これから夏にかけて強くなる紫外線は、お肌の大敵。
日常生活の中でもできるだけ日焼けしないように、しっかり対策したいところですよね。
じつは紫外線にはもっとも強くなる「時間帯」があるんです。
それを頭に入れておいて、家事や生活のスケジュールを立てれば、無理なく紫外線対策ができるはず。
あわせて日焼け止めクリームの選び方もご紹介しますので、毎日のケアに役立ててくださいね。
そもそも「紫外線」って何?
「紫外線」とは、波長が短くてエネルギーの強い太陽光線のこと。
UV-A(紫外線A波)、UV-B(紫外線B波)、UV-C(紫外線C波)がありますが、地球に届くのはUV-AとUV-Bの2種類。
この2つの紫外線が肌に悪影響をもたらしています。
UV-Aははじわじわと肌に悪影響。しみやしわ、たるみの原因に!
UV-A波はエネルギー自体は弱いものの、肌の奥にまで到達する紫外線。長時間浴びることでゆっくりとしわやしみ、たるみなどの肌の老化を引き起こします。
雲や窓ガラスを通り抜けやすいという性質を持っているので、曇りの日も日当たりの良い家の中でも対策が必要です。
UV-Bは肌細胞を傷つけ、皮膚ガンの原因にも!
いわゆるリゾートでの日焼けがこちらです。
エネルギーが強く、細胞を傷つけて、肌を真っ赤にしたり水膨れのような日焼けを引き起こすことがあり、シミや皮膚ガンなどの原因になります。
地上に到達する量はUV-Aに比べるとごく少量。日傘や帽子を使うなど、極力直射日光に当たらないように心がけることである程度防止することができます。
紫外線対策が必要なのは5月~9月
(環境省「紫外線環境保健マニュアル2008」より)
こちらのグラフは、日本の場所別・月別の紫外線量を示したもの。どの地点でも7月をピークに、5月~9月にかけての紫外線量が多くなっています。
「紫外線が強いのは夏」というイメージがありますが、じつはそれより前から注意が必要なんですね。特に初夏の6月や残暑の9月は気を抜かず、しっかり日焼け対策をするのがおすすめです。
紫外線量は1日の中でも変化あり!最も気をつけたいのは10時~14時
(環境省「紫外線環境保健マニュアル2008」より)
このグラフは、夏場の時間帯別の紫外線量を示したもの。
どの地点でも10時~14時の間が、一日の約60%の紫外線量を占めています。
つまり、この時間帯の外出を避ければ、紫外線対策にもなるということ。たとえば、ゴミ出しや植物の水やりなどは早朝に、ベランダでの洗濯物干しは10時までに、食材などの買い物は14時以降に、といった生活スケジュールを立ててみては。赤ちゃんや子どもとの外出も、なるべくこの時間帯を避けましょう。
ちょっとした行動でも紫外線対策はマスト!
「きょうは曇っているから」「窓際にいるけど、家の中だから」「そこまでゴミを出しに行くだけだから」など、つい気を抜いてしまう行動もあるはず。でも、こんなときにも紫外線対策は必要なんです。
薄曇りの場合、UV-Bは晴れた日よりは少ないものの、主な老化の原因になるUV-Aの量はほとんど変わらず、紫外線の80%以上が通過しています。
家の中にいても、紫外線はガラスを通して室内に入ってくるため、窓際で家事などをしていると日焼けは防げません。またゴミ出しなどの何気ない行動の際も、短時間であっても紫外線を浴びてしまいます。
やはり日焼け止めクリームなどの対策は必須。帽子をかぶったり、襟つきの長袖シャツをはおったりするだけでも効果がありますよ。
今どき日焼け止めクリームは種類が豊富!選び方・使い方のポイント
ここからは日焼け止めの選び方についてご紹介します。
「種類が多くてどう選べばいいかわからない!」というかたは、ぜひ参考にしてくださいね。
SPF、PAで選ぶ
日焼け止めに表示されている「SPF」とは、UV-Bの防止効果を示す数値。高くなるほどサンバーン(赤い日焼け)を起こすまでの時間が長くなります。
もうひとつの「PA」は、UV-Aを防ぐための指標。+の数が多いほど、ツヤ・ハリ不足の原因とも言われるサンタン(黒い日焼け)の防止効果が期待できます。
「SPFやPA値は高いほどいい」と思われがちですが、効果が高くなると肌への負担が増える可能性もあります。
こちらを参考に、日焼け止めを使うシーンをイメージして、適切なものを選びましょう。
・SPF30~50+/PA++++ 海やプールなどのレジャー、炎天下でのスポーツなど
・SPF20〜30/PA++前後 屋外での簡単なスポーツなど
・SPF10~20/PA+~++ 家事や短時間の買い物などの日常生活
テクスチャーや使用感で選ぶ
日焼け止めは毎日使うものだけに、塗りやすさや塗った時のテクスチャーも重視したいところ。
ここでは代表的なタイプをご紹介します。
●2層式の乳液・ローションタイプ
さらっとした使用感でべたつきにくく、水に強いのがメリット。容器の中で油分と水分が分離しているので、しっかり振ってから使います。
●ジェルタイプ
水分がベースなのでみずみずしく、べたつきやきしみを感じにくいのがメリット。水や汗には弱めですが、石けんで落としやすいので、デイリーユースには向いています。
●乳液・美容液タイプ
いつものスキンケアに使う乳液や美容液として使えます。日常生活にちょうどいい、抑えめのSPF値で「日中用乳液」「日中用美容液」と書かれているケースが多いです。
●クリームタイプ
塗ったときにしっとり感があり、うるおいを肌にとどめる効果も期待できます。乾燥肌のかたにおすすめ。
●ミスト・スプレータイプ
シュッとひと吹きするだけの手軽さで、手の届かない背中などにも使えます。ただしムラになりやすいので、メインではなく補助的に使うのがおすすめ。
落ちにくさ・落ちやすさで選ぶ
海やプール、大量に汗をかくようなシーンでは、落ちにくい日焼け止めがマスト。
「ウォータープルーフ」「汗や水に強い」といった表示のあるものを選びましょう。
反対に、デイリーに使う日焼け止めは、「石けん・ボディソープで落とせる」「専用クレンジング不要」などと表示のある、落ちやすいタイプがおすすめ。余計な摩擦による肌負担を増やさなくてすみますよ。
含まれている成分で選ぶ
一般的に、日焼け止めの成分は「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」の2タイプに分けられます。どちらにもメリットとデメリットがあるので、特徴を知ったうえで肌の状態に合わせて選びましょう。
吸収剤タイプ
紫外線の熱をいったん肌に取り込んでから放出するタイプ。
使用感がよく、価格も抑えめで、高いUVカット効果を備えています。
ただし、肌が敏感な場合は熱を放出する際のエネルギーが負担になることも。心配なかたは事前にパッチテストをするのがおすすめです。
散乱剤タイプ
酸化チタンや酸化亜鉛、酸化鉄などの粉体で肌を覆い、物理的に紫外線を跳ね返すタイプ。
吸収剤に比べると色がつきやすく、コストもやや高めです。
ただし熱エネルギーを肌に吸収する必要がないため、敏感肌にも向いています。
どの日焼け止めも、正しい量を2~3時間おきに塗りなおすことが大切です。
また最近では、美肌などのスキンケア効果を期待できるものや、キラキラ輝くラメ入りで肌をきれいに見せるもの、香りで虫除け効果があるものなども登場しています。
これなら選ぶのも塗るのも楽しみになりそうですね。
まとめ
これからの季節は1年の中でも紫外線がピークを迎えます。外出時はもちろん、ふだんの生活の中でも紫外線対策を意識して、自分と家族のお肌を守りましょう!
取材・文/後藤由里子
参考記事/
観光省「紫外線環境保護マニュアル2008」」
大正製薬株式会社 「UV対策ラボ」
ロート製薬株式会社「知っておきたい 紫外線のあれこれ」
日本ロレアル株式会社「UVAとUVBの違いを知ろう」
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