2016年度から連続で暮らしニスタ大賞の準グランプリを受賞し、今や「暮らしニスタ」サイトでもっとも有名なユーザーのひとりである青山金魚さん。各方面から注目を集める金魚さん初のレシピ本が発売されました!
数々の料理コンテストで“入賞8割超え”の成績を誇る青山さんのレシピをひも解く『即決! 選ばレシピ』。優秀ユーザーさんの多い暮らしニスタサイトのなかで、なぜ今回、彼女の本が出版されたのか――書籍担当編集者に、“金魚レシピ”が「選ばれる」ワケを聞いてみました。
Who is Kingyo Aoyama⁉
ナチュラルフードコーディネーター、オリーブオイルテイスター、ベジタブル&フルーツアドバイザーであり、元N.B.A.認定バーテンダー。数々の資格をもち、ユニークな視点でレシピを制作する料理ブロガーかつ人気「暮らしニスタ」。中1男児&夫と暮らす“働く主婦”という立場で生み出す、ビジュアルとお手軽さを両立したレシピが支持されている。
今や当サイトでもすっかり有名ユーザーの金魚さんですが、“暮らしニスタ歴”は意外と浅く、投稿を始めたのは2016年夏のことです。スタッフである筆者でさえ、「たった1年半程度……!?」と思わず驚いてしまうのは、ひとえに彼女独自の、頭に強烈に残る世界観ゆえ。
「選ばレシピ」たる4つの理由
レシピの複雑な展開や長い説明文などなくても! わかりやすく魅力あふれる投稿で、数々の料理コンテストの常連入賞者となった金魚さん。人の心をつかむレシピのヒミツについて“金魚本”担当編集者に聞いてみると、「なんと言っても手軽なのにオリジナリティがあること」。また、審査員や読者に選ばれる具体的なポイントとして、以下の4点が浮かび上がってきました。
①入手しやすい素材・少ない工程で構成していること
「世の中にはさまざまなコンテストがありますが、審査員の目線に立ってみると、手に入りづらい素材がないと作れなかったり、あるいは材料がやたら多かったり、ムダにプロセスが多いと感じるレシピは、『それを使えば(そんなに手をかければ)、そりゃあ作れるでしょう』と感じてしまうようです。
材料や調味料の数が少ないと、やはり味が想像しやすく、レシピが頭に入りやすい。レシピとして強い! と思います。つまり“身近な食材を使う”ことは、“選ばれるレシピ”をめざすうえで基本だと思いますが、金魚さんのレシピは基本、お隣感あふれる材料で作られたものばかり。めずらしい食材が使われる場合でも、“それを使う理由”が明確です」
②斬新アイデアで唯一無二のレシピに仕上げていること
「身近な素材で→よくあるレシピ、ではやはり応募しても勝ち目は少ないはず。シンプルな材料で、作り方もあまりこねくり回してはいないけれど、材料の組み合わせ/切り方/加熱の仕方/盛りつけなど、どこかでしっかり個性を放つ工夫が仕込まれた金魚さんのレシピは、やはり『なにか新鮮』。審査員たちの目に止まりやすいのではないでしょうか」
③「どこかで見た」と思わせない独自のスタイリング&撮影を一貫していること
「素敵な写真は、やはりコンテストでは有利。スタイリングや写真が上手な人もとても増えてきましたが、パッと見、『なんか見たことある感じ』な写真では、埋没しがち。金魚さんの写真には、ときには『ゴテッとしてる?』とさえ思わせるほどに盛ったスタイリングや重めの写真もあり、インパクト大。“一瞬で心をつかむ”には、オリジナリティは大きな武器だと思います」
④文章やレシピが短くて読みやすい。ちょっぴりくだけた親しみやすい原稿も楽しいこと
「レシピコンテストに応募する際には“レシピの簡潔さ”も重要。応募が殺到するコンテストでたくさんの作品のなかから“よいレシピ”として残るには、レシピプロセスの理解しやすさや、文章の起承転結も意識したほうがよいようです。金魚さんのレシピは、プロセス写真だけでも作り方が想像できるほど。文字要素が少なめという印象がありますが、これが読みやすい。また、レシピ以外に楽しいエピソードが添えられていると、つい口元がほころんでしまいますよね」
――暮らしニスタ編集スタッフとして筆者がつねづね“金魚レシピ”に対して感じていることも、まさに同じこと。加えて、ときにおもてなし時に出したらウケそうなちょっとぶっ飛び系のアイデアや、アニメや映画のオマージュ的作品などの、楽しい世界観で展開された投稿も多く、「アイデアマンだなあ~」と思わされています。
また、料理好きの人ほど市販の調味料を排除したりしますが、市販調味料をあえて“目ウロコ”的使い方で投入するなど、レシピを実験感覚で構成している様子も楽しく、まだ見ぬ“金魚キッチン”の様子を想像し、思わず楽しくなっている自分に気づくんです。
時短でおいしい! 67品がギュッと凝縮
『即決! 選ばレシピ』は、彼女らしさ満載のレシピを「食べたい」シーンや気分で選べる構成。
●ラク早♡ 満足メインおかず
●ハートをギュッとわしづかみ。一目ぼれサブおかず
●キリがいいいから手軽!
めちゃうまごはん&パン&めん
●お酒がすすむ&会話が弾む♡ 家バルつまみ ほか……
個人的には、金魚さん自慢の「バルスタイルの万能ソース」6品も重宝しそう。野菜にかけたり、パンに塗ったり、パスタに和えたり、とそのまま使えるし、材料をちょい足しすれば別のレシピに……とあれこれ使えて、ホント便利そう。
また、暮らしニスタの皆さんには、「選ばれしレシピ=選ばレシピ」のヒミツもぜひ、熟読していただきたい!
◯愛用のキッチングッズや道具のこと。
◯スタイリングと写真のこと。
◯撮影のこと。
◯そして、こんなにもオリジナリティあふれるレシピを量産する“レシピ脳”になるまでのお話。
――どれも、日頃“審査員”として金魚さんのレシピに接する場面の多い身としても、興味深く読みました。だれが作ってもおいしくできる! 心をわしづかみにする“金魚レシピ”、ぜひ書籍でもチェックしてください。
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