自宅で本格的なレギュラーコーヒーをハンドドリップで楽しむ人が増えていますよね。
でも、自己流のいれ方だったり、聞きかじった知識を頑なに守っていたり、コーヒー豆の保存方法も人によってまちまち……。実は、意外と間違って覚えていることって多いようなんです。
そこで!“コーヒーのプロ”に編集部が取材。コーヒー大好きだけど、できればカンタンに飲みたい、というワタクシ編集K。こんなズボラな人間でも覚えられるコーヒーのいれ方のコツと、すぐに試したくなる裏ワザを教わってきました。
もしや、あなたも??コーヒーの間違いあるある
▲キーコーヒー・コーヒー教室の藤田さん。ドリップ中の横顔が凛々しい
おじゃましたのは、 “鍵のマーク”で知られる「キーコーヒー」。1920年創業という日本のコーヒー会社のパイオニアです。
キーコーヒーでは1955年からコーヒー教室をスタート。ハンドドリップの基本を学びたい初心者から、バリスタやお店の開業を目指すプロ志望の方まで、これまで20万人以上が受講したという歴史ある教室です。
今回はコーヒー教室の講師、藤田靖弘さんに教えていただきました。
1.コーヒー豆(粉)は冷凍庫で保存する?
まずはコーヒー豆の保存方法について。気づいたらずっと「冷凍庫で保存」していた編集K。あの、さっそく間違っていたでしょうか??
「コーヒー豆を冷凍庫で保存するのは間違いではありません。ただし、いれるときに豆をしっかり常温に戻す必要があります」
コーヒー豆が常温に戻るまでにはこの日は30分ほどかかったそう。でも、そんなに待てません!
「冷凍保存している豆は冷えているので、その分、お湯の温度が下がってしまい、コーヒーがうまく抽出されない原因になります。また、解凍時に結露しやすいため、コーヒーが湿気る場合があり、おすすめできません」
すぐ飲みたい自宅でのコーヒー豆の保存方法は、冷凍庫は避けたほうがよさそうです。
「ご自宅では冷暗所での常温保存がおすすめですが、まずは正しい容器を選ぶようにしてください」
コーヒー豆に大敵なのが、湿気、温度、酸素、そして「光」。つまり紫外線です。密閉されていても、半透明の容器(中央)や透明な冷凍用ジッパーバッグ(右)だと光を通してしまうのでNG。
「しっかり密閉できて、光も遮断するキャニスター(左)がベストですね」
おいしく飲める保存目安は、豆で約1ヶ月、粉で約2週間とのこと。使い切れる量ずつ購入するのがよさそうですね。
2.コーヒーは沸騰したてのお湯でいれたほうがおいしい?
はい、沸騰したてのお湯でドリップしてました。これも違うの??
「沸騰したてのお湯を使うと、苦みや酸味が強く出たり、雑味などの味を損なう成分も抽出されてしまうので、おすすめしません」と藤田さん。
バランスの良い味わいのコーヒーを抽出するために最適な温度は、95~90℃なのだそう。
「間違いコーヒー」VS「正解コーヒー」を飲み比べてみると……
では、どれだけ味が変わるのか。1で紹介した「コーヒー豆(粉)は冷凍庫で保存する?」を検証してみることに!
藤田さんに「冷凍庫から出した直後のコーヒー」と「常温保存していたコーヒー」を両方、同じようにいれてもらい、飲み比べてみました。
まずは、冷凍庫から出したばかりのほうから。飲んでみると「おいしいです」。
つづいて、常温保存のコーヒー。「え!!……ぜんぜん違う!!」
ほどよい苦みと酸味、そしてコクや余韻が感じられて、こんなに複雑な味だったの?というぐらいおいしい。
冷凍庫から出したばかりのコーヒーもおいしくないわけではないのですが、比べるとちょっと味気なく感じてしまうほど。
同じコーヒーなのにコーヒー粉の温度によってこんなに味が変わるとは驚きです。
これだけ覚えれば大丈夫!おいしくいれる “4つのコツ”
コーヒーの「間違いあるある」を知ったところで、おうちでコーヒーをおいしくいれるために、最低限守るべき4つのコツを学んでいきます。
さらに今回は「いちいちお湯の温度とか量とか計るの面倒くさい……」というズボラーたちのために、“見て判断できるポイント”も藤田さんに教えてもらいました。
コツ1:お湯は沸騰して“ボコボコ”がおさまってから
コーヒーをいれるお湯の最適な温度は95~90℃と学びましたよね。
「お湯が沸騰するとボコボコと大きな気泡が出てきますよね。火を止めて、小さな気泡までおさまったころが、95℃前後です」
温度を計らずとも“ボコボコ”がすべておさまったら適温のサインとです。
コツ2:ここはガマンの20秒!「蒸らし」は絶対!
ドリッパーにフィルターをセットし、1人前あたり10gの粉を人数分いれます。
「1回目の注ぎとなる『蒸らし』はコーヒー粉にお湯を浸み込ませ、おいしい成分を十分に引き出すための重要な工程です。これだけは必ずやってください!」と藤田さんは力説。
少量のお湯を粉の中央から渦を広げるようにゆっくり浸み込ませ、20秒ほど待ちます。ここだけはきちんと時間を計ること。
コツ3:2回目のお湯は、たっぷりと多めに注ぐのが決め手!
2回目の注ぎは、コーヒー粉の中央で500円玉ぐらいの円を描くようにくるくると、ゆっくりと、多めのお湯を注ぎます。ここで、コーヒーの濃縮された液体が抽出されます。
3回目以降も、ドリッパー内のお湯が途切れないうちに、2回目と同様に注ぎます。これを繰り返し、2分30秒~3分間で抽出します。
コツ4:お湯は最後まで落とし切らない
お湯を注ぎ入れると、ドリッパーに白い泡が浮かんできますが、これは苦みや渋みをともなった泡(アク)。
「アクは雑味のもとになります。注いだお湯を全部落としてしまうと雑味まで抽出されてしまうので、サーバーの杯数分の表示まで達したら抽出途中でも、ドリッパーを外します」
今回は「最低でもこれだけは」という4つのコツだけ紹介しましたが、もっと詳しくハンドドリップの方法が知りたい方は動画(コンテンツサイト「ドリップしよう。」)をチェックしてくださいね。
【裏ワザ】この“ひと手間”でいつものコーヒーが劇的に変わる!?
最後に、藤田さんがおもしろい裏ワザをひとつ教えてくれました。
「茶こしを使って微粉を落とすと、いつものコーヒーが少し違った味わいになりますよ」
ここでも、通常のコーヒーと微粉を取り除いたコーヒーを飲み比べ!
「きれいな味がする!」
「ちょっとお茶っぽい?」
同じ袋から出したコーヒーなのに、こんなに味が違うと魔法のようです。
「雑味が入りにくくなる分、クリアな味わいになるんです。少し気分を変えたいときはこの裏ワザを試してみてくださいね」(藤田さん)
あまり目が粗い茶こしだとコーヒーがたくさん落ちてしまうので、目の細かな茶こしがおすすめです。
今回味わったのは…キーコーヒー100年の技術が詰まった 『SINCE1920 BLEND No.100』
今回、試飲で使用したコーヒーは、来年2020年に迎える創業100周年を記念して生まれた「キーコーヒー」の新商品『SINCE 1920 BLEND No.100』です。
味わいの特徴を藤田さんにうかがいました。
「苦みを抑えたやさしい味わいで、爽やかな余韻が続くコーヒーです。やわらかい口当りなのでコーヒーが好きな方ならどなたでもおいしく味わっていただけると思います。ミルクとの相性もいいですよ」
心地良い余韻が続く味わいに、取材チーム一同、試飲するたび「はああ♡」「おいしい……」と感動しきり。お仕事を忘れるほどでした。
『SINCE1920 BLEND No.100』の詳しい情報は下のボタン(コンテンツサイト「ドリップしよう。」)をチェック!
提供/キーコーヒー株式会社
撮影/土屋哲朗(主婦の友社)、取材・文/暮らしニスタ編集部 近藤京子
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