照明は作業に必要な明るさをもたらすだけでなく、メンタルな部分にも大きく働きかける大切な役割をもっています。効果的な照明使いで、部屋を居心地良く仕上げましょう。
主照明と補助照明で効果的な効果的に光を演出
照明には主照明と(全体照明)と補助照明(部分照明)があります。主照明は部屋全体を明るくするのが目的で、シーリングライトやシャンデリア、ダウンライトなどがあります。補助照明には、キッチンの手元灯や読書灯のように作業に必要な明るさを補う役割と、ブラケットやフロアスタンドのように部屋を演出する効果があります。
かつては天井の真ん中にシーリングライトが1つだけという照明プランが一般的でしたが、これでは部屋が平坦な印象になってしまいがち。こまかい作業もできる明るさにすると、普段の暮らしにはまぶしすぎることになり、電力の無駄遣いにもつながります。照明プラン時には、部屋の使い方に応じて主照明と補助照明を組み合わせるようにしましょう。
同じ明るさの照明でも、床や壁、天井のどの面に光を当てるかによって明るく感じたり暗く感じたりし、部屋の印象が変わります。
やわらかなイメージにしたい場合は、全体にまんべんなく光が当たるように、落ち着き感を出したい場合は床と壁を明るくし、天井に光が当たらないようにします。天井が低くて狭い部屋では、天井と壁に光を当てると実際より天井が高く、部屋が広々と感じされます。
また、内装材の種類や色によっても光の印象は違ったものに。白くて光沢のある内装材ほど光を反射するため明るく感じます。
反対に、黒っぽい色で光沢がないものの場合は暗く感じることに。和室などで壁や天井を濃い目でつやのない色にする場合は、明るめの照明器具を選ぶといいでしょう。
明るさを調節する「調光」や光の色を変える「調色」、光の広がり方を変える「配光」など新機能を備えたLEDシーリングライト。シーンに応じた明かりが演出できる。/パナソニック
主照明の種類と特徴
シーリングライト
最も一般的な主照明。天井に直づけする器具で、高い位置から部屋を照らす。最近は圧迫感の少ない薄型タイプも豊富。
シャンデリア
リビングや天井の高い空間、吹き抜けなどに用いられる装飾性の高い多灯器具。吊り下げタイプと天井直づけタイプがある。
主照明ダウンライト
天井に埋め込むタイプの器具。器具自体を目立たせたくないシンプルなインテリアや、天井が低めの部屋などに向いている。
ペンダント
コードやチェーンで天井から吊り下げる器具で、ダイニングによく使われる。テーブルのサイズや用途を考えて選んで。
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補助照明の種類と特徴
スポットライト
天井や壁に取り付けて、絵画や植物など特定の対象物を集中的に照らす器具。光の方向が自由に変えられるのも特徴。
ブラケット
壁面に取り付ける器具。上向きや下向きなど配光を楽しむことができるものもある。壁面を明るくすると部屋に奥行き感が生まれる。
フットライト
床近くの壁に埋め込み、足元を照らす器具。階段や廊下などに設置し、足元を明るくすることで安全性が高まる。
フロアスタンド・ロースタンド
フロアスタンドは手元の補助照明のほかオブジェにも。ロースタンドは落ち着き感を演出。
省エネ性にすぐれたLEDが主流に
照明プランを立てる際は、省エネ性にも配慮を。今注目の光源が、LEDランプです。電気代が白熱ランプの9分の1から10分の1と省エネ性にすぐれ、約4万時間もの長寿命。最近では、さまざまな形状のLEDが登場し、器具の種類も豊富です。
省エネで高寿命というLEDの特性から、長時間点灯する部屋やランプ交換がしにくい高所、外灯におすすめ。シーリングライトには、明るさを変えられる機種(調光タイプ)や、光の色みが変えられる機種(調色タイプ)もそろいます。趣味やくつろぎなど、暮らし方に合った明かりが演出できるため、LDや寝室にも適します。
LEDより省エネ性が劣るのですが、蛍光ランプの器具をとり入れるのもいいでしょう。蛍光ランプの器具をとり入れるのもいいでしょう。蛍光ランプの消費電力は、白熱ランプの約5分の1で、寿命も長く、ランプ交換の手間が省けます。
LEDは当初より手ごろになりましたが、現状では蛍光ランプより高価。部屋によって、LEDと蛍光ランプを使い分けるのも一案。
なお、LEDや電球型蛍光ランプには、白熱ランプの器具にとり付けできるものもあります。ただ、器具の形状や内蔵されている回路などにより使用不可の場合も。また、LEDランプの光の広がり方が、白熱ランプとは違うことも知っておきたいもの。
照明ランプの種類と特徴
|
白熱ランプ |
傾向ランプ |
LEDランプ |
色合い |
赤みを帯びた、やわらかであたたかみのある色。 |
電球色は赤身を帯びた、あたたかみのある色。昼白色は白っぽくてさわやかな色で、暑苦しさがない。 |
さわやかな昼白色と、あたたかみのある電球色がある。 |
質感・指向性 |
陰影ができ、モノを立体的に見せる。料理をおいしく見せる。指向性があり、目的物を効果的に照らせる。 |
陰影ができにくく、フラットな光。指向性が低い。 |
陰影ができ、モノを立体的に見せる。指向性があり、目的物を効果的に照らせる。 |
発熱量 |
多い |
少ない |
少ない |
店頭・調光 |
スイッチを入れるとすぐに店頭。頻繁に点滅してもランプ寿命が縮まない。調光器との併用で0〜100%まで可能。 |
スイッチを入れてから点灯までやや時間がかかるものもある。頻繁に点滅を行うとランプ寿命が著しく縮まる。調光器との併用はできない。調光機能(段階光・連続調光など)のある点灯カイロでは調光できる。 |
スイッチをいれると、すぐに点灯。繰り返しの点滅に強い。調光できる器具もある。 |
電気代 |
高い |
安い |
安い |
寿命 |
短い(1000〜3000時間) |
長い(6000〜1万6000時間) |
大変長い(約4万時間) |
価格 |
安い |
丸管や直管タイプは安いが、電球型はやや高い。 |
現状では高価。 |
適した場所 |
短時間点灯する場所。 |
長時間点灯する場所。 |
長時間点灯し、高所などランプ交換がしにくい場所。 |
部屋ごとの照明プラン
照明プラン時にあらかじめ考えておきたいことは、どの空間で、だれがどのような生活行為をするのかです。勉強をする、食事をする、くつろぐなどの行為を快適に行うための適切な照明を計画するわけで、器具選びが先ではありません。ダウンライトやブラケットなど、あらかじめ配線工事が必要な器具もあるので、新しい住まいづくりの際の照明プランはとても重要です。
リビングの照明
家族や友人たちがくつろいだり、読書をしたりと、多様な使い方をするリビング。シーンに応じたライティングができるように、1室多灯の照明プランがおすすめです。たとえば、シーリングライトやシャンデリアを主照明に、ダウンライトやブラケット、スタンドなどを補助的に用いてみましょう。
普段は部屋全体をシーリングで明るくし、くつろぐときはダウンライトやブラケットだけ、本を読むならスタンドで、といった具合にいくつかの照明を組み合わせておけば、用途に応じて使い分けができ、さまざまな雰囲気を演出することができます。
簡単に雰囲気を変えたいなら、天井灯を調光できるタイプにするのもいいでしょう。スタンドの明かりをプラスする方法でも手軽に明かりの演出ができます。
複数の署名がつくる明かりだまりが、奥深い陰影を演出しているインテリア。高低差をつけたり、部屋の対角線上に置いたりと、照明の配置には気をつかったそう。
ダイニングの照明
ダイニングはテーブルの上にペンダントライトをつけるのが主流。料理がおいしく見える電球色のLEDや蛍光ランプがいいでしょう。ペンダントはテーブルのサイズとのバランスを考えてセレクトを。
設置する位置はテーブル面より60〜80cmの高さが一般的です。大きなテーブルには小さめのペンダントをいくつか並べても素敵です。また、シェードの素材によって光の広がり方が違ってくることも念頭に置いて選びましょう。
愛用の家具が映える、シンプルなインテリアがコンセプトの住まい。署名もライティングダクト+小型のスポットライトにして、存在感を極力排除。(左)
内装や家具、アートなどモノトーンでまとめたモダンなリビング。ブラケットは自由に光の向きが変えられる灯具可動式。シンプルなデザインなので、光そのものの美しさが楽しめる。(右)
吹き抜け部分の照明
吹き抜け空間ののびやかさを生かすには、壁面に光を当てるのがポイントです。高天井の空間向けに設計されたプランケットを設置するといいでしょう。
ペンダントライトやシャンデリアにも吹き抜け用があり、昇降機能つきならランプ交換などがラクにできて便利。暗いようなブラケットやアッパーライトのフロアスタンドで明るさを補います。
寝室の照明
ベッドに横になったときに光源が直接目に入らないように配慮しましょう。くつろぎ感を重視するなら、調光機能つきのシーリングライトにしたり、天井灯を省いてブラケットとスタンドだけにする方法も。
寝室の出入り口近くにフットライトを設置しておくと、夜中にトイレに立つときなどに重宝します。リモコン機能のない天井灯は、ドア脇と枕元の両方でオン・オフできる3路スイッチにすると便利です。
寝室ではベッドに横たわったときに、光源が直接視界に入らないように配慮したい。写真ではベッドのフット側にダウンライトを配置している。/パナソニック
玄関・階段・廊下の照明
玄関ホールは、訪れた人と迎える人との両方の顔がはっきり見えるように、上がりかまちの真上に照明器具を設置するようにしましょう。
階段は、足元が暗くならないように取り付け位置に配慮が必要。つまずきや踏みはずしが多い上がり口、下がり口などにはフットライトがあると安心です。
廊下は、天井と足元をバランスよく明るくするのがコツ。ダウンライトとフットライトとの併用がおすすめです。
深夜のトイレや移動の際の安全対策には、階段や廊下の照明が必須。足元を明るく照らすLEDのフットライトを設置。 LBJ70071 ¥4500(税別)/パナソニック
水回りの照明
キッチンは、隅々まで光が届くLEDや蛍光ランプを主照明として、シンクやコンロ部分などに手元灯をプラス。浴室の照明器具は必ず防湿タイプのものを選ぶようにして。ランプの光色は、電球色ならあたたかさが、昼白色なら清潔感がアップします。
照明器具は湯気が直接当たる浴槽の真上への設置は避けましょう。入浴している人の影が、窓に映らない場所に設置するのもポイント。
点滅回数の多いトイレ照明は、点滅を繰り返してもランプ寿命に影響が出ないLEDの機種が最適。
照明の便利な機能をとり入れる
照明選びの際にどうしてもその器具の形ばかりに気がいきがちですが、デザイン面以外にもチェックしたい数々の機能があります。
まずは調光機能。LEDや蛍光ランプのシーリングライトなどには、リモコンなどの操作で調光できる製品もあります。生活シーンに合わせた明るさの演出が手軽にでき、省エネにも。
また、人の出入りと明るさに反応して、自動的に点灯・消灯する人感センサー機能も便利です。玄関やトイレ、階段部分に設置するのがおすすめで、省エネ効果もあり、消し忘れの心配もなくなります。
手が届きにくい高い天井や吹き抜け空間の照明器具にぜひとり入れたいのが、照明用電動昇降機。壁スイッチの操作で器具を上げ下げでき、めんどうなランプ交換や掃除がラクにできます。
コーティング技術面でも、人にやさしい植物性塗料や水性の自然塗料を使う、シェードに防汚機能をもたせるなど、快適に使い続けるための工夫があるので、選ぶ際に確認してみましょう。
長方形のダイニングテーブルには、小型ペンダントを3連に。料理と集う人を明るく照らすように、テーブルに近い高さに配置。小さな3つの光が食卓をリズミカルに演出している。
↓注文住宅で家を建てたSさんの体験談を見る↓
2019.07.20東京スカイツリーや東京タワー、天気の良い日には富士山まで見える最高のロケーションを持つ土地に居を構えられたSさん。家の前には、大きな河川敷があり、どこからともなく通行人の鼻歌が聞こえてくる。そんな気持ちを開放してくれる、心...続きを見る
2019.07.31スポーツやキャンプなどのアウトドアやDIYなど多くの趣味をお持ちのSさん。幼いころからご実家で鳥小屋や犬小屋を造られるなど、DIYの経験も豊富にお持ちで、今回の家づくりの際もDIYをする余白を設けたこだわり満載の住まいを叶...続きを見る
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