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コラム

中学受験特集【前編】子どものころから『お受験』なんてかわいそう?そのイメージ、実はちょっと違います。

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中学受験特集【前編】子どものころから『お受験』なんてかわいそう?そのイメージ、実はちょっと違います。

中学受験人口は、ここ数年増加し続けています。とくに都市部では、その傾向が顕著です。

「うちの子は全然勉強できないから」と遠い目になったり、「そろそろ塾に入れないと間に合わない?」と焦ったり、「子どものころから『お受験』なんてかわいそう」と眉をひそめたり、過熱する中学受験の状況を目にして感じることは、きっと人それぞれに違うでしょう。

塾講師・家庭教師として多くの子どもたちを指導し、「わくわく系中学受験」のカリスマとして知られる辻義夫先生に、中学受験チャレンジの前に知っておきたいことを伺いました。

実際の「受験」と「お受験」にはギャップがある

人気が高まっているとはいえ、首都圏でも中学受験をする小学生は約20%。教育に関心の高い、一部の家庭に限られているのが実情です。

さらに、親世代の多くは中学受験未経験のため、「どんな勉強をさせたらいいかわからない」「小学生のうちから勉強漬けにさせて大丈夫なのだろうか」といった疑問や不安の声がよく聞かれます。

私は長年、塾講師や家庭教師として中学受験の世界に携わってきましたが、実際の受験と「お受験」というフレーズから連想されるものには、かなりのギャップがあると感じています。

中学受験は、机にかじりついて知識を詰め込むだけで合格できるものではありません。むしろ、しっかり遊び、豊かな経験をすることも重要!子どもにとってバランスのとれた成長が、結果的に受験にもプラスに働くことが多いのです。

大人でも苦戦する入試問題の真意とは

中学の入試問題を手にとってみると、大人でも苦戦する問題がいくつもあります。

たとえば、武蔵中学校の理科では、毎年、ユニークな出題がされることでも有名です。その代表的なものが、試験時に配られた袋の中身を観察し、その仕組みや使い方、便利なポイントなどを説明する、という問題です。配布された物は、「袋に入れて持ち帰りなさい」と指示されることから、「おみやげ問題」とも言われています。昨年、袋に入っていたのは、キーホルダーなどについている金具・カラビナでした。

ここで重視されているのは、カラビナの仕組みを「知っているかどうか」ではありません。たとえ知らないことでも前向きに取り組み、観察して推理し、自分の言葉で説明できるかどうか、です。

以前から上位校では思考力を問う問題が多く出題されていましたが、最近では、中堅校と言われる学校でも、単に知識を問うのではなく、観察力や柔軟な発想、論理的な思考力が試される問題が多く出題されるようになっています。

試験問題で「学校がどんな子を求めているか」がわかる

試験問題を見ると、その学校がどんな子を求めているのかが見えてきます。

たとえば、野菜の断面を描かせたり、カレーを作る手順を説明させる問題など、家庭で手伝いをしたり、身近なもので遊んでいる子のほうが解きやすい問題も多く見受けられます。

これらの問題は、「ちゃんと遊んでいますか?」「お手伝いしていますか?」「身近なものをよく観察していますか?」という学校からのメッセージとも言えるでしょう。

どの学校も、入学後も伸び続ける子に入ってきてほしい、と考えています。

与えられた課題を速く、正確にこなすことよりも、考えることを楽しみ、自ら学べる力を養ってきてほしい。学校が求める生徒像は、多くの大人が子どもにはこうあってほしい、と願う姿でもあると感じます。

「お受験」というと、貴重な子ども時代の豊かな経験を勉強一色で塗りつぶすように感じられるかもしれませんが、実際の中学受験を知ると、そのイメージが大きく変わるかもしれません。

受験を考えている家庭は、偏差値だけで学校を決めるのではなくて、まず親が過去の入試問題にチャレンジしてみるとよいですね。

中学受験の入り口で迷わないために親がすること

中学受験では、新4年生の春から塾に入って、受験対策を始めるのが一般的です。

しかし、ここで「ギャップ」に直面するケースも少なくありません。学校の成績はよいからと自信を持って塾に入ってみると、「入塾テストでは下位だった」「塾の小テストでは全然点数が取れない」といった状況に戸惑う親子も多いのです。

背景には、受験にチャレンジする母集団にはもともと成績上位層が多く含まれていることが挙げられます。つまり、中学受験で「偏差値50」の学校でも、実は一般的な基準より高いレベルに位置しており、高校で同じ学校を目指そうとすると偏差値60〜70が必要になることも珍しくないのです。

母集団の特性を理解していないと、「できる子だと思っていたのに…」と不必要にガッカリしたり、「もっと上を狙わなければ意味がない!」と過度に高い目標を設定してしまったりといった迷走も起こりがちです。

中学受験は親子にとって未知の挑戦。さまざまなギャップや不安に直面することもあるでしょう。

イメージや間違った情報に惑わされず、まずはきちんと知ることが大切です。方向性を見誤った努力は、親子の負担を増やすばかり。不幸な結果を招きかねません。しかし、正しい方向でがんばれば、中学受験は本質的な学びの姿勢を身につけるすばらしい機会になるはずです。

次回は、理系脳の育て方にフォーカス! 夢中で遊び、楽しく学ぶうちに知らないうちに理系科目が好きになってしまう秘密とは?どうぞお楽しみに!

次の話 【中編】理系脳の最大のメリットは「生きていて楽しい」と思えること。必要なのは、自然体験や本物体験です。

辻 義夫(つじ・よしお)●理数教育課、中学受験専門のプロ家庭教師「名門指導会」副代表。「中学受験情報局かしこい塾の使い方」主任相談員。大手塾講師、個別指導教室運営を経て、楽しみながら理数系科目が好きになるノウハウを確立。勉強法や受験のお役立ち情報を発信している。

辻先生が監修!理系脳を
育てるレシピ本もチェック!

冷凍庫を使わずに作る本格ジェラートや色が変わるムースなど、理科への興味を広げる入り口にうってつけ。過去に中学受験で出題された入試問題も収録した、理系脳をはぐくむレシピ本!

『キッチンで頭がよくなる!理系脳が育つレシピ』中村陽子 著/辻義夫 監修

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