家事ラク!なプランと 理想のインテリアを 両立させて、心地よく

【Tさん宅（神奈川県）本体工事費 約2160万円　建築面積 約14坪】

キッチンのみ独立させて、LDはワンルームに。「プラン中は狭いかも？と
思ったけれど、手持ちの家具がちょうどおさまりました」

ご夫妻は中学校時代の同級生。24歳のときにゴールインし、その後、長男（3歳）、次男（7カ月）に恵まれて4人家族に。「以前はアパート住まいで子どもの声や足音に気をつかいましたが、今はのびのびと子育てしています」

ただいま子育て真っ最中のTさん。お二人にとってハッピーな暮らしに欠かせなかったのは、「日々の生活のしやすさ」だったそう。「小さい子どもが2人いて、共働き。しかも夫婦ともにあまり要領がいいほうではないので（笑）、家を建てるなら少しでも便利にしたい！という思いがありました」。家事ラク、子育てラク、しかもローコストでインテリアにもこだわりたい！　そんな夢を携えて家づくりに臨みました。

最も工夫したのは水回りの配置。ＬＤＫと洗面室・浴室を直結させて、家事動線が短くなるようにしました。「子どもの着替えやお風呂の世話、洗濯など、洗面室に入る機会って意外と多い。だからキッチンからなるべく近く、料理やあと片づけの合間に行き来しやすくしたかったんです」。もちろん、大人が身繕いしたり、お風呂に入ったりする生活動線も短縮。いつでも家族がそばにいるという安心感も、大きなメリットになっているようです。

「もうひとつのこだわりは収納。持ち物を手間なくざっくりとしまえるように、シューズクローゼットとウォークインクローゼットをつくりました。この大型収納のおかげで、室内はすっきり。今は子どものおもちゃが散らかることも多いけれど（笑）、いずれは好きな雑貨だけをゆったり飾って、インテリアを満喫したいです」 

Tさん宅のHappy Point!

• 子どもの世話と家事を無理なく同時進行できる水回りプランを採用

• 忙しい日常から離れて大人がほっとできるスペースもしっかり確保

1F　リビング

デッキから明るい光が入るリビング。「TRUCK」のソファ、「パシフィックファニチャーサービス」のTVボードなどでボーイズライクに演出。

【コストダウンIDEA】壁面の珪藻土は友達の協力を得てDIY。床はハウスビルダーおすすめのワックスをDIYで塗装。

階段下にあいたスペースは、子どもたちのおもちゃコーナーとして活用。床の素材は無垢のボルドーパイン。さらにラフな表情を出すため、「ブライワックス」で仕上げました。イメージどおりの深い色合いに。

1F　キッチン

和のレトロをさりげなくとり入れた絵になるキッチンが完成

【コストダウンIDEA】果物が入っていた木箱を使って自由にカスタマイズ

【写真左】硬質なステンレスカウンターと白い角タイル、ユーズドの吊り戸棚で、甘すぎない雰囲気に。「主人も料理をするので、男性が使っても違和感のないキッチンにしたくて」
【写真中】シンク前の木枠の窓は和のユーズド。キッチンを独立型にしたからこそ採用できたパーツです。ガラスのデザインも懐かしい印象。
【写真右】カウンター下は扉などをつけずオープンに。コストダウンと掃除のしやすさを両立。

【写真左】窓と吊り戸棚の質感やデザインもぴったり。
【写真右】背面収納もレトロな味わい。壁面に棚を造りつけ、和のユーズド建具をはめ込みました。食器から調理家電までたっぷりおさまります。

1F　洗面室

【コストダウンIDEA】タオルなどをしまう収納は、扉のかわりにカーテンで目隠し。シンクを壁づけに しただけの シンプルな洗面台。

【写真左】清潔感のある白でまとめた洗面室。ドアの奥はトイレで、「LDKから近くても、間に洗面室があるおかげで落ち着いて使えます」。
【写真右】LDKの間とは引き戸1枚。開けたままにしておけば、家事をしている間もお子さんに目が届きます。

1F　玄関ホール

【コストダウンIDEA】壁で囲んだだけの 玄関収納。扉などの コストをカット。タイルなどを貼らず コンクリート打ち放しに。 そっけなさも魅力。

【写真左】たたきには4つの愛らしい足跡が。靴などは壁の裏側のシューズクローゼットに、こまごましたものはユーズドのキャビネットに収納しています。
【写真右】玄関ホールとLDKを直結させ、廊下などの無駄な面積をカット。

2F　子供部屋

ダイナミックな天井高が気持ちいい子ども部屋。ベッドや収納として使えるロフトも設けました。
音がよく響くので楽器演奏も楽しい！

2F　趣味室

小さな空間にマンガやCDがぎっしり。「大人の“こもり部屋”は絶対に欲しくて（笑）。子どもを寝かしつけたあと癒されています」

2F　トイレ & 手洗いスペース

【コストダウンIDEA】シンクと水栓のみを 壁づけにして コストを最小限に。

【写真左】寝室や子ども部屋のあるフロアにもトイレを確保。床は手入れのしやすいクッションフロアで、タイル風のデザインを選びました。
【写真右】トイレのドア横に手洗いスペースが。1階の洗面室と同様に、カウンターや収納などをつくらないシンプル＆ローコストなスタイルに。

2F　寝室

窓の外は洗濯物を干すバルコニー。「とり込んだ衣類はベッドの上でたたみ、そのままクローゼットへ。収納動線が短くて助かります」

【コストダウンIDEA】入り口のドアを 省略。モノを持って 出入りするのもラク。大工工事で バーと棚板をつけた だけの簡単なつくりに。

【写真左】ウォークインクローゼット上のロフトも大型収納として活躍。高さ制限を目いっぱい生かしたことで、プラスアルファの空間が手に入りました。
【写真右】「収納はこの1カ所に集約。あちこちにしまいに行かなくてすむのが便利です」。ハンガーバーと棚をコの字形に造りつけ、面積を無駄なく活用。

外観 & 玄関

【写真左】玄関部分のみ張り出させ、それ以外の建物全体を総2階に。最もローコストな箱形のプランに
近づけました。
【写真右】1階のデッキ奥にはキッチンに通じる勝手口が。ゴミ出しのほか、車から食材などを運び入れる際にも役立っています。

DATA.  Tさん宅（神奈川県）

設計のPOINT

ピーズ・サプライ 代表／井上 徹さん

若いご夫婦ながら、住まいに対するしっかりした考えをおもちのTさん。特に「玄関から直接2階に行けるようにしたい」というリクエストには驚きました。最近は「子どもと顔を合わせやすいように」とリビング階段を希望する人が多いなか、内田さんは「思春期になったとき、連れてきた友達に気をつかいたくないし、LDを通らなくても帰宅したらあいさつできる子に育てます」とのこと。家族のあり方、暮らし方をプランにきちんと反映させた、理想的な家づくりの形だと思います。

【Profile】
1996年設立のハウスビルダー。シンプル、ナチュラル、レトロ、米軍ハウス風などの幅広い作風で、新築や増改築を手がける。横浜でショールームを展開。

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