電気料金は深夜がお得?節約のヒントは「選べる電力」

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電気料金は深夜がお得?節約のヒントは「選べる電力」

気がつくと今月は意外に電気代がかさんでいた、なんてことはありませんか。家電品は毎日使うものだけに、月々の出費はできるだけ抑えたいところですよね。こまめに電源を切ったり、エアコンの設定温度を控えたりと、普段から節電を意識していても、なかなか効果が得られないのが実情かもしれません。

ですが、実はもっと根本的な節約方法があるのです。2016年から一般家庭でも「電力自由化」がはじまっていることをご存知でしょうか。これは、全国に複数ある電力会社を自由に選べるというしくみです。例えば関西に住む人が東京電力を選んだり、関東にいる人が四国電力を選んだりもできるのです。すでに電力会社独自のお得なサービスや、暮らしに合わせた料金プランも登場しています。これによって電気代のメリットがぐんと広がってきました。なかでもねらい目は「深夜」。夜の電気を上手に使って、節約の明かりを家計に照らしてみませんか。

1.深夜電力はなぜ安い?安くなる時間帯も知りたい

深夜電力とは、わかりやすくいうと夜間に余った電力を安い料金で供給するしくみです。

電力会社は、昼夜にかかわらずバランスよく電力を供給する義務があるため、安定した発電量の維持が欠かせません。そんな中、電力の使用量は、朝から日中にかけて増していき、夜から朝にかけて減っていく傾向にあります。使用量がピークになる日中の時間帯でも滞りなく供給できる反面、使用量が減る深夜は発電した電力が余ってしまいます。

そこで、夜間の電気代を安くすることによって夜間の電気需要を増やし、余った電力を無駄にしないよう努めているのです。

深夜電力が安くなる時間帯は、電力会社によって異なりますがおおむね午後11時から翌朝の午前7時までが一般的です。日中は家族の誰かが不在がちな家庭や、夜間に電気を多く使う人にとっては、安さを歓迎できる時間帯かもしれませんね。

この時間帯に電気を上手に使えば、電気代の節約効果も期待できます。特にオール電化の家庭ならこの恩恵を有効に活用できます。マイコン制御のエコキュートや夜間蓄熱式の暖房機など、夜間の電気を利用するしくみになっているからです。

では日中と夜間とでは、料金にどのくらい差があるのでしょうか。実際に電力会社がすすめる深夜電力の料金プランを例にみてみましょう。

2.昼間と比べて、深夜電力の料金はどれだけお得?

大手の電力会社では、「昼間時間」と「夜間時間」で料金単価の異なるプランが設けられています。電力会社によって時間帯に多少の差はあるものの、昼と夜を区別しているプランであることには違いありません。もちろん「夜間時間」の方がお得であることも各社共通のメリットです。

例えば、東京電力には「夜トクプラン」というものがあり、夜間の電気使用量の割合が高くなるほどお得になっています。

なかでも「夜トク8」というプランでは、1kWhあたりの電力量料金が、午前7時から午後11時までの昼間で32円14銭。午後11時から翌午前7時までの夜間なら20円78銭です。つまり昼間と比べて夜間のほうが11円36銭のお得となります。

東京電力には一定の使用量以上でお得になる「プレミアム」というプランもありますが、その従量料金でさえ1kWhあたり29円04銭です。夜トク8の夜間のほうがまだ8円26銭もお得になる計算です。

ここで一つ見逃せないポイントがあります。それは夜間時間が「翌午前7時まで」あるということ。

学生の子どもや遠方にお勤めの人がいる家庭なら、早朝の5時や6時から活動を始めることもまれではないですよね。朝の身支度や家事などで電気をたくさん使う生活は、朝7時までの深夜電力プランがお得になってくるわけです。昼間の仕事に影響するため夜遅い時間まで起きていられないという人も、朝早起きすれば電気代を安く済ませられます。

節約上手なくらしは、夜間の電気利用だけでなく「朝の早起き」もヒントになっているのです。

3.夜間にお得な料金プラン、電力各社を比較チェック!

電力が選べるなら、比較検討する上でも実際にどんな料金プランがあるのか気になるところです。ここで、大手電力会社および新電力が設けている「夜間にお得な料金プラン」を紹介します。

 

・北海道電力「eタイム3プラス」

1日を3つの時間帯に分けた料金設定が特徴のプランです。電気の使用をお得な夜間時間や朝晩時間に移行すると電気代の負担が減らせます。さらに、ヒートポンプ式暖房機や電気式ロードヒーティングなどを使用している家庭は、冬期間(12〜3月分)の電力量料金が10%割引になります。電力量料金は、夜間時間(午後10時から翌午前8時)で14円37銭(1kWh)

 

・東北電力「よりそう+ナイト8」

午後11時から翌午前7時までの夜中8時間がお得なプランです。家庭にある電気機器のタイマー機能などを活用して、電気の使用を昼間時間から夜間時間に移行することで電気代が節約できます。時間帯ごとに、よりそう+ナイト10、12、Sなどの別プランもあり。電力量料金は、夜間時間(午後11時から翌午前7時)で10円92銭(1kWh)

 

・東京電力エナジーパートナー「夜トクプラン」

夜間の電気使用量の割合が高くなるほどお得になるプランです。日中は家族が不在がちだったり、電化製品を夜間に使用することが多いなど、夜間の電気を有効に活用したい家庭におすすめです。電力量料金は、夜間時間(午後11時から翌午前7時)で20円78銭(1kWh)

 

・北陸電力「くつろぎナイト12」

夜間のお得な時間帯が12時間もあり、早い夜から電気代を気にせずゆったりくつろげます。夜間の電気料金は平日の昼間の半分以下という安さで、土曜・日曜・祝日も平日に比べて昼間の電気料金がぐんとお得です。電力量料金は、夜間時間(午後8時から翌午前8時)で12円28銭(1kWh)。

 

・中部電力「スマートライフプラン」

ライフスタイルに合わせてお得なナイトタイム(夜間時間)を以下3つのパターンから選べます。

1. 基本のナイトタイムは午後10時から翌午前8時
2. 朝とくのナイトタイムは午後11時から翌午前9時
3. 夜とくのナイトタイムは午後9時から翌午前7時

電力量料金は、基本のナイトタイムで16円(1kWh)

 

・関西電力「eスマート10」

電気を使用する季節や時間帯によって料金単価が異なるプランです。割安な時間帯に電気の使用をシフトすると電気料金を削減することができます。1日のうち約4割が一番お得なナイトタイムとなります。電力量料金は、ナイトタイム(午後10時から翌午前8時)で15円08銭(1kWh)

 

・中国電力「ナイトホリデーコース」

夜間だけでなく休日にも割安な料金を適用するコースです。使い方を工夫すれば電気料金がお得になるため、夜間や休日に電気をよく使う家庭におすすめです。電力量料金は、ナイトタイム(午後9時から翌午前9時)で17円87銭(1kWh)。ちなみにホリデータイムは、土曜・日曜・祝日の24時間まるごとで同額の17円87銭(1kWh)です。

 

・四国電力「時間帯別eプラン」

電気料金を時間帯ごとに設定したメニューです。昼間の電気料金はいくぶん割高ですが、夜間はお得な料金になります。 電気の使い方を工夫し、割安な夜間の使用割合を高めるほど電気代の節約につながるでしょう。電力量料金は、夜間時間(午後11時から翌午前7時)で14円22銭(1kWh)

 

・九州電力「電化でナイト・セレクト」

一般的な「従量電灯」料金に比べ、夜間の料金を安くしたオール電化向けの料金プランです。お得な夜間時間帯は、ライフスタイルに合わせて次の3つの時間帯から選択できます。午後9時から翌午前7時、午後10時から翌午前8時、午後11時から翌午前9時。電力量料金は、夜間時間で13円02銭(1kWh)

 

・沖縄電力「Eeらいふ」

1キロワット以上の夜間蓄熱式機器、またはオフピーク蓄熱式電気温水器を使用し、昼間時間以外の時間帯に向けた電力負荷移行が可能な家庭を対象としています。オール電化住宅の家庭は10%の割引があります。電力量料金は、夜間時間(午後11時から翌午前7時)で11円82銭(1kWh)

 

・昭和シェル石油

「昼はもちろん夜に差がでる電気」家庭でよく電気が使われる夜から朝にかけての電気代が断然お得なプランです。供給エリアは全国が対象で、東京電力エリアでは東京電力の従量電灯B・Cの第3段階料金と比較して、最大約22%も安くなります。ガソリン・軽油が1リットルにつき1円引きのうれしいおまけも。電力量料金は、夜間時間(午後8時から翌午前7時)で23円35銭(1kWh)

 

・エルピオでんき

「深夜お得プラン」LPガス会社・エルピオが販売する電気供給プランの一つです。東京電力の「夜トク8」に相当するサービス内容で、日中と比べて夜間の料金がお得に設定されています。深夜にお湯を蓄積するオール電化住宅におすすめです。供給エリアは東京電力管内。電力量料金は、夜間時間(午後11時から翌午前6時)で20円50銭(1kWh)

 

・auでんき「でんきMプラン」

auのスマートフォンや携帯電話を利用している人が対象となります。電気代は一律変わらず、電気利用に応じて夜間でもau WALLETポイントが還元されるシンプルでお得な割引プランです。「auでんきアプリ」で電気使用量の確認や電気代の予測をチェックできます。供給エリアは全国対象(沖縄県と一部離島をのぞく)。

4.夜のお得をフル活用!深夜電力のかしこい使い方

深夜電力がお得であることはわかりましたが、その時間帯の電力をきちんと活用しなければ「お得」のメリットは感じられないままです。くらしに便利な家電品や電気機器を例に、深夜電力をかしこく使うさまざまなヒントを紹介しましょう。

 

毎日のごはんがうれしくなる、炊飯器の節約術

まずしっかり利用したいのがタイマー機能のある家電品。毎日の食生活に欠かせない炊飯器は、ごはんの炊き上がり時間を午前7時までにセットしておき、深夜電力で炊飯します。炊き上がったら炊飯器で保温せず、少し冷ましたあとタッパーやラップで小分けして冷凍保存するのがポイントです。食べるときに電子レンジで解凍すれば、炊きたてに近いおいしさになります。電子レンジは電力を多く消費するイメージがありますが、600Wで3分加熱してもわずか0.03kWh程度の電力です。炊飯器で保温すると電気代がかさむ上に、ごはんの味も落ちてしまいます。1日に何度もごはんを炊くよりも、深夜電力で1回で多めに炊いて冷凍するのがかしこい炊飯器の使い方です。食事のあとの食器洗い機や生ゴミ処理機も、お得な夜間にタイマーをセットして利用するようにしましょう。

 

快適なくらしの家電は、深夜電力と相性バツグン

洗濯は、1日の仕上げとして夜に、または朝一の家事として早朝に、このどちらかをおすすめします。回数も減らし、洗濯機の容量に合わせてまとめ洗いすると、電気代だけでなく水道代の節約にもなります。お風呂は、深夜電力の本来のメリットといえるエコキュートや電気温水器の導入が効果的です。夜間に溜めたお湯を日中に利用するしくみなので、お風呂以外にも家中の給湯に汎用できるのは大きいでしょう。すでにオール電化でエコキュートをお使いの場合、お風呂の電気代は「追い焚き」よりも「足し湯」がお得です。入浴後に回す浴室室内乾燥機は、午後11時以降にオン、翌朝7時までにオフにすればお得な夜間をまるまる利用することになります。おっくうになりがちな掃除は、早起きが「三文のトク」。

特に夏場は気持ちのいい朝のうちに掃除機をかけるようにしましょう。冬の寒い朝、床暖房やファンヒーターでお部屋を事前に暖めておくなら、タイマーのセットは「早朝7時まで」が家族の合言葉です。

エアコンは電源をオンオフするときほど電力の消費が大きいため、電源を入れるタイミングはなるべく夜間の時間帯を利用しましょう。充電が必要な携帯電話やタブレット端末、固定電話の子機、電動歯ブラシ、シェーバーなども深夜の充電が相性バツグンです。これらの節約術は、徐々に習慣化することで生活パターンも定着していくのではないでしょうか。「深夜電力をかしこく使う」といってもあまり気負いすぎず、月々の電気代の明細金額が減っていく生活を快く楽しんでみてはいかがでしょうか。

5.深夜電力が安くても、プラン全体がお得というわけではない?

深夜電力は、もともと夜間に電気をよく使う人ならメリットのあるプランには違いありません。ただし、深夜電力を検討するにあたって注意しなければならない点が一つあります。それは、使い方によっては深夜電力プランが必ずしもお得になるわけではないということです。

ほとんどの電力会社が設けている夜間割安プランや時間帯別プランは、昼間の電気料金が高くなっています。例えば関西電力の「eスマート10」をみてみましょう。ナイトタイム(午後10時から翌午前8時)の電力量料金は、15円08銭(1kWh)です。一方、日中のリビングタイムだと料金は、夏季で29円65銭(1kWh)、その他季節でも26円95銭(1kWh)と高くなります。さらにデイタイム(午後1時から午後4時)に至っては、37円92銭(1kWh)という高値です。しかもお得なナイトタイムの時間帯は1日のうち約4割でしかありません。電気代を節約するには、午後10時から翌午前8時の間に全体の4割以上の電力を使うライフスタイルが求められます。基本料金についても同じ関西電力の「従量電灯A」というプランと比べてみましょう。「従量電灯A」の最低料金は、最初の15kWhまで334円82銭ですが、「eスマート10」の場合、基本料金は最初の6kWまで1,188円となっています。

夜間がお得なプランは、他のプランと比べて基本料金も決して安くはないということです。夜間の電気使用を増やすことができても、日中の電気使用をあまり減らすことができない場合は、大きなメリットに値しないかもしれません。深夜電力への切り替えにあたっては、どの時間帯に電気の使用量が多いのか、現実的な生活に合わせて見極めることが肝心です。

6.根本的な節約をめざすなら、電力会社の切り替えが近道

深夜電力は、家電品の使い方や工夫しだいで電気代の節約につながることもわかりました。電気は日々のくらしに欠かせないだけに、抑えられるのであれば1円でも安くしたいと思うのが消費者の心理ではないでしょうか。電気代の根本的な節約をめざしたい人は、現在の料金を深夜電力プランに変更する際、電力会社そのものを切り替えるという選択肢があります。

2016年からはじまっている「電力自由化」によって、消費者は自由に電力会社を選べるようになっています。在住する地域の大手電力会社との契約はもちろん、新しく参入した電力供給会社を選ぶこともできるのです。一番のメリットは、電力を扱う会社の数が多くなり、料金メニューやサービスの選択肢が増えたことでしょう。例えば、ガスと電気をセットにしたお得なメニューや、ガソリンと電気のセット割引など、光熱費に直結するサービスが登場しています。省エネ住宅と電気を組み合わせて販売する住宅メーカーや、ネットと電気をまとめて提供する通信会社など、業種の垣根を超えたユニークな発想は自由化ならではの特徴です。

これまで地域によって一律だった電気料金もまた、電力供給各社が自由に設けることができるようになっています。それらを比較検討することでより安いプランを選ぶことは、電気の使い方で「節約」することと併せて大きな節電につながるといえるでしょう。電力会社の切り替えは、思いもしなかった節電効果と魅力的なサービスに出会えるチャンスかもしれません。いくつかの電力会社から自分の生活に合ったプランを比較するために、見積もりをとってみてはいかがでしょうか。

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