コラム
私が以前、家計診断させていただいたＴさん（42才・娘６才）夫婦もそんな感じ。奥さんは一生懸命頑張って節約しているのに、ご主人が非協力的で、まだ乗れる車を奥さんに相談もなく買いかえたそう。
決して夫婦の仲が悪いわけでも、会話がないわけではありませんが、お金の話、つまりご主人にとって都合の悪い話や聞きたくない話になると『ふ～ん』で終わってしまうそうです。
その結果、収入から考えると400～500万円の貯金があってもよさそうなのに、実際の貯金額は約100万円。Ｔさんのお宅の場合、これから教育費がかかってきますし、家の住みかえなど、あとあとお金のかかるイベントが襲いかかってきます。子どもの小さい今こそ貯めどきなはずなのに、貯金があまりできていないというのは、やはり夫婦のコミュニケーション不足がもとで、家計の予算がきちんと管理ができていないからですね」
作り方は簡単。大きな紙に罫を引いて、年数（西暦でも元号でもOK）と家族の年齢、イベント、そのときどきにかかるお金を書いていきます。そうすると、いつごろどんなお金が必要になり、それに対していまはどうなのか、それまでにいくら貯めなければいけないのか、など将来の支出がわかるだけでなく、現在の問題点が明確になり、今後の貯蓄計画が立てやすくなります。現状把握と将来の見通しが一目瞭然になるわけです。
たとえば、いま子どもが６才なら、２０２６年には１６才になり、高校進学や通学にかかるお金が必要になる。もしも私立にいけば、どこからそのお金は捻出するのか？ ということがわかります。とにかく数字で理詰めにしていくということです。
表を作るときは必ず手書きで。エクセルなど機械的なもので作ると大変さが伝わりません。つたなくてもいいから奥さんが一生懸命考えて作っていることが、ご主人に伝わればいいんです。
奥さんが生活設計表を作って問題点を抜き出したら、それをご主人に見てもらいましょう。『暇なときに見てね』と渡されて、完全に無視するご主人はいないでしょう。ご主人の貯金額など知りたいことがあれば、そこは空欄にしてご主人に書き込んでもらうようにします。その際は自分の貯金額も書いておけば、ご主人も回答しやすくなるはずです。
Ｔさんもご主人とお金の話をするのは難しいようですが、お金の問題について言葉のやりとりで解決するというのは、よほどふだんから話し合いでうまくいっている夫婦だけです。でも実はそういう夫婦というのは、あまりいないと私は思っています。それでうまくいくのは10組に１組か２組ぐらい。いいかえれば８～９組の大多数の夫婦というのは、根本的なところでお金の問題を抱えているのではないかと感じています。
何でも会話の中で解決しようとしても、たいていお互いの頭の中では違う発想が回っているだけで論点が合っていないことが多い。『私はフルーツの話をしているのに、だんなは焼肉の話をしていた』というような感じでケンカになるんですね。
お金のケンカというのは、だいたい近視眼的な話なので、やらなきゃいけないことの優先順位がうまくつかないまま、空気だけが悪くなっていきます。話しているうちに、過去の嫌だったことを引っ張り出してケンカになるケースも少なくないですし。具体的な策ではなくて、あのときにああいう無駄づかいをしたとか、あれに使いすぎたとか、聞いてみると、どんどん論点がずれていっている。でもずっと同じことを言っていても解決しません。ならば解決できるように別の出口を見つけなければいけないわけです。その出口がまずは『生活設計表』なのです」
『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
取材・文／池田純子
これで夫婦ゲンカも減少？夫の無駄遣いをやめさせる方法とは!?
更新日：2017.10.28
お金が貯まらないのは夫婦のコミュニケーション不足が原因？
「奥さんが一生懸命節約に励んでいるのに、夫が全く協力してくれない。それどころか内緒で大きな買い物をする……こんな話は珍しくありません。飲み物やタバコなど嗜好品にかかるお金は当たり前だと思っているダンナさんも多いようですね。私が以前、家計診断させていただいたＴさん（42才・娘６才）夫婦もそんな感じ。奥さんは一生懸命頑張って節約しているのに、ご主人が非協力的で、まだ乗れる車を奥さんに相談もなく買いかえたそう。
決して夫婦の仲が悪いわけでも、会話がないわけではありませんが、お金の話、つまりご主人にとって都合の悪い話や聞きたくない話になると『ふ～ん』で終わってしまうそうです。
その結果、収入から考えると400～500万円の貯金があってもよさそうなのに、実際の貯金額は約100万円。Ｔさんのお宅の場合、これから教育費がかかってきますし、家の住みかえなど、あとあとお金のかかるイベントが襲いかかってきます。子どもの小さい今こそ貯めどきなはずなのに、貯金があまりできていないというのは、やはり夫婦のコミュニケーション不足がもとで、家計の予算がきちんと管理ができていないからですね」
家計の”目に見える化”で夫に直談判を！
「そこで奥さんに、ぜひ作ってほしいのが『生活設計表』です。生活設計表とは、いわゆるライフプランやマネープランといわれるものです。作り方は簡単。大きな紙に罫を引いて、年数（西暦でも元号でもOK）と家族の年齢、イベント、そのときどきにかかるお金を書いていきます。そうすると、いつごろどんなお金が必要になり、それに対していまはどうなのか、それまでにいくら貯めなければいけないのか、など将来の支出がわかるだけでなく、現在の問題点が明確になり、今後の貯蓄計画が立てやすくなります。現状把握と将来の見通しが一目瞭然になるわけです。
たとえば、いま子どもが６才なら、２０２６年には１６才になり、高校進学や通学にかかるお金が必要になる。もしも私立にいけば、どこからそのお金は捻出するのか？ ということがわかります。とにかく数字で理詰めにしていくということです。
表を作るときは必ず手書きで。エクセルなど機械的なもので作ると大変さが伝わりません。つたなくてもいいから奥さんが一生懸命考えて作っていることが、ご主人に伝わればいいんです。
奥さんが生活設計表を作って問題点を抜き出したら、それをご主人に見てもらいましょう。『暇なときに見てね』と渡されて、完全に無視するご主人はいないでしょう。ご主人の貯金額など知りたいことがあれば、そこは空欄にしてご主人に書き込んでもらうようにします。その際は自分の貯金額も書いておけば、ご主人も回答しやすくなるはずです。
Ｔさんもご主人とお金の話をするのは難しいようですが、お金の問題について言葉のやりとりで解決するというのは、よほどふだんから話し合いでうまくいっている夫婦だけです。でも実はそういう夫婦というのは、あまりいないと私は思っています。それでうまくいくのは10組に１組か２組ぐらい。いいかえれば８～９組の大多数の夫婦というのは、根本的なところでお金の問題を抱えているのではないかと感じています。
何でも会話の中で解決しようとしても、たいていお互いの頭の中では違う発想が回っているだけで論点が合っていないことが多い。『私はフルーツの話をしているのに、だんなは焼肉の話をしていた』というような感じでケンカになるんですね。
お金のケンカというのは、だいたい近視眼的な話なので、やらなきゃいけないことの優先順位がうまくつかないまま、空気だけが悪くなっていきます。話しているうちに、過去の嫌だったことを引っ張り出してケンカになるケースも少なくないですし。具体的な策ではなくて、あのときにああいう無駄づかいをしたとか、あれに使いすぎたとか、聞いてみると、どんどん論点がずれていっている。でもずっと同じことを言っていても解決しません。ならば解決できるように別の出口を見つけなければいけないわけです。その出口がまずは『生活設計表』なのです」
これでお金の不安ともサヨナラ！
もっと詳しく畠中先生のお話を読みたい方はこちら！『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
取材・文／池田純子
Profile畠中雅子
ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
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