コストを抑えたくても、すべてをダウンするのはNG。まずは削っても支障のない部分とOKな部分をはっきりさせることが肝心です。少ない予算でもこだわりを実現して、納得のわが家をつくりましょう。
耐久性にかかわる部分のコストカットはNG
耐久性や安全性にかかわる部分のコストダウンは避けましょう。地盤調査をおろそかにせず、問題があるのなら改良工事を行います。
建物では、基礎や構造などはしっかりつくることが大原則。健康や防犯の面でも手抜きは禁物です。建材や塗料は、手軽な価格でも安全性の高いものを選び、玄関ドアや窓は防犯性の高いものを選びましょう。
防犯ガラスは高価ですが、家族の安全のために検討してみてもいいでしょう。
配管が短くなるため、水回りをまとめるのもコストダウンのコツ。同じ階だけでなく、上下階でも位置をそろえると、夜間に湯水を使っても家族の安眠を妨げません。
水道やガスの配管や換気装置のダクトなどは、修理や点検がしやすいように点検口を設けます。
当面必要のないものを省くのもコストを抑える基本ですが、将来、設備機器を増設する予定があるなら、配管はすませておくのがベスト。あとからでは大がかりな工事が必要になるからです。
職人や職種の数を抑えるプランニングが正解
建物の形は、四角い箱型が最もローコスト。凹凸のある複雑な形になるほど壁面積が増え、材料費や手間賃がアップ。
立面では、通し柱や梁などの構造が単純で1階の屋根(下屋)がいらない総2階が最も割安で、床面積がひろくとれるのも利点です。
間取りは、間仕切りや建具の少ないオープンなものほどローコスト。内・外装材の種類をしぼれば、職人の職種が少なくなり、材料の無駄もでません。
新築時のイニシャルコストだけでなく、住んでからの維持管理費や光熱費にも配慮を。風雨や太陽にさらされる屋根や外壁は、耐久性が高く、メンテナンスのラクな素材を選びます。
冷暖房費を抑えるには、断熱材や気密性をよくしておくといいでしょう。
また、すべてをがまんするのでは、せっかく新居が完成しても、うれしさは半減。“ぜったい譲れないこだわり部分”は、ぜひともかなえてください。
部位別コストダウンのコツとポイント
屋根
屋根の形は片流れか切り妻で、鉄板葺き(てっぱんぶき)がローコスト。一般に単純な形ほどコストが抑えられ、雨もりもしにくい。
間取り
間取りは、仕切りや建具の少ないオープンなプランに。水回りの位置をまとめ、普及品の設備機器を使う。
サッシ
サッシは大きさや開閉方式により、コストが異なる。採光・通風・眺望など、設置する場所に必要な機能を考えて無駄のないように選ぶ。
またサッシや建材は、なるべく規格サイズのものを使った設計に。
外壁
外壁の面積を抑えるには総2階がよいが、玄関を張り出させるなどして、のっぺりしない工夫を。
収納
造りつけ収納は、箱部分は大工工事、扉は建具工事にする。
内装材・外装材
内装材、外装材は、それぞれなるべく統一を。
光熱費などランニングコストを抑えるコツとポイント
- 建物の断熱性や気密性を高める。風通しのよい窓の配置をする。窓を断熱サッシにするのもよい。
- 蛍光灯よりLEDのほうがランニングコストは安いが、イニシャルコストは高い。
- メンテナンスの階数が少なくてすむ材料を使う。耐久性が高く、交換や再塗装のサイクルが長い内装・外装材がよい。
- 軒やひさしを長くする。冷房の費用が抑えられ、外壁や窓ガラスが汚れにくくなる。
家のコストをかけるところ・削るところまとめ
- ・地盤調査や基礎、躰体、外装材、ドアの錠前など、耐久性や耐震性、安全性、防犯性にかかわる部分は削らない。
- ・新築時にしかできない部分には、しっかりと予算をとり、当面不要な部分は省く。設備の配管などは、点検・修理のしやすい設計・施工にする。将来、設備機器を増設する予定なら、配管・配線をしておくと、リフォームの際に、壁や床などを壊さずにすむ。
- ・明るく風通しのよい間取りや、断熱性、気密性のよい建物にすると、光熱費が削減。
- ・こだわり部分が実現できれば、満足感の味わえる住まいになる。要望を列記し、優先順位をつけるとよい。
- ・材料費や人件費が抑えられるプランや内装にする。
- ・造作収納は、家具工事ではなく大工工事にする。
- ・建材や設備機器はベーシックなものに。ただし、耐用年数や維持管理の費用、ランニングコストのことも考えて選ぶ。イニシャルコストが高くても、耐久性があって維持管理費が安くてすむものは結局、経済的。
- ・床材のワックスがけなど、可能なことはDIYに。
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