工務店への依頼を検討中で数社から見積もりを出してもらう相見積もりは、条件を統一して依頼することがポイントになります。
最適な1社を選ぶコツは、総合計の金額だけを見て高い安いと判断するのではなく、見積もり漏れや内訳の不備が無いかなど、総合的に判断して評価して絞り込みましょう。
工務店に直接依頼する場合の見積もりとは
見積もりに関しては、昔のような「どんぶり勘定」的な書き方はなくなりましたが、「本体工事費一式◯◯万円」というようなアバウトな書式の工務店も少なくありません。
概算見積もりの段階でも詳細な見積書を提出してもらい、項目ごとのチェックをし、契約時の最終見積もりでは工事費内訳明細書も必ず出してもらうようにします。
見積もり金額のチェックは、地域の相場が手がかりになるので、数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
工務店などの工事費内訳明細書の例
工事名称 |
単位 |
金額(円) |
●本体工事 |
建築工事 |
仮説工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
土工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
地業工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
コンクリート工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
鉄筋工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
鉄骨工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
防水工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
石工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
タイル工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
屋根・とい工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
金属工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
木工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
左官工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
金属製金具工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
木製建具工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
ガラス工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
塗装工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
内装工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
断熱工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
造作家具工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
電気設備工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
給排水衛生設備工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
雑工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
運搬費 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
管理諸経費 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
小計 |
◯◯◯◯◯◯ |
●付帯工事 |
屋外電気工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
屋外給排水工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
ガス配管工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
冷暖房設備機器工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
外構工事 |
一式 |
◯◯◯◯◯◯ |
小計 |
◯◯◯◯◯◯ |
設計料 |
◯◯◯◯◯◯ |
消費税額 |
◯◯◯◯◯◯ |
工事請負金額合計 |
◯◯◯◯◯◯ |
主な工事内容
仮設工事 |
建築中に必要な足場や電気・水道の工事など |
土工事 |
整地や基礎工事など、土に関する工事 |
地業工事 |
基礎を支えるための砂利、捨てコンなどの工事 |
屋根・とい工事 |
屋根下地、屋根葺き、雨どいなどの工事。軒、天窓の工事も含む |
金属工事 |
手すり、点検口など、屋根板金や建具を除くすべての金属工事 |
木工事 |
構造から仕上げまで、木材を使うすべての工事。木造建築で最も範囲が広い |
左官工事 |
外部・内部のモルタルや、しっくい・珪藻土塗りなどの工事 |
金属製金具工事 |
アルミやスチールなどの窓やドアなどのとりつけ工事 |
木製建具工事 |
主に木製の窓やドアなどのとりつけ工事 |
内装工事 |
壁や天井などのクロス、床のカーペット、畳、フローリングなど、内部を仕上げる工事 |
断熱工事 |
壁や天井、床などにグラスウールや発泡ウレタンなどを用いて行う工事 |
造作家具工事 |
壁面やクローゼットなどに家具を造りつける工事 |
建築士事務所を通す場合の工務店選定方法
建築士事務所に設計を依頼した場合、工事は工務店に別途依頼する形になり、建築士事務所の紹介した工務店か、建主の指定により、相見積もりで選ぶケースがほとんどです。
複数の工務店から相見積もりを取るのは、工事金額を比較することでその地域の相場がわかり、適正価格を知る手立てになるからです。数社の見積もりを比較することで最適な業者を選ぶことができ、またコストコントロールもしやすくなるのです。
見積もりは、独自の算定方式や書式で書かれていることが一般的ですが、複数の見積もりを比較するには、項目の立て方内容など条件をすべて同じにしなければ意味がありません。
このため、建築士事務所では、各社の見積もりが一覧できるように比較表をつくり、建築士事務所の予算配分を載せます。
これは、今までの実績と経験、積算資料などをもとに考えて配分した、いわば比較の目安となる金額です。予算配分と各社の見積もりを一覧にすることで、一目で比較でき、予算の検討がスムーズにいくわけです。
見積もり比較表のチェック方法
見積もりの査定とは、各社の見積もりに漏れがないかをチェックし、比較検討する作業のことをいいます。上記掲載の見積もり比較表の例は、途中を省いていますが、実際には50項目ほどあります。
各項目の横軸を見ましょう。いちばん高い工務店はどこなのかが一目でわかります。高いか安いかを比較しやすいように、最高値と最安値に印(上の例では、☆と★で表しています)をつけます。最安値の場合も見積もり漏れがあるかもしれませんので、内容を詳しくチェックしましょう。
その結果を、各工務店の所見欄や備考欄にまとめます。ここまでは建築士事務所の作業として当たり前に行われることですが、予算内に収まるかどうかのポイントは、この作業の精度によって決まるといっていいでしょう。
建築士事務所に依頼するメリットは、素人では見抜けない部分でのコスト管理にあるともいえるからです。このあと各社の見積もりをチェックしますが、建主も必ず同席するようにしましょう。
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