コラム

希望者急増中の「専業主夫」はアリ?ナシ?

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希望者急増中の「専業主夫」はアリ?ナシ?
日本は他の国に比べて専業主婦の割合が高く、専業主婦文化が根づいた国だといわれています。
けれど、そんな日本で最近、専業主夫になりたいという男性が増えているとか。

夫が「専業主夫になりたい」と言ったら、アナタはどうしますか?
今回は、そんな専業主夫にスポットを当てて、イマドキの夫婦事情をご紹介します。

共働き家庭が増加!家事の分担は?

専業主婦文化が根づいた日本でも、最近では共働きの家庭が増えていますよね。
その背景には、女性の社会進出があるのはもちろんのこと、不景気による収入減も要因のひとつ。
厚生労働省の調査によると、専業主婦は減少傾向にある一方、共働き家庭は全体の半数にまで増えているそうです。

共働き家庭では、75%以上の女性が家事を1人でこなしており、夫婦で家事を分担している家庭はわずか20%ほど…。
共働きが増えても、家事を手伝う男性はまだまだ少ないようです。
もしかしたら、男性が家事を手伝わないことが、いまだに専業主婦を希望する女性が多い理由かもしれませんね。

ちなみに、欧米諸国にも専業主婦はいます。けれど、日本ほどではありません。
個人主義の欧米人女性にとって“専業主婦”は、他人に依存していると感じられるのかもしれませんね。
それに、欧米人男性の多くは家事を共同作業と受け止めとても協力的
日本人男性とは雲泥の差といってもいいほどですが、これは社会や文化の違いによるものなので、同じことを求めるのは酷ですが、日本人男性がもっと家事を分担するようになれば、働く女性が増える可能性はありますね。

若い世代で専業主夫が急増中!

ある調査によると、20代の62%、30代の69%の男性が「男が専業主夫でも構わない」と回答。
また、約60%の男性が「専業主夫になりたい」「専業主夫になってもいい」と回答しています。

このように、共働きの家庭が増え、専業主婦が減少している一方で、専業主夫を希望する男性が急増しているよう。
若い男性とって、専業主夫は新たな選択肢といえるのかもしれませんね。
2011年の厚生労働省の調査では、全国の専業主夫は11万人を超えました。
全体の主婦数からみれば少ない数ではありますが、現在では数万人規模で増加していると予想されています。

では、なぜ専業主夫が増えているのでしょうか。どうやら“家でのんびりしたい”から専業主夫になりたいというわけではないようです。
専業主夫をしている男性によると、家事は男性がやったほうが“合理的”だからだとか。
その理由は、掃除機をかけるにしても、買い物の重い荷物を持つにしても、家事はかなりの重労働のため、より筋力がある男性のほうが向いているから。
肉体労働を除けば会社勤めに筋力は必要なく、女性でも男性でも能力があればどちらでも構わないのではないかという見解のよう。
これは理論的な意見で、ある意味うなずけるところがありますよね。

実は女性のほうが専業主夫を受け入れられない!?

このように専業主夫が増えていくなかで、“専業主夫”に対するマイナスイメージは全体的に減少傾向にあるようで、「自由に選択できるのが理想」「実際にそういう家庭を知っている」など、プラスイメージを抱く人も増えてきているようです。

けれどその一方で、自分の夫が専業主夫になるのは「アリエナイ!」と感じる女性が多いのも事実。
他人のことであれば受け入れられるけれど、自分の家庭のこととなると事情は変わるということでしょうか?

女性のなかには「家事は女性がするもの」という固定観念にとらわれている人が、男性より多いのかもしれません。
また、女性が男性並みに稼ぐのは簡単ではないので、責任感という面からも負担が大きすぎるのかもしれません。
専業主夫が女性陣に認められるには、もう少し時間が必要なようです。

「専業主夫」のリスクは?

専業主夫のメリットとデメリットは個人の価値観に大きく左右されるため、ここでは「リスク」について考えてみようと思います。

アメリカは日本以上に専業主夫が多い専業主夫先進国ですが、そんなアメリカでさえ、育児期間を終えての再就職は女性以上にキツイという男性がいるほど。
専業主夫の文化があまり浸透していない日本では、男性の社会復帰はアメリカ以上にキツイものなのではないでしょうか。

また働く妻が浮気をしたり、夫がママ友と浮気をしたりして、離婚に発展するケースもあるようです。
専業主夫が離婚した場合、公的支援などの環境が整っていないため生活苦に陥る恐れもありますし、専業主夫は男性にとってもリスクが高い選択といえるかもしれません。

専業主夫が増えているとはいえ、まだまだ一般的とはいえない専業主夫。
それでもイマドキの夫婦は変化を続けています。大切なのは「誰が家事をするのか」「誰が働くのか」ではなく、相手がすることに感謝することではないでしょうか。

<プロフィール>
ナツキレイ
フリーライター/日本語家庭教師
タイ在住を経てオーストラリアへ。現在はオーストラリアの田舎で日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。

写真© karatama - Fotolia.com
フリーライター/日本語家庭教師。タイ在住を経て、オーストラリアで日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。
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