家族みんなが使う文具や応急グッズ、学校のプリント、出かけるとき身につける時計やアクセサリー……。家の中には何かとこまごましたものが多いですよね。ふだん何となく目にしているのに、いざというときに限って「どこに置いたっけ? 」「ここにあるはずなのに……」と家じゅうバタバタ!になりがちです。
整理収納アドバイザーの丸マイさんのお宅では、このバタバタがほとんどないのだそう。その秘密を聞いてみると、答えはズバリ、「グループ収納」でした。
「引き出しやトレー、チャック付きビニール袋などをフル活用して、小物をグループ分けしています。分けたものたちを収納する場所選びも大切なんですよ」と丸さん。
すぐにでもマネしたい「グループ収納」。その極意を教えていただきました!
収納術01:
“ 家族の動線" を意識して、ダイニングに「コックピット収納」
丸さんがこまごましたものを収納しているのは、ダイニングのクローゼット。
掃除機などをしまうような縦長の物入れですが、丸さんはここに事務用の引き出しをセット。家族で使う日用品を用途別に分け、それぞれ引き出しにまとめています。
引き出しごとに「薬」「文具」「工具」などとグルーピングしてあるので、ほしいものが入っている引き出しを開けるだけ。元に戻すときも迷うことがありません。コンパクトな中に日常使いのものが集約された、まさに“ コックピット" のような収納スペースです。
この場所を選んだのにも理由がありました。
「家族がものを使うとき、『出す→持って行く→使う→戻す』という“ 動線" がありますよね。それを考えて居場所を決めると、出すのも戻すのもラクなんです。わが家では、それがこのクローゼット。食卓のそばなので、家族全員がチェックしやすいんですよ」
“一時置きスペース”をつくっておくのも散らからないコツ
棚の上にはトレーが。「ここはみんなの一時置きスペース。使いかけの文具などを置いておきます。子どもが宿題中にごはんの時間になったときも、とりあえずここに避難。ものが溜まってきたら定位置に戻します」
扉の裏側もフル活用。学校のプリントなどをバインダーでまとめ、フックにかけて整理しています。デッドスペースをムダなく使えて、プリントが重ならないのも◎。
収納術02
からまりやすいアクセサリーは小袋で整理
クローゼットの中には、パパ、ママ、長男、長女の各自の引き出しもあり、本人が管理しています。これはママの引き出し。ネックレス、ピアス、指輪などが1 つずつチャック付きの小袋に入って、美しく並んでいます。まるでお店のストックヤードみたい!
「アクセサリーはからまりやすいし、小さいから探しにくいんですよね。これなら外出前にサッと選べて、元に戻すのもラク♪ 娘もマネして、自分のイヤリングを入れたりしています(笑)」
厚紙を入れると扱いやすさもグンとUP♪
袋の中に厚紙を入れてあるのもポイント。袋を立てて収納でき、中身も見やすくなります。100 均などの白い厚紙を小さく切って入れるだけ。このちょっとしたひと手間で、ぐっと収納しやすくなるんですね。「紙に切り込みを入れておくと、ネックレスを引っかけることもできますよ」
収納術03
使うシーンごとに分けるグループ収納も
もののグルーピングには、「使うシーンが同じものをまとめる」という方法も。
例えば、イベントのときに活躍するビデオカメラは、デジカメや充電器、SDカードなどと一緒にグルーピング。トレーにまとめた状態でしまっておけば、どれかが迷子になる心配がありません。
「旅行や運動会の直前になって、カメラがない!充電器がない!となりがちですよね。最初からワンセットになっていれば、使うときにトレーごと出すだけ。充電するときもそのまま形を崩さずにコンセントに差せます」。
丸さん宅では無印良品のトレーを使っていますが、トレーは100 均のものでOK。お金をかけずに実践できるのも魅力です。
丸さん流・グループ収納の“ 仕組みづくり" に感心!
「グループ収納」は難しそうなイメージがありますが、丸さん宅では家族みんなが無理なく、自然に実践できている印象でした。そのポイントは「ここだけ探せばOK!」という場所をつくることなのだそう。
「うまくグループに分けられても、家のあちこちに分散させてしまうと、やっぱり探すのが大変。1カ所に集約して、そこだけ探せば見つかるというルールにしておけば、誰にでも使いやすいと思います。わが家では、それがダイニングのコックピット収納。ここをつくってから、家族の『あれどこ?』が劇的に減りました(笑)」
「ものの定位置をみんなが知っていれば、自然と収納・整理に協力してくれるから、自分自身もラクなんですよ」と丸さん。やはり、スッキリ生活はママ1人だけでなく、家族の協力があってこそなんですね。まずはこの仕組みづくりからマネしてみたい!
整理収納アドバイザー 丸 マイさん
ハウスキーピング協会認定・整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師、防災士。
ご夫婦と長男(15 歳)・長女 (10歳)の4人家族。結婚を機に九州から関東へ。「当時は慣れない生活のストレスから買い物をしまくり、家じゅうものだらけ。整理収納を学ぼうと思ったきっかけも、出しっぱなしの生活用品で子どもがケガをしたことでした」。整理収納を学んでからは、生き方そのものが変わったそう。その自身の経験を生かして、現在は個人宅での整理収納サービスをはじめ、講座やセミナーなどを主催している。
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取材・文:後藤由里子
撮影:鈴木江実子
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