〜コスト調整のカギは、DIYへのあくなき挑戦!〜
この素敵なお宅の住人は、お笑いコンビ「バッファロー吾郎」の竹若さんファミリー!念願のマイホームをみずからナビゲートしてくれました。ナチュラルテイスト満載の新居から、竹若さんの素朴な人柄とご家族への「愛」が伝わります!
奥さまのイメージを竹若さんがDIYで実現!
郊外ののどかな住宅地に立つ竹若さん一家の新居。玄関アプローチにいた竹若さんが「どうも〜!」と気さくに迎えてくれました。土間では、お子さんが踏み台の上をひょいと渡ったり、猫があくびをしながらくつろいでいたり。住まい全体にゆったりとした空気感が漂っています。
そんなくつろぎムードとは裏腹に(!?)、じつはこのお宅、竹若さんが職人さん並みに施工作業に参加したガテンな住まい。その腕前はプロも驚くほどだったとか。ナチュラルスタイル好みの奥さまの描いたイメージを竹若さんが形にするという共同作業で、理想の住まいを完成させました。
1F 土間玄関
玄関からまっすぐに続く土間。正面の坪庭まで視線が抜けていきます。「自分が京都出身なので、町家の“通り土間”のイメージもどっかにあったのかもしれません」 玄関には引き戸を採用。開けておくと風が気持ちよく通ります。土間はモルタルの打ち放し。雨の日にお子さんたちが遊んだり、竹若さんがDIYをしたりと活躍しているそう。
1F DK
敷地をすみずみまで生かすため、擁壁の迫る北側にも窓を設けて坪庭を計画。眺めて楽しめるゆとりの外空間ができました。白い擁壁に光が反射して、室内が明るくなる効果も。
キッチンとダイニングテーブルは一体型に。家事をしながら家族と自然にふれあえます。「リビングはもちろん、デッキまで見渡せるから、ここがわが家の司令塔です(笑)」
1F リビング
DKから土間をはさんでリビングが。「ここだけちょっと奥まっているせいか、なんか落ち着けるんですよ」。ソファを配置しやすいよう、窓は腰高に。
1F サニタリー
洗面室とトイレ、脱衣室、洗濯室をまとめてワンルームに。右手には掃き出し窓があり、洗濯動線もばっちり。「トイレ使用中はカーテンを引きます」 DKから洗面室につながる入り口は「どこかに古い建具を使いたくて、『アンティーク山本商店』で見つけたレトロな和の引き戸をとり入れました」と奥さま。
1F 浴室
浴室は清潔感のある白で統一。「デッキからの動線もいいので、ビニールプールで子どもを遊ばせたあとは、そのままお風呂に入れちゃいます」と奥さま。
2F 子供部屋
長女のスペースには愛らしいデコレーションがいっぱい。天井高があるので実際より広々と感じられるうえ、「広めのロフトは、おもちゃやら何やらたくさんしまえて便利です」
長女のスペースの反対サイドは、いずれ長男用のスペースに。2部屋に仕切ったとき平等になるよう、窓や収納などは左右対称に設けています。
出入り口のドアは2つ用意。「女の子と男の子なので、一応2部屋に分けられるようにしときました」。大きくなるまではワンルームのまま広々と使う予定だそう。
2F 廊下
書斎の奥の廊下の壁には、自慢のコレクションがずらり! 「飾るものの奥行きに合わせてつくりました。トイレに行くたびに自然と目に入るのが気に入ってます」
2F トイレ
1階のトイレがオープンなのに対して、2階は落ち着ける個室に。また1階はすっきりしたタンクレスを選びましたが、こちらは家族用と考え、手頃なタンクつきを採用。
2F 書斎
廊下の幅を広げて本棚とデスクを造りつけ、竹若さんの書斎に。「個室じゃなくてもよかったので、この形がベスト。子どももここでマンガ読んだりしてますね」
2F 寝室
(右)寝室はベッドが置けるだけのスペースをとり、内装やつくりもごくシンプルに。(左)子ども部屋と同様、クローゼットには扉ではなくロールスクリーンを採用して、コストを賢く抑えています。
【インタビュー】“ガマンしなくていい”家づくりをめざして
——そもそも、どうして家を建てることになったのですか?
竹若さん 前は都心の借家に住んでいたんですが、子どもが大きくなってきたら手狭になって。友達も呼べないし、昼間から電気つけるくらい暗いしで、「家を建てよか」という話になったんです。
——郊外の立地がちょっと意外だったのですが……。
竹若さん ずっと前に、あるメディアでこの街の特集を見て、夫婦でええなあと思っていたんです。いろんな世代の人が住んでいて、ボランティアのお年寄りが通学の見守りをしていたり。それに、都心で家を建てたら理想が削りに削られて、結局、不満しか残らないんちゃうかなと。どうせお金をかけて家を建てるなら、ガマンはしたくなかったんです。
奥さま 仕事場が遠くなるのが心配でしたけれど、大丈夫と言ってくれたので。利便性よりも環境重視でここに決めました。
——家づくりのパートナーはどうやって選んだのですか?
竹若さん どんな家にしたいか二人で話し合ったときに、家づくりにかかわりたい、というのがあって。ちゃんと意見も言いたいし、DIY施工もしたい。あとは奥さんの新居のイメージがかなりはっきりしていたので、それに合うところを探しました。
——DIYの作業は、最初から予定されていたのですね。
竹若さん おまかせで建ててしまったら、またガマンガマンになるんかなと。理想と予算をはかりにかけながら、自分たちで工夫できることはしたいと思ったんです。
奥さま 設計をお願いしたプランボックスさんは、私が雑誌などで見て好きだったことと、DIY施工をすすめてくれたことが決め手になりました。
——もともとDIYはお得意だったのですか?
竹若さん 好きは好きでしたね。それまでも木材を買ってきて小さい家具とかはつくっていたので、ぼんやりと自信はありました(笑)。
——何をどうつくるかは、どうやって決めていったのですか?
竹若さん もとになったのは、奥さんがあっためていたイメージですね。こういう素材で、こういうデザインで、っていう。それを限られた予算の中で形にするためにDIYを選んだわけです。ただ、自分だけで考えて自分だけでつくってたら、ここまでできなかったですよ(笑)。「まあこんなもんでええか」「しんどいからやめとこか」になってたと思います。
奥さま 最初は私も手伝う予定でしたが、下の子どもがまだ小さかったので、そっちで手いっぱいで。工事現場は子どもには危険なものも多いですし。途中からだんだん作業量がふえていったので、じつは大丈夫かな?と心配でした(笑)。
竹若さん 自分でやったほうが後悔がないんですよ。全部納得してつくってるから、「ここがいややな」がない。大工さんに教わるのも楽しかったしね。もう弟子入りしたろかな、と思うくらい(笑)。
——プランニングはどのように進めたのですか?
奥さま 土間は最初からリクエストしました。ふらっと来たご近所のかたと腰かけておしゃべりできるようなイメージで。
竹若さん こまかく仕切って部屋数をかせぐというんではなくて、一見無駄に見えるけれど気持ちいい空間が欲しい、って感じですかね。そしたら土間のあるプランを5つも出してくれたので、真ん中にズドンと通っているのを選んだんです。
奥さま 最初のプランではダイニングの奥に階段があったんですけれど、土間から上がるように変更してもらいました。
——それはどうしてですか?
奥さま 階段の形が好きというか、階段が見えるリビングやダイニングもいいな、と思って。
竹若さん 階段と土間のおかげで、リビングとダイニングが別々のスペースみたいに感じられるんですよ。実際にはつながっているのに、間に階段があったり、土間を渡るのにひと手間かかったりするから。その手間も全然いやじゃないんですよね。
奥さま 予算も考えて、建物は敷地いっぱいに建てなかったんですけれど、広い家よりもこういう土間やデッキのある家のほうが、広く感じられる気がします。
竹若さん 二人とも広い家はいらんと思ってたね。広くてもこまかく仕切られてて動きが制限されてたら、広く感じられないだろうし、コストも高なるし。
—ほかにこだわったところは?
奥さま 家事動線ですね。子どもが小さいので、キッチンの裏に水回りがまとまっているのがすごくラクです。意外な効果なんですけれど、この水回りのおかげで下の子のおむつが早くはずれました(笑)。トイレが個室じゃないのがよかったみたい。
——お子さんたちにとっても理想のマイホームですね!
奥さま 上の子は友達をたくさん呼べるのがうれしいみたいで、前よりのびのびしています。デッキとか土間とか2階の書斎とか、遊べる場所も多いですし。
竹若さん あと変わったのは猫かな(笑)。なんでか知らんけど、2匹ともおだやかな性格になりました。前の家ではもっとピリピリしてたのに、素材とか環境とかわかるんですかね。人間だけじゃなくて、猫も気持ちよさのバロメーターになってます(笑)。
多忙なお仕事のかたわら、家じゅうのあらゆるスペースの施工にみずから参加してしまった竹若さん。
その力作の数々を一挙ご紹介!
第1位 キッチン制作
スムーズに開閉する引き出しまでつくるのは職人さんレベル!
アイランドカウンターも背面カウンターも、なんと竹若さん作。「背面カウンターは一部分だけ職人さんにお願いして、それを参考にしながらほかの部分をつくりました。ゼロからつくるのは、さすがにしんどいですから」。正確に図面を引いて木材を切り、引き出しまでつくる作業は、「普通は熟練の職人さんじゃないと無理! 」と設計者の小山和子さん。
背面カウンターのトップにはDIYで大判タイルを貼りました。
第2位 デッキづくり
1カ月かけてコツコツつくり上げた自慢のスペース
建物の2面に接する広いデッキは、お仕事の合間を縫って1カ月ほどで完成させたもの。「これも土台だけはプロに依頼。デッキ材を張ってフェンスを立てて、仕上げの塗装をするところまで自分でやりました」。もちろんDIY用のキットなどではなく、木材からそろえてつくった本格的なもの。室内だけでなく、外構にも竹若さんの手腕が光ります。
第3位 家じゅうの壁塗り
吹き抜け以外の珪藻土塗りはすべてDIYで
「近所の文化センターで珪藻土塗りを体験してみて、いけそうだったんで挑戦しました」。キッチンと同じく、一部分だけプロの左官屋さんに依頼し、教えてもらいながらスタート。このダンドリが竹若家DIY成功のカギ!?
第4位 洗面台のタイル貼り
難易度の高い水回りにも果敢に挑戦!
ネイビーの細長いタイルは奥さまがセレクト。「横に貼るか縦に貼るか決めていなかったので、一度並べてみてから横向きに決定」。タイルはシート状のものを利用しました。ネイビーのタイルが清潔感いっぱい。目地の仕上げも美しい!
第5位 DKの床タイル貼り
大理石タイルは運ぶのもカットするのも大変!
DKの床一面の大理石もDIYで。「重くて運ぶのがしんどかった。さらに、なるべく細い部分ができないように切らんと、置いた衝撃で割れてまうんですよ。だからパズルみたいに配置を考えながら貼りました」
【番外編】家具づくりもお手のもの!
竹若さん作のシンプルなテレビ台。「置きたい機器のサイズをはかって、それに合わせてつくったので、無駄なくすっきりした感じに仕上がりました」
設計から
プランボックス一級建築士事務所
小山 和子さん 湧井 辰夫さん
【コメント】
私たちが提案した5案のうち、竹若さんが採用したのは、玄関から一直線に土間が抜けるプラン。これによって建物の表側と裏側が自然につながり、坪庭も効果的に配することができました。また、この土間がDKとリビング、1階と2階をつなぎ、横方向にも縦方向にも変化のある空間を生み出しています。ご主人のDIYに関しては、脱帽のひとこと。ご本人もおっしゃるとおり、奥さまと役割分担をしたからこそ、ここまで完成度を高められたのでは。
【経歴】
小山さんは1955年広島県生まれ、女子美術大学芸術学部卒業。湧井さんは1951年東京都生まれ、工学院大学専修学校建築科卒業。95年に共同で現事務所を設立。
DATA. 竹若さん宅
Profile.
バッファロー吾郎 竹若 元博さん
1970年生まれ。1989年にバッファロー吾郎Aさんとコンビを結成。フィギュア収集やゲーム、プロレス観戦、バス釣りなど幅広い趣味をおもちです。奥さまと小学1年生の娘さん、3歳の息子さんとの4人家族。
家族構成 |
夫婦+子ども2人+猫2匹 |
敷地面積 |
205.94㎡(62.30坪) |
建築面積 |
52.17㎡(15.78坪) |
延べ床面積 |
100.07㎡(30.27坪) 1F52.17㎡+2F47.90㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2012年11月〜2013年5月 |
本体工事費 |
約2024万円 |
3.3㎡単価 |
約67万円 |
設計 |
プランボックス一級建築士事務所(小山和子、湧井辰夫) TEL:03-5452-1099 |
施工 |
河端建設㈱ TEL: 03-3708-1452 |
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