家族のこと、老後のことを考えて、貯めておきたいお金。ここを見ている皆様も普段から貯金や節約に励んでいることと思いますが、今はお金を増やす方法は必ずしもそれらだけではなく、主婦にもできる資産の上手な活用方法があるようです。
今回、「暮らしニスタ編集部」はお金のプロが資産の増やし方を教えてくれるセミナーに潜入してきました。
お金を増やしたいなら、貯金メインはもったいない?
今回、編集部が参加したのは、KDDI、KDDIアセットマネジメントが主催する金融新サービス発表会。同イベントには、ファイナンシャルプランナーで、「子どもを持ったら知っておきたいお金の話」(中経出版)「ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法」(アスコム)などの著書を出している飯村久美さんが登壇し、「これからの時代を生き抜くお金との向き合い方」をテーマにレクチャーをしてくれました。
昨今、国内の資産運用に対する意識はかなり高くなってきており、特に若い人が興味を抱いているのを、飯村さんも日々相談を受ける中で肌で感じているのだとか。結婚や出産、マイホーム購入など、大きなお金が動くことを考えて「資産を運用して増やさなきゃ」と危機感を持つ女性も増えてきているようです。
しかし、日本では、資産運用が一般的に定着しているとはまだまだ言い難いようです。国別に金融資産の状況を見ると、米国では投資や株式の活用が盛んで、貯金をしているのはわずか14%弱、一方日本では貯金をしている人が50%越えで、お金を銀行の口座やタンスの中にただただ貯めて眠らせている…という人が少なくはなく、飯村さんいわく、それは「とても、もったいない」のだそう。
お金を増やすことに興味はあっても、「資産運用」という言葉がそもそもあまり聞き慣れないしよくわからない…と感じてしまうこともあるでしょう。
そんな不安の多い初心者の人でも比較的手軽に始めやすい資産運用の一つとしてこの日、飯村さんがおすすめしてくれたのが2017年の制度改正により、会社員や主婦のみなさんも利用することができるようになった私的年金「iDeco(イデコ)」です。
個人型確定拠出年金「iDeco」とは?
「iDeco」は、毎月、一定の金額(月々5000円から~)を積み立てた資金を投資信託などの金融商品で運用し、60歳以降に年金もしくは一時金で受け取ることができる「個人型確定拠出年金」。
公的年金と違い、積み立てる額や運用方法を加入者自身が決めることができるので、より自身や家族の生活に合った形での資産運用が可能になっています。
そして、iDecoの大きな特徴は、税金の面での優遇。積み立てたお金に対して、以下の3つの節税メリットがあるんです!
●「iDeco」のメリットその1…税金はかからない!
通常、金融商品で資産運用をした場合、税金がかかりますが、「iDeco」の場合は、運用で得た利益は非課税となります。
●「iDeco」メリットその2…受け取るときも税金控除が!
「iDeco」で運用したお金は、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができますが、その際、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となり、いずれにしても節税が可能です。
●「iDeco」のメリットその3…税金を減らすことができる!
「iDeco」に加入して積み立てたお金は、全額所得控除の対象となるので、仕事やパート勤務などで一定以上収入があり、税金を納めないといけない方は、所得税・住民税を収める際に控除を受けることができます。
資産運用は確実にうまくいくかどうかわからない…というリスクがつきもの。それだけに、あわせて節税が確実にできるというのはかなり助かるメリットで、これがある分、iDecoは始めるときのハードルが比較的低いといえそうですね。
資産運用するために!家計のやりくりのポイント
月々5000円から始められる「iDeco」ですが、家計のやりくりは難しいもの。いつなんどき、急な出費があるかもわからず、そのような中で毎月一定額を積み立てていくのは、厳しいときもあるかもしれません。
「iDeco」のような資産運用に回すことも含めた家計のやりくりをしていくためにはどうしたらいい? そんな疑問を飯村さんにお聞きしてみたところ、以下のようなことに気をつけてみては…というアドバイスをいただきました。
●固定費を見直してみる
食費や月々のお小遣いといった現金で払う出費はなかなかカットしにくいもの。そこで、住居費、生命保険料、通信費、習い事の費用など、毎月必ず引かれる「固定費」を見直してみましょう。きちんとよく見てみることで、必要ないものやサービスやプランを変えたほうがいいものが見つかり、結果「iDeco」に回す5000円分の節約ができる場合もあるはず。
●日ごろから税金に詳しくなってみる
税金まわりには、さまざまな控除があり、正しく知って活用すると節税ができ家計の助けになる場合があります。
たとえば、2017年から「セルフメディケーション税制」という医療控除の特例が始まりました(詳細はこちら)。これは普段、健康診断、がん検診などをきちんと受けている人ならば、薬局で対象となる医薬品を購入した金額が年間1万2千円を超えた場合、超過分の所得控除が受けられるというもの。こうした特例は、知らないことには活用できませんよね。なので、日ごろから税金関係のニュースに敏感になっておくとよいでしょう。
そもそもどのような控除があるかわからない…という人は、入門としてはまず確定申告のときに使う「確定申告書」を見てみるのがおすすめ。申告書に所得から引かれる控除の欄があり、そこを見れば控除を確認することができます。確定申告書は税務署に行けばおいてありますし、国税庁のHPでもダウンロードもできますよ。
スマホで手軽に「iDeco」のシミュレーションもできるサービスも
2018年10月24日より、KDDI、KDDIアセットマネジメントがスタートさせた個人向け確定拠出年金サービス「auのiDeco」は、スマートフォンで年金を活用できるのが特徴。
専用アプリを使って積立額や年収に応じた節税額のシミュレーションや、運用スタイルの選択や見直しなどができ、より手軽な形での資産運用を実現しています。
子供の将来や自身の老後のことなどを考えて、少しでも増やしておきたい資産。銀行に預けたり節約に励んだりするのもよいですが、より効率的に増やしていくためには思い切って資産運用に踏み出してみる…というのもありかもしれません。
「iDeco」のように、比較的手軽に始められるものもあるので、気になった人はぜひチェックして、賢くお金を増やす方法を考えてみてはいかがですか?
豆知識:本格的に資産運用をはじめるときのポイントは?
資産運用には損をしてしまうリスクがつきもの。それをできるだけ防ぐためには、始めるときは、以下の3つのポイントを踏まえておくとよいでしょう。
●長期
運用の期間は短期ではなく長期にしておくことで、リスクを軽減することができます。
●分散
投資する先を一つだけにせず、株だけではなく債券…といったように分散しておくことも大切。
●積み立て
お給料の中からコツコツ継続していくことが大事です。
金融庁作成のデータによれば、1995年から2015年までの20年間で「A 定期預金」「B 国内と株・債券に半分ずつ投資」「C 国内・先進国・新興国の株・債券に6分の1ずつ投資」の3つの方法で資産運用を行ったところ、国内や海外に分散して投資を行ったCの方法が最もよい結果を出しています。
リスクを分散させながら、長期でコツコツ継続して積み立てていく…というのが、リスクを軽減して資産運用をする賢い心得だといえそうですね。
フリーライター。エンタメやオタク系コンテンツを中心に仕事をしていますが、文房具や100均・300均アイテムも大好きです。
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