橋書店）など著書多数。
取材・文／池田純子
人間以上にお金がかかる!?陥りやすい “ペット貧乏”への落とし穴
更新日：2017.10.28
意外にお金がかかる！ペットを買うには覚悟が必要
「先日、家計診断させていただいた奥様、Ｋさん（29才・息子3才）の話です。年収200～250万円で貯蓄額は約40万円。ご主人の月収が14～20万円と幅があり、全く貯蓄ができない月もあるといいます。Ｋさんのうちにはペットがいます。そのこと自体はかまわないのですが、問題なのはペットにかかるお金。月収の平均が約17万円に対して、月々にかかるペット費が２万4000円！ 食費が２万3000円ですから、なんと、家族3人分の食費よりもペット費のほうが多いのです。
内訳を聞いてみると、病院代が１万7000円、えさ代3000円、保険料4000円とか。ペットも飼い始めて10年ぐらい経つと、年をとって病気にもなります。だから医療費がかかる。少し具合が悪くて病院に連れて行くと、1回の治療費が３～４万円というのはざら。ペットの医療費は高額なんです。
ペットの保険もまた高い。Ｋさんの夫の保険料は月々2200円なのに、ペットの保険料は4000円。こちらもペットのほうが高い！ なかにはペットの保険には入っているけれど、人間は保険に入っていないなんていうお宅もあります。人間は健康保険や高額療養費があるからってね。
ペットは一度飼ったら、家族の一員になるわけですから、手放すということは考えられないでしょう。だからこそ、特に家計の厳しいうちは、ペットを飼う前に子どもの教育資金や老後資金がどの程度、準備できているのか、ということをある程度考えてほしいのです。
とにかくペットを飼うと、医療費など突発的な支出がふえます。その現実をちゃんと知って、それでも払っていけるのかということをよく考えて。結局、病気になったときに飼い主がちゃんと治療費を払えないと、ペットも不幸だということです。
Ｋさんのお宅もペット費がふくらんで貯蓄ができない状況ですが、その中でも14万円と月収が少ない月はなしでＯＫだけど、20万円の月は２～３万円の先取り貯蓄をしましょう、とアドバイスしました」
貯金がたまらないのはペットのせいだけじゃない!
「一度飼ったペットは、きちんと最後まで家族として看取る、亡くなると次の家族を迎えたくなりますが、やっぱり教育資金に負担を感じる時期はペットを見送ったら、しばらくはあきらめるということも必要になるでしょうね。いま以上にふやすときにも慎重になってほしいですね。ペットを飼うと、働く時間も左右されがちに。犬なんかは朝夕の散歩が必要だからって、それに合わせて働く人もいますよ。働くことまで制限されて、それでもなお飼うというなら、他の支出を削る工夫をしなくては。
先日こんな話を聞きました。その方はシングル女性ですが、老後資金を貯めなきゃいけないのに、なかなか貯金ができない。いざ貯めようとモチベーションを高めると、不思議なことにペットが病気をする。そのたびに治療して落ち着いて、そろそろ大丈夫かなと思って、もう一度家計を見直して、一生懸命貯め始めると、また具合が悪くなる……。その繰り返しだそうです。
どのぐらい治療費がかかっているのか聞いてみると、ある年は30万、ある年には40万と、30～40万円単位でかかると話します。１カ月３万円貯金しようと思って貯めていたお金があっという間になくなったと嘆いていました。とにかくペットが病気するたび、貯金のやる気がくじかれるそうです。
なぜ貯金をしようとするとペットが病気になるのでしょうか。それは彼女が貯められない理由を、ペットの治療費のせいにしているからではないでしょうか。実は貯められるタイミングは他にもっとあるはず。でもそれで貯められないというのは、やっぱり言い訳ではないかなって私は思うんです。
家計に余裕がない中でペットを飼うなら、その前に貯蓄計画を見直す、他に何かをあきらめる、ペットにお金がかかっても、それを貯められない言い訳にしない……ペットを飼うときの心得としてぜひ覚えておいてください」
これでお金の不安ともサヨナラ！
もっと詳しく畠中先生のお話を読みたい方はこちら！『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、『どっちがお得？定年後のお金』（高橋書店）など著書多数。
取材・文／池田純子
Profile畠中雅子
ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
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