【Iさん宅(東京都)】
ご夫妻と中学2年生の息子さんの3人家族。土地選びは“運命の出会い”だったそうで、「見に行ったその日に購入を決意(笑)。土地自体は小さいのですが、南側が開けているのが気に入りました」
無垢のパイン材や珪藻土、タイルなど、ナチュラルな素材使いが魅力的なIさんのお宅。各所に採用したアンティークドアの効果もあり、新築とは思えないこなれた雰囲気を醸し出しています。
「2年間のアメリカでの暮らしや、以前にマンションのリフォームを経験したことが、今回の家づくりに役立ちました」とIさん。アメリカ滞在時に得たのは、アンティークへのこだわり。蚤の市やアンティークショーを訪れるうちに、その魅力にとりつかれたのだそう。新居でも現地で手に入れた雑貨類をディスプレイして、空間のアクセントに役立てています。
マンションリフォームから学んだのは、コストコントロールの難しさ。「特に一戸建ては土地と建物のコストが別々。きっとバランスをとるのが難しいだろうと思って、土地から紹介してくれる依頼先を探したんです」。
理想の住まいが 「1000万円台」で実現したポイント
- 土地探しと家づくりを一貫して相談できるパートナーを探した。
- 凹凸のない箱のようなプランにして、個室の数も最小限に。
- こだわりのあるインテリアパーツは施主支給に。
2F キッチン
【こだわりPoint】あこがれだった白いモザイクタイルのキッチンを実現
【写真左】モザイクタイルとホウロウのシンクで、理想どおりのキッチンに。壁にとりつけた棚板は、以前の住まいで使っていたものをカットして再利用。普段使いのものが、ディスプレイのようにおしゃれに。
【写真右】カウンター下はオープンに。コストを抑えられたうえに風通しがよく、一石二鳥だったそう。LDから見えない場所に調理家電を置けるのもメリット。
リメイクした手持ちのカップボードを背面側に。パントリーがあるので収納スペースは十分です。シンクの前には立ち上がり壁をつけず、ダイニングとの一体感を高めて。
【こだわりPoint】スイッチプレートはデザインと質感を重視して施主支給
2F パントリー
【こだわりPoint】アンティークドアでLDKの雰囲気アップ!
【写真右】ドアはアンティークショップ「パイングレイン」で購入。「2階で唯一のドアなので、ぜひこれを使いたくて」
【写真左】棚板をコの字型に造りつけたパントリーは、収納力たっぷり。こまかいものや不定形のものの整理に、かごが活躍しています。
2F DK
2階はほぼワンルームのつくり。広々と感じられるように左手の階段との仕切り壁を低めにしたり、天井を梁が見える高さに設定しました。床はDIYでワックス仕上げに。
【写真左】Iさんお気に入りのダイニングのシャンデリア。明かりをつけると、ガラスに反射した光が天井に美しく広がります。
【写真右】素敵なディスプレイがいっぱい!
2F ダイニング
キッチンのコンロスペースの仕切り壁を利用して設けたニッチ。お気に入りのアンティークの品々のほか、愛用のアクセサリーも飾って楽しんでいます。
2F LD
たっぷりの光と吹き抜けの開放感で家族の時間がもっと豊かに
家づくりのパートナーに選んだ「Boo-Hoo-Woo.com(ブーフーウー)」は、土地探しから家づくりまで一貫して行うデザイン住宅メーカー。土地代を含めた無理のないコスト配分によって、希望のプランや内装を実現できました。「もともと、大きな家はいらない、個室は2つあれば十分、と思っていたこともあり、こだわりのあった仕上げにコストを割くことができました。水回りにぬくもりのあるタイルをとり入れたり、大好きなアンティークの建具を使えて、大満足です」
2階のリビングはおおらかな吹き抜けに。その延長に思いがけないロフトスペースも生まれました。お子さんがのんびりと本を読んだり、ゲストに泊まってもらったり。プラスアルファの空間として大活躍しています。
開放的な吹き抜けはリビングのみにして、ダイニングは落ち着き感を演出。このコントラストが、ワンルームの部屋に変化と心地よさを生み出しています。
LDの家具の多くは、床と同じパイン材。長く愛用している家具に小ぶりのアンティーク家具をプラスしてコーディネート。
【こだわりPoint】借景もディスプレイも楽しめる窓
【写真右】FIX窓は壁の厚みを生かした出窓風。外からの視線を気にせずグリーンをとり込めます。
【写真左】新居に合わせて家具ショップでリメイクしてもらったカップボード。もとは木の素材感を生かしたものでしたが、ガラスを金網にかえ、シャビーなペイントを施してアンティーク風に。
2F リビング
視界が最も開けている方向に合わせて、コーナーに窓をプラン。ハイサイドライトからもやさしい光が入り、淡い色合いでまとめたナチュラルなインテリアを引き立てます。
【こだわりPoint】リビングの一角のわずかなスペースも無駄なく有効活用!
ロフトへの階段の下をパソコンコーナーに。「DKからはちょうど死角になる場所。まる見えにならないのが気に入っています」。アンティークのペイント家具や古材の棚であたたかみを加えて。
リビングの開口部は位置をしぼって設置。白い壁面を背景に、日本の古いガラスキャビネットをゆったりと配置して、愛らしい陶器やアクセサリーなどを飾っています。壁のガーランド(三角形の飾り)もかわいい。
ロフト
【こだわりPoint】ロフトをフレキシブルなゆとりの空間に
DKの上にあたるロフト。収納スペースにはしないで、毎日の暮らしのなかで積極的に活用しています。「子どもが布団を持ち込んで、キャンプ気分を楽しむことも(笑)」
1F 洗面室
【こだわりPoint】素材とデザインにこだわったオリジナルの洗面台
【写真左】タイルを生かして清潔感いっぱいのスペースに。床の大判タイルは、フレンチテイストを意識して斜めに張りました。洗面ボウルと水栓金具は「ティーフォルム(大洋金物)」でセレクト。
【写真右】洗面台の背面側には、タオルやせっけんなどをしまえるオープン棚が。シャビーシックなミニ棚やかごも活用して、日用品をディスプレイのように美しく収納。
1F 浴室
【こだわりPoint】色の違うタイルを張り分けてアクセントをプラス
「1面だけ壁の色を変えたいという希望があって、ブルーのモザイクタイルを張ってもらいました」。床や浴槽まわりもタイルで仕上げ、さわやかな印象に。
1F トイレ
「3人家族なのでトイレは1カ所で十分。コストを抑えられました」。その分、インテリアの希望を反映させて、床を六角形のモザイクタイルで仕上げたり、ガラスシェードの照明を採用。
1F 廊下
【こだわりPoint】印象の異なるドアを並べて空間のポイントに
右が子ども部屋、左が洗面室。小さな空間にドアが並ぶことを考え、あえてバラバラのデザインを選びました。ドアだけでなく、ドアノブも施主支給。真鍮やガラスなど、見た目と手ざわりを重視しました。
1F 子ども部屋
収納などは造りつけず、シンプルに徹した子ども部屋。ペイント家具やベッドファブリックがおしゃれです。壁には息子さんの大好きな欧州サッカーのポスターが。
1F 寝室
【写真左】縦長の窓から光をとり入れて。ここと子ども部屋は壁をペイントで仕上げ、コストを抑えました。右手のカーテンの奥はウォークインクローゼット。
【写真右】入り口横にも小さなクローゼットが。カーテンで目隠しして、建具にかかるコストを賢くカット。
1F 玄関ホール
【こだわりPoint】アンティークのステンドグラスを使った扉をオーダー
【写真左】たたきの素材はぬくもりのあるテラコッタタイル。上がりかまちを低めにして、ホールとのつながり感を高めています。
【写真右】たたきの横に設けたシューズクローゼット。ガーデニング用品までしまえるので、納戸がわりとして大活躍です。
外観
路地のつきあたりに位置するIさん宅。道路側に視線が抜けるというメリットを生かして設計しました。外観は“白くて四角い箱”をイメージして、シンプルなデザインに。
【こだわりPoint】シンプルな外観をナチュラルガーデンが引き立てて
前庭の設計と施工は、アンティークショップとしても人気の「ブロカント」に依頼。レンガの小道や、窓枠と色をそろえたラティスのあしらいが素敵。
DATA. Iさん宅(東京都)
設計のPOINT
土地と建物の予算のバランスをとったり、パブリックスペースの壁は左官、プライベートルームはペイントで仕上げるなど、コストのかけ方にメリハリをつけたことで、Iさんがこだわりをもっていた素材や仕上げを実現。デザインの面では、建物本体の装飾をできるだけ省き、アンティークの家具や建具が自然となじむように心がけました。アンティークの建具は、サイズがまちまちで反りもあるため、現場でカットしたり枠の調整が必要でしたが、この家のいいポイントに。
Boo-Hoo-Woo.com(ブーフーウー)
不動産の仲介や、デザイナーによる家づくり&リノベーションを通して、デザイン性を重視した心地よい住環境を提案。デザイン雑貨を扱うオンラインショップも人気。
家族構成 |
夫婦+子ども1人 |
敷地面積 |
77.34㎡(23.40坪) |
建築面積 |
38.61㎡(11.68坪) |
延べ床面積 |
74.52㎡(22.54坪) 1F 37.26㎡ + 2F 37.26㎡( ※ロフト8.28㎡は除く) |
構造・工法 |
木造2階建て(2×4工法) |
工期 |
2010年10月〜2011年2月 |
本体工事費 |
約1800万円 |
3.3㎡単価 |
約80万円 |
設計・施工 |
Boo-Hoo-Woo.com(ブーフーウー) TEL: 03-5456-5833 |
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