収納の基本といえば、「家族全員が探しやすくて元に戻しやすい」「使う目的別に分類されている」など、よく耳にするフレーズがありますよね。でも、分かっていても実践するのは難しいもの。そもそも「家族全員が探しやすい場所ってどこ?」「どう分類すれば使いやすいの?」と、最初からつまづいてしまう人も多いのでは?
「そんな人には “トライ&エラー”がおすすめ!」とヒントをくれたのは、ライフオーガナイザーのMiyuki.Hさん。
トライ&エラーとは「まずは試してみて、失敗したらほかの方法を試す、を繰り返して、ベストの方法を見つけていく」という考え方。ご本人もこれを実践することで、ものの定位置がだんだんと決まっていき、家の中がスッキリ片づくようになったのだそうです。
“廃材”利用で試してから収納グッズを購入へ
「ただ、これって失敗するのが前提(笑)。だから、一度試してみるのに廃材を利用することにしたんです。ティッシュの空き箱などを作り替えて、とりあえず使ってみて、うまくいったら収納グッズを新調する、という流れ。お安く・お手軽に試せるので、トライ& エラーには最適なんですよ♪」
この収納テク、とっても理にかなっているうえ、何といっても「お安く・お手軽に」が魅力的!さらに、自由な発想で廃材をよみがえらせているMiyuki.Hさんを見ていると、子どもの頃に親しんだ紙工作みたいで、なんだか楽しそう♪ 自分でもやってみたくなること請け合い!の収納術です。
収納術01:
ボックスティッシュの空き箱にひと工夫でぴったりサイズに
引き出しの中の収納グッズ、みなさんはどう選んでますか?市販のトレイやボックスを買ってはみたものの、サイズが合わなかったり、深さが中途半端だったりして、結局使いにくかった……でも、新品同様だから処分もできない……という経験をお持ちのかたも多いのでは?
「どこにどんな収納グッズがぴったり合うか、お店で見極めるのって難しいですよね。そこで、私はボックスティッシュの空き箱を使ったトライ& エラーを実践しています。ティッシュの箱はしっかりしているわりに簡単に加工できるので、リメイクにはもってこいなんですよ」
引き出しや入れたいものに合わせて手を加えたら、その場所でしばらく試運転。ものがきれいにおさまって、家族全員が使いやすいと分かったら、そこで初めて市販の収納グッズに買い替えるのだそう。トライ& エラーに使った空き箱は、もともと廃材なので、気楽に処分できます。
この空き箱収納は、文房具などのほか、家族の下着の収納でも大成功!「幅と長さはあまり変えませんが、意外とぴったりおさまることが多いですよ」。ちなみに愛用しているボックスティッシュは「カインズホーム」のオリジナル。「色・柄がシックなので、このまま買い替えずに使い続けてもいいくらいです( 笑)」
Miyuki.Hさん流!ティッシュの空き箱リメイク術
道具:ホチキスとハサミを用意します。
1. 上面の穴から四隅に向かって切り込みを入れる。
2. 短い辺はビニール部分を切り落とし、長い辺はビニールをはがす。
3. 必要な深さになるように、四隅に縦に切り込みを入れる。
4. 定規でガイドしながら仮の折り目をつける。
5. 内側に折り込む。
6. なるべく下のほうをホチキスで留める。
7. あっという間に完成♪ 右は箱の高さを変えずに作ったパターンです。
収納術02:
定番の紙袋収納はビニールテープで使いやすさUP!
食品の仕分け、引き出しや棚の収納・整理などに、ショップでもらう紙袋を使った収納は、収納上手の間ではすでに当たり前になりつつあります。Miyuki.Hさんも、もちろん活用しています。ただし、ここにもオリジナルのリメイクの技が光っていました。
「高い棚から紙袋を下ろすとき、ちょっと引き出せれば踏み台を持ってこなくても済むのに、手でつかむところがないんですよね。袋のフチをつかむとすぐボロボロになるし、どうすれば下ろしやすくなるかな……と考えてひらめいたのが、袋の底にビニールテープで“ 耳" をつける方法だったんです」
この“耳" とは、紙袋の底にビニールテープを貼り、端をちょっとはみ出させて折り返したもの。これがあるだけで紙袋を引き出しやすくなり、高い場所から下ろすのがぐんとラクになったそう。
「ビニールテープが紙を補強してくれるので、袋が長持ちするのもうれしい♡ 巷ではマステが大人気ですが、ビニテにもメリットがいっぱい!幅や色のバリエも豊富なので、わが家にはたくさん揃えてあるんですよ」
ティッシュの箱と同じく、紙袋も元々は捨ててしまう廃材。でも、こんな小さなアイデアとひと手間で、使いやすく進化させることができるんですね。Miyuki.Hさんの発想力に拍手!です。
独身時代のお仕事も影響!? Miyuki.H さんの収納力にはこんな秘密が
自由でパワフル、前向きに収納やお片づけを楽しんでいるMiyuki.Hさん。お話をうかがっているうちに、ご結婚前に雑貨を扱うお仕事をされていたことがわかりました。
「何度か転職をしているんですが、輸入雑貨の会社では直営店の店長を務め、販売のほか、スタッフ育成や仕入れなどの幅広い業務を行っておりました。ビジネスとして、質を落とさずに効率を上げる方法をいつも考えていました。トライ&エラーの習慣が身についたのもその頃。店内のどこに、どの商品を置けば売れるかを、試しては変える、の繰り返しで探っていったんです」
この経験が、主婦として、ライフオーガナイザーとしての現在の活躍につながっているよう。
とはいえ、ご本人いわく「もともと面倒くさがりなので、基本は“ ラクしたい! "です(笑)。でも生活の質は落としたくない。だから、ライフオーガナイズの「自分にあった仕組みなら、もっとラクに、もっと心地いい暮らしになる」という考え方にとても納得なんです。家族も暮らし方もどんどん変化するし、トライ&エラーには終わりがないので(笑)、これからもその繰り返しだと思います」
家族全員を巻き込んで、収納やお片づけをアクティブに楽しんでいるMiyuki.Hさん。これからも楽しくて実践的なアイデアを伝授してくださいね!
ライフオーガナイザー® Miyuki.Hさん
6歳年下のご主人と、小3の長男との3人暮らし。家事も収納も子育ても、テーマは「個性尊重、自由バンザイ! 」。「○○すべき!○○しなきゃ!では楽しくないし、楽しくなければ続かないですよね。だから、相談会や講座では、自分の価値観を軸にする“ワガママ片づけ”をご紹介しています」。個人の片づけ相談やサポートのほか、ワークショップやセミナーも主催。ひとりひとりの個性に合った整理収納のスタイルを一緒に考えているそう。
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取材・文:後藤由里子
撮影:黒澤俊宏(主婦の友社)
\おうちをプロの技で綺麗に/
自力ではなかなか満足に掃除できない部分、プロのお掃除ですっきりしませんか?
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