ホクホク、あま~い石焼きいも。家庭でも作ることができたら、うれしいですよね。そんな石焼き芋のような本格的な焼き芋が、実は、家庭でも簡単に作れるって知っていますか?
家庭で焼き芋を作るための5つの方法と、焼いたときにいもの甘みを引き出すコツなどをご紹介します。
お芋掘りのシーズンと言えば、秋ですよね。収穫時期は品種によって微妙に異なり、例えば「紅はるか」なら10月頃~、「鳴門金時」は8月下旬~11月頃。この時期には売り場に手ごろな価格で並びます。
ただし、さつまいもの「おいしさの旬」は、もう少しあと!
さつまいもは品種改良が進んでいて、60種類の品種が出回っていると言われています。焼き芋にすると、ねっとりとした食感だったり、ホクホクとしていたり、品種によって味わいが変わるのも面白いところです。
ここでは、焼き芋の素材としてポピュラーな4品種をピックアップして、焼き芋にしたときの仕上がりを比べてみましょう。
一時期には、安納芋の焼き芋がブームになったほど。焼き芋にしたときは、ねっとりとした食感としっかりした甘みが特徴です。糖度が高く、焼いているときに皮表面に蜜がとろ~りと浮き出てくるほど。形は丸っこく、割るとオレンジ色の中身が顔を出します。
ほかの品種より「はるかに甘い」と意味を込めて名前が付いた紅はるか。焼きいもにすると安納芋に負けないくらいの甘みを感じるのに、あと味はすっきりとしています。中身は黄白色で、口に含むと食感はしっとり。
紅あずまはなめらかでホクホクとした食感。安納芋などのねっとり系と、鳴門金時などのホクホク系の中間に位置すると言ってもよいでしょう。紫がかった濃い赤色の皮と、鮮やかな黄色い中身のコントラストが食欲をそそります。甘みは強く、繊維質が少なめなのも魅力です。
素材選びのほかにも、おいしい焼き芋を作るには作り方も重要です。プロはいろいろな工夫をしていますが、家庭ではあまり手間はかけられませんよね。そこで、ポイントを2つだけ厳選。これをおさえるだけでも、焼き芋はぐっとおいしくなるので、ぜひ試してみてくださいね。
さつまいもはデンプン質が麦芽糖に変わることで甘みが強くなるのですが、この変化は60~70度で加熱されたときに起こると言われています。屋台などの石焼き芋がおいしいのは、熱い石から発せられる60~70度の遠赤外線でじっくり加熱して、さつまいもの甘みを引き出しているからなのです。
堀り立てのさつまいもは甘みが少なめ。だから、市販のさつまいもは、追熟期間を経て出荷されるのが一般的です。それとは違って、お芋掘りなどでさつまいもを手に入れたときは、少し日を置いてから食べるのがよいかもしれません。
オーブンを使った焼き芋の作り方
では、いよいよ家庭でおいしい焼き芋を作る方法を5つご紹介します。おいしく作るために大切な「じっくり加熱する」というポイントをおさえた方法ばかりです。
まずは、オーブンを使った焼き芋の作り方から。ねっとり甘い焼き芋を作りたい人におすすめです。
◎作り方
(1)さつまいもをよく洗い、水気をふかずにアルミホイルで包みます。
(2)予熱なしで160~180℃に設定したオーブンに鉄板を入れて(1)を並べ、90分ほど加熱します。
◎コツ
焼き上がったらすぐにホイルをとらず、10分ほどオーブン内に置いておくと甘みがアップ。中まで柔らかくなったか不安なときは、アルミホイルの上から竹串を刺してみましょう。スッと通ればOK!
トースターを使った焼き芋の作り方
お次はオーブントースターを使って、焼き芋を作る方法です。オーブンと同様に甘くてねっとりとした石焼き芋みたいな焼き芋を作るなら、アルミホイルを巻いて。
表面がカリッ、中はホクホクとした焼き芋に仕上げたいならアルミホイルを巻かずにそのまま焼いて作ります。
ここでは、アルミホイルを巻く方法をご紹介しますが、お好みで選んでくださいね。
◎作り方
(1)キッチンペーパーや新聞紙を濡らし、洗ったさつまいもを包み、さらにアルミホイルを巻きます。
(2)オーブントースターに並べ、加熱スタート。
(3)10~20分焼いたら引っくり返し、さらに10~20分ほど焼きます。
◎コツ
オーブントースターで焼くときは、熱源とさつまいもが近く、表面が焦げやすいので、熱の当たる場所を途中で変えるのがポイント。上下に熱源があるトースターなら、ひっくり返さなくてもOKです。焼き時間はさつまいもの大きさによって変わります。
電子レンジを使った焼き芋の作り方
電子レンジでも、手軽に焼き芋が作れますよ。すぐに作れるので、子どもたちのおやつにも役立つレシピです。仕上がりは、品種によってホクホクだったりしっとりだったり。ふかしいもとはまた違って、じっくり加熱した焼き芋ならではの甘みのあるおいしさが味わえますよ♪
◎作り方
(1)さつまいもをよく洗い、濡れたキッチンペーパーや新聞紙で包みます。
(2)耐熱皿に(1)を置いて電子レンジへ入れ、600Wで2分ほど加熱します。
(3)200Wまたは解凍モードに変えて、さらに10分ほど加熱します。
◎コツ
200Wまたは解凍モードの低い温度でじっくり熱を通す方法は、さつまいもの甘みを引き出すのにうってつけ。加熱後はしばらく電子レンジ内にほうっておくと、予熱でさらに甘みが増しますよ。
熱通りの目安は、竹串がすっと通るくらい。加熱時間はさつまいもの大きさによって調整してくださいね。
魚焼きグリルを使った焼き芋の作り方
キッチンのコンロに併設されている魚焼きグリルなら、いかにも香ばしい焼き芋が作れそうですよね! 魚焼きグリルで作った焼き芋の出来栄えは期待通り、こんがり香りよく、甘~い味わいです。では、作り方をチェックしてみましょう。
◎作り方
(1)さつまいもをよく洗い、太いものは縦半分に切ります。
(2)さつまいも表面の水分を残したまま、アルミホイルで包みます。
(3)魚焼きグリルの受け皿へ水を入れ、焼き網に(2)をのせ、弱火で20~50分ほど焼きます。(1)で半分に切っていた場合は、切り口を上にしましょう。
(4)そのまま余熱のなかに置きます。
◎コツ
魚焼きグリルが片面焼きタイプの場合は、焼き時間の半分が経ったころにさつまいもをひっくり返しましょう。竹串を刺してスッと通る固さになれば出来上がりです。
炊飯器を使った焼き芋の作り方
意外にもファンが多いのが、炊飯器を使った焼き芋の作り方。炊飯器で1時間ほどじっくり熱を通すから、出来栄えは甘くてふっくらとした食感。“ほったらかし調理”でとても簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
◎作り方
(1)さつまいもをよく洗い、5合炊きの炊飯器のお釜に入るように包丁で切ります。
(2)5合炊きの炊飯器のお釜に入れ、水を入れます。水の量の目安は、さつまいも400gにつき100cc程度。
(3)普通炊きでスイッチオン! 炊きあがったら完成です。
◎コツ
普通炊きや玄米モード、早炊きといった炊飯器のメニューや、水の量によって仕上がりが変わるのも楽しみのひとつ。玄米モードならねっとり、早炊きならホコホコとした食感になりやすいようです。
まとめ
電子レンジや魚焼きグリル、炊飯器などで焼き芋が作れるのはうれしいですね。ポイントは追熟されたさつまいもを選び、低温でじっくり加熱して甘みをしっかり引き出すこと。
素材選びや作り方にもこだわって、ねっとり、ホクホク、好みの食感に仕上げてくださいね。
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文/北浦芙三子
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