国が定めた従来の省エネ基準(平成11年改正の次世代省エネ基準)では、主に建物の断熱性能を評価していました。けれどいくら建物の断熱性能を高めても、家の中で使う設備機器も省エネタイプにしなければ、家全体の消費エネルギーを十分に減らすことはできません。
そこで13年ぶりに基準が見直され(平成25年基準)、「一次エネルギー消費量」という指標を用いて、設備機器も含めた、住まい全体の省エネ性能を評価する内容に改正されました。
一次エネルギー消費量
「一次エネルギー」とは、化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など、自然から得られるエネルギーをさします。
これらを変換・加工して得られる電気、灯油、都市ガスなどを「二次エネルギー」といい、住宅では二次エネルギーが多く使われていますが、それぞれの計量単位はkWh(キロワットアワー)やMJ(メガジュール)など異なります。
それを一次エネルギー消費量へ換算することにより、建築物の総エネルギー消費量を同じ単位のMJやGJ(ギガジュール)で求められます。
次世代省エネ基準の義務化と減税
新たな基準で省エネ性が評価されるのは、「暖冷房」「換気」「給湯」「照明」の設備です。このほか、太陽光発電などによるエネルギーを創出する取り組みも、積極的に評価されます。
この基準に適合すると、減税や住宅ローンの優遇などのメリットもあります(2015年現在)。
また、以上の基準は、2020年にすべての新築の建築物に義務化されることが予定されています。
省エネ設備の種類
給湯
従来よりずっと少ない熱でお湯をわかす給湯器には、ガスを熱源とする「エコキューズ」、電気を熱源とする「エコキュート」、石油を熱源とする「エコフィール」など、さまざまなタイプがそろっています。
導入の際には国などから補助金が出るのもありますが、年ごとに応募期限があるので注意。
エアコン
最近の家庭用エアコンは、ほとんどがヒートポンプ式のインバーター制御。ヒートポンプとは、冷房時には室内の熱を室外へ、暖房時は室外の空気の熱を室内へ移動させる仕組みで、非常に効率よく熱を使えます。
また、インバーター制御によって、冷やし過ぎや暖め過ぎを防げます。
照明
LED電球は一般的な白熱電球に比べて消費電力は約80%カット、耐久性は15〜50倍です。登場した当初は価格が高いのが難点でしたが、どんどん安価になり、照明を100%LEDにする家も増えています。
LED電球と、笠やカバーが一体になった安価な製品も(電球が切れたら器具ごと交換)。
換気
高気密・高断熱の効果を損なわないためには、換気扇を回しているときも室温を一定に保てる、熱交換型の換気扇を選ぶのも有効です。エアコンと一体型の製品も登場。もっと簡便にするなら、室内側にふたがついている換気扇に。使用していない時はフタが閉まっているので、熱が逃げません。
換気システムについては、「住宅換気システムの種類」も参考にしてください。
トイレ
従来の40%以上節水でいる超節水タイプも登場。新たな省エネ基準で評価される設備機器にトイレは入っていませんが、温水洗浄便座が一般的になった現状を考えると、トイレの節電にも目を向ける必要が。従来より消費電力を30%以上カットするタイプも登場しています。
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