みかん、柿、金柑……村崎家の庭には季節ごとに実のなる木が育ちます。「みんなもともとこの庭にあったものなんです。今年は金柑がたくさんなったので、シロップを作りました」と、一日のほとんどをLDKで過ごす奥さまが楽しそうに話してくれました。庭はこの物件を選んだ理由のひとつ。「子どもたちがのびのび過ごせる一戸建てに住みたかったんです。建売りはピンとこないし、一から自分たちでつくるのも大変に思えて。中古物件のリフォームが僕らにはちょうどよかったですね」とご主人。寝室のある2階はそのままに、1階部分を家族が毎日快適に過ごせるようリフォーム。手がけたのは、アンティークショップも営み、古いものを生かすセンスに長けた建築事務所「DEN PLUS EGG」です。
窓いっぱいの広々としたLDKは、もとは昼間でも薄暗い二間の和室。壁をなくし、障子をとりはずして、明るく快適な空間に変身。白いフレームがかわいい窓は以前のまま。「窓はつくりかえようと思っていたんですが、設計担当の伊永さんから “かわいい窓ですね”と言われて目からウロコ、思い直しました」。和室だったときはわからなかった魅力がリフォームによって引き出され、一転、森の中のコテージのような雰囲気に。無垢材のフローリングは素足に気持ちよく、梅雨どきも足裏はさらり。特等席はリビングに吊るすハンモック。心地よさに誘われて、家族みんなが自然と集まります。
KITCHEN
ワークトップはシンクと一体型のオールステンレス。「キッチン本体はやさしい印象のイエローにペイント。飽きたら塗りかえられます」と伊永さん。目の前に窓が広がり、立ち仕事の間もすがすがしい気分。
ベンチに炊飯器! 家電もかわいく
左上写真:よく使う家電はベンチに並べて。低い位置にあるのでリビングから見えないのも利点。
左下写真:LD側のカウンター下には棚を。ティッシュや文房具など出番の多い小物を。
右写真:背面のパントリーは、もと床の間。扉をつけて生活感を隠し、LDKをすっきりと。ウォールシェルフは「イケア」。
DINING
左写真:キッチン横にダイニングコーナーを。赤いシェードがレトロな照明は以前から愛用していたもので、インテリアの絶妙なアクセントカラーに。
右写真:ダイニングテーブルは樽をリメイクしたもの。ゆるく壁で仕切った奥はPCスペース。
ATELIER
家族みんなで塗った ストライプの壁。 思い入れもひとしおです
グレーを塗ってからマスキングしてイエローを。飽きたら塗りかえられる冒険のしどころです。
LIVING
大人にも子どもにも人気! ハンモックでお昼寝が最高です。
左写真:リフォーム工事の際にハンモック用にフックをとりつけたので、強度も安心。
右写真:ニッチには奥さまが集めた小物を飾って、部屋の彩りにしています。
SANITARY
以前置かれていた洗面台は年と共に色あせ、使い勝手もいまいちでした。
洗面室はリビングに続いているので、扉をあけ放しにしていても雰囲気を損なわないように、洗面台を家具っぽくデザイン。
左写真:木製の洗面台はウレタン塗装で水に強く。壁にとりつけた扉つきの収納ボックスは伊永さんのアイディアです。
右写真:金具や取っ手もこだわってセレクト。トイレの扉もカフェのようなかわいさに。
ENTRANCE
左写真:玄関は外から中まで同じタイルを敷いて、奥行きのある見え方に。扉は念願の木製を採用し、傷みやすい下部分はステンレスで補強。
右写真:スリットにガラスをはめ込むことで、玄関奥まで自然光が入り、以前より明るく。
オリジナルデザインのチェスト。 靴をすっきり素敵に収納
靴用のチェストは伊永さんがデザインし、家具職人がフローリングと同じ奥行きのある。
リフォームのポイント
設計のポイント
かわいい窓を生かして、家族が気持ちよく過ごせるLDKをめざしました。インテリアがお好きなご夫妻なので、センスよく見えるように、ディスプレイができるニッチをつくったり、素材選びも取っ手ひとつにまで心を配りました。
DEN PLUS EGG 伊永恵美さん
リノベーションやインテリアコーディネートを行うDEN PLUS EGGにて設計デザインを担当。ナチュラルな空間づくりに定評が。
DATA
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
住居形態 |
戸建て(木造2階) |
築年数 |
20年 |
敷地面積 |
183.30m²(55.45坪) |
延べ床面積 |
116.89m²(35.36坪) 1F 65.90m²+2F 50.99m² |
リフォーム面積 |
65.90m²(19.93坪) |
リフォーム部分 |
1階全体 |
リフォーム期間 |
2011年11月〜2012年1月 |
リフォーム費用 |
約830万円 |
リフォーム設計・施工 |
DEN PLUS EGG |
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