太陽光発電は太陽の「熱」ではなく、「光」を電気に換えるシステムです。太陽光を利用するので、火力発電のようにCO2を排出しない、クリーンなエネルギーなのが魅力。東日本大震災以降のエネルギー事情を受け、一般住宅にも広く浸透してきました。
その太陽光発電の設置時の注意点などを、改めてご紹介します。
一般住宅での発電量と導入コスト
南向き屋根に20㎡ほどパネルをのせ、3kwぐらい発電するのが、3〜4人家族の場合の都心部での目安です。
この発電量だと春、夏、秋の晴れた日には、余剰電力が出るので、電力会社に売電することも可能。
ただし、売電価格の変動には注意が必要です。発電量や売電量などは専用のモニターがあり、随時室内でチェックできます。
導入コストは普及に伴ってかなり下がり、3kwで110万円程度が目安(2015年現在)。今後ますます下がって、導入しやすくなる見込みです。地方自治体で補助金を出しているところもあるので確認を。
また発電に使用する太陽光電池パネルは、電池とはいっても蓄電はできないので、今までつくった電気はその都度使用したり、余った電力を売電していましたが、家庭用蓄電池が徐々に普及してきたため、太陽光発電でつくった電気をためて、くもりや雨で発電できないときなどに使えるようにもなってきています。
太陽光パネルの選び方や設置の注意点
太陽電池パネルは、メーカーによって素材や発電方式が違い、パネル1枚あたりのコストや発電効率も違うので、十分に検討しましょう。
パネルの設置角度は、真南に向けて30度くらいが理想です。各パネルメーカーのHPで、地域、パネルの面積などで発電量のシュミレーションができます。
ただし、都市部の住宅密集地では北側斜線制限が厳しく、南側から北側への片流れの屋根にするといったケースも多く、パネルをのせる場所がないことから、設置は意外と難しいのが実情です。
設置方法で、屋根裏に直接ビスで取り付ける方法は、雨漏りの原因にもなりますので、専用ラックに固定するなどの対策を講じましょう。
創エネ・蓄エネの時代に
今後の住宅エネルギー対策は、「省エネ」に加えて、太陽光発電でエネルギーをつくり(創エネ)、つくった電気を蓄電池でためて(蓄エネ)、必要なときに使うという流れが主流になると考えられます。
家庭用蓄電池は以前は非常に高価でしたが、価格が下がり、今後も次第に求めやすくなりそうです。国からの補助金も受けられます。
家庭用燃料電池で発電する方法
家庭で「創エネ」するには、太陽光発電のほか、家庭用燃料電池「エネファーム」で、ガスを燃料に発電する方法もあります。
これは、ガスから取り出した水素と、空気中の酸素を化学反応によってクリーンに発電させ、排熱で給湯する仕組みです。発電と同時にお湯が沸かせる点も特徴。沸かしたお湯は床暖房にも利用できます。
価格は発売当初の約半分の150万円近くまで下がっており(2015年現在)、今後ますます下がる見込み。これもまた国から補助金が受けられます。
エネルギーはHEMSで賢くつかう
「HEMS」とは、「Home Energy Management System(ホームエネルギーマネジメントシステム)」の略。電気屋ガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を自動制御して、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムです。
たとえば、子ども部屋のエアコンがよくつけっぱなしになっていることがわかれば、子どもに注意を促しやすくなります。外出先からはスマートフォンで消し忘れたエアコンのスイッチを切ることも可能。
エネルギー収支がゼロになるZEHとは
「ZEH(ゼッチ)」とはNet Zero Energy House(ネットゼロエネルギーハウス)のことで、一次エネルギー(「次世代省エネ基準と住宅の省エネ設備」を参考に)の年間消費量より、住宅でつくり出したエネルギーの方が多い、またはその差が正味(ネット)ゼロになる住宅のことです。
省エネや創エネとHEMSを組み合わせてエネルギーの管理することで実現させます。国は2020年までに標準的な新築住宅でZEHの実現を目指すとし、2012年度から補助金を交付しています。
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