食後に家族がまったりしているとき、自分だけ洗い物をするのはなんか悔しい!
そんな思いを解消してくれるのが食器洗い乾燥機、略して食洗機です。
一度使えば「ない生活なんて考えられない」と多くの主婦が口をそろえる神家電。手に入れない理由はありません。
そこで何をどう選べばいいのか、今どきの人気機種は何なのか、ビックカメラ新宿西口店のカリスマ販売員、四家(しか)知彦さんにじっくりお話をうかがってきました。
▼目次
そもそも食洗機とは?今どきの食洗機事情って?
その名の通り、食器を洗ってくれる機械が食器洗い乾燥機。専用の洗剤を投入し、スイッチを入れれば、洗い→すすぎ→乾燥までが自動で行われるのはご存知の通り。一方で、洗った食器を乾燥させるだけの食器乾燥機というものもあります。すべてを機械にお任せしたい人は食器洗い乾燥機、洗い物はそれほど苦じゃないけれど、カラッと乾かして清潔を保ちたいという人には食器乾燥機がおすすめです。
家庭用食洗機の形状は大きくふたつ。システムキッチンの一部として組み込む「ビルトイン型」と、キッチンカウンターなどの上に乗せる「卓上型」です。
「家庭用食洗機は卓上型のヒットから広まりましたが、年々ビルトイン型を導入されるご家庭が多くなっています。現在は新規購入だけでなく、2代目、3代目の買い替え需要も増えていますね。
ビルトイン型は、国内家庭用ではパナソニック、リンナイの製品が普及しています。いっぽう卓上型は、以前はさまざまなメーカーから発売されていましたが、現在はパナソニック一社のみの扱いとなります」(四家さん)
食洗機って必要?そのメリットとは?
食洗機を導入すると、食器洗いの手間と時間が大幅に省けます。洗いものを食洗機にまかせて家族とゆっくりしたり、浮いた時間を他の家事にあてることができるのが最大のメリット。
しかも手洗いでは扱えない高い水温、強力な水圧と洗剤を使うので、汚れを早く、きれいに落とせます。使う水の量は手洗いと比べ1/7(パナソニックNP-TR9の場合)とエコの観点からも優秀なんです。
「“食器を手洗いしない”ことに抵抗があるお客様もいらっしゃいますが、いざ導入してみると『精神的な余裕が増えた』『手荒れもしなくなった』『なぜもっと早く買わなかったんだろう』とおっしゃる方も多いようです。迷っている方、食洗機は本当におすすめですよ」
プロ伝授!食洗機の上手な選び方って?
「ビルトイン型」「卓上型(据え置き型)」どっちを選んだらいい?
「ご予算や設置場所にもよりますが、ご自宅の新築、リフォームの際に食洗機を考える場合はビルトイン型が第一選択になるでしょう。施工業者と相談し、お使いのシステムキッチンに収まるタイプを導入することになります。
一方の卓上型は、賃貸で工事ができない方、食洗機にコストをあまりかけたくない方におすすめです。自分で取り付けるなら、かかる費用は本体費用+水栓金具の数千円~1万円前後。ビルトイン型の半分以下で導入できるケースも多々。
洗浄能力や使い勝手については製品によりさまざまで、どちらがいいとは一概に言えませんが、卓上型の容量は家族6人用・食器45点が最大。これ以上のサイズを希望する場合はビルトイン型を選ぶことになります。後付けだとビルトイン型は難しい、とお考えになるかもしれませんが、案外可能なケースは多いです。いずれにしても専門業者が下見のうえ、設置可能なメーカー、機種から選んでいく流れになると思います。
「ビルトイン型」「卓上型(据え置き型)」のメリット、デメリットは?
ビルトイン型は、シンク下やキャビネットに組み込めるので、キッチンの見た目がすっきりするのが大きなメリットです。キッチンの作業スペースを狭めることもありません。騒音についても、卓上型に比べ静かという感想のお客様は多いですね。
デメリットとしては、やはり設置工事の手間やコストがかかること。故障時の修理や買い替えも比較的かさむ傾向です。また、キッチン下の収納スペースがまるまるひとつぶんなくなるのも大きいでしょう。
卓上型(据え置き型)は賃貸の方でも気軽に導入でき、かかるコストも手間も比較的かからないのがいいところ。排水とアースが確保できる置き場を用意して、分岐水栓を準備すれば買ったその日に使えます。故障時や引っ越し時の移動、買い替えも容易です。
デメリットとしては、キッチンが狭くなってしまうこと、本体や排水ホースがむき出しになること、があげられます」
※卓上型食洗機の分岐水栓金具取り付け例。ビックカメラでは取り付け設置工事も扱っています。
タイプ別・食洗機の選び方「ビルトイン型」 ドアの開き方で選ぶのがポイント!
「ビルトイン型」は、ドアの開き方がポイント。種類はふたつで、ひとつめは扉ごとボックスを引き出すスライドオープンタイプ。
「国内メーカーの主流です。ワークトップに近い高さから食器の出し入れができるので、かがまなくてすみ、セット時に床を汚しにくいのがいいところです。選択できる商品が多いのも嬉しいですね」
ふたつめは、ドアを手前に倒して中のカゴを引き出すフロントオープンタイプ。
「食器を収めるカゴが上下2段にわかれ、たくさん入ります。そのぶん下段に出し入れする際は、腰をかがめることになるので負担に感じる方も。国内メーカーでは種類があまりありません。
どのタイプを選ぶかは、ご自宅の食器の種類や点数はもちろん、使用感、ご自宅のキッチン形状、そして水回り商品だけにアフターケアのしやすさも考慮にいれることが大切でしょう」
スライドオープンタイプ「NP-45MC6T」(パナソニック)
約6人分の食器をしっかり収納するスライドオープンタイプのビルトイン型食洗機。キッチンの奥行き60cmまで対応が可能な買替え対応機種です。ゆっくりとヘラのように汚れをそぎ取る高圧水流と、回転しながら連続噴射する高密度水流のW水流による「プラネットアーム洗浄」でガンコな汚れを退治してくれます。上カゴがスライドする「ムービングラック」の採用で、これまでスライドオープン型が苦手としていた下カゴへのアクセスが良くなり、順序を気にせず食器をセットできます。エコナビを搭載し省エネ性能も◎。
・容量目安:食器点数44点
・外形寸法:幅448×奥行608×高さ751~851mm
・製品質量:23kg
フロントオープンタイプ「RSW-F402C」(リンナイ)
洗浄力については、上下2つの洗浄ノズルが回転することで、複雑な食器の奥底までピカピカに。使う水の量は標準コースで12L、節水コースなら8.2Lに抑えます。重曹を使えるのもリンナイの機種ならでは。ほかに、プラズマクラスターの搭載により、外気から取り込まれる空気を浄化し、浮遊カビや付着したニオイを抑制します。操作パネルは扉の上部にあって見やすく、開閉時もワンタッチでOKです。
・容量目安:食器点数38点
・外形寸法:幅448×奥行564×高さ755~855mm
・製品質量:30kg
タイプ別・食洗機の選び方「卓上型(据え置き型)」 ポイントは設置スペース!
「卓上型」を発売しているメーカーはパナソニックのみ。ドアの開き方が「上下型」と「前開き型」のふたつあって、同じくらいの接地面積でも必要なスペースが変わってきます。
「例えば『NP-TR9』と『NP-TM9』は同じファミリー向けレギュラータイプですが、『NP-TR9』は上下開きドアのため、開閉時にはドア前と上部の2カ所にスペースが必要です。使用時に蛇口にあたったり吊戸棚にひっかかる、ということがないよう確認しましょう」
前開きドアの「NP-TM9」については、開閉時に必要なのは手前部分のスペースのみ。ドアをあけても高さが変わらず、実機の上に物を置くことも可能です。
容量には、上下開きドアの「NP-TR9食器容量45点、前開きドアの「NP-TM9」が40点と上下開きドアに軍配が。
卓上型食洗機 上下開きタイプ「NP-TR9」(パナソニック)
卓上型でいちばん大容量の「NP-TR9」は食器だけなら約6人分、45点も入るファミリーサイズです。たくさん入るだけでなく、食器の形状にあわせて棒ピンを折りたたみできる「アレンジエリア」には、深型のどんぶりなどの大物をラクに入れることができます。
時間がたった汚れや調理器具のガンコな油汚れも「パワフルコース」ですっきり。約50度の洗剤液を噴射してしつこい汚れをはがし、除菌する「バイオパワー除菌」も、お子さんがいるご家庭には安心でしょう。
汚れの程度や種類、食器量室温を検知して自動で節水・節電してくれるパナソニックならではの「エコナビ」も搭載しています。
これだけ洗えたら結構音がしそう、と思われるかもしれませんが、静音設計により騒音レベルは34.5db(50HZ)・36.5db(60HZ)と図書館なみ。以前のうるさいイメージを想像すると、拍子抜けするくらい静かです。カラーは3色、店頭ではベージュが一番人気です。
・容量目安:食器点数46点
・外形寸法:幅550×奥行347×高さ564mm
・庫内容量:43L
・製品質量:19kg
卓上型食洗機 前開きタイプ「NP-TM9」(パナソニック)
前開きドアタイプのファミリーサイズがこちら「NP-TM9」。洗える食器点数は40点と、上下開きの「NP-TR9」より若干少なくなりますが、開閉時の高さがおさえられており、60cmの高さがあれば設置が可能です。
吊り戸棚や出窓のさんがあってギリギリ、というスペースでも諦めなくていいのは嬉しいですね。洗浄力も「パワフルコース」を搭載した実力派。カラーはホワイトのみとなります。
・容量目安:食器点数40点
・外形寸法:幅550×奥行344×高さ592mm
・庫内容量:49L
・製品質量:19kg
卓上型 前開きタイプ コンパクト「NP-TCR4」(パナソニック)
単身赴任中のお父さんや、子どもが巣立ったあとのシニア世代の方にも使っていただきやすいのがプチ食洗シリーズ「NP-TCR4」。水切りカゴのかわりに置ける47cm×30cmのコンパクトさで、約3人分の食器18点入ります。
カゴに左右に長いピンを設けたことで、どんぶりや水筒も安定してセットが可能。エコナビ、バイオパワー除菌機能などもしっかり搭載しています。
・容量目安:3人分 / 18点
・外形寸法:幅470×奥行300×高さ460mm
・庫内容量:24L
・製品質量12kg
プロがおすすめする食器乾燥機はどれ?
食器は手洗いしたい、というあなたには、食器乾燥機の導入はいかが? 水切りカゴのスペースに置けて、洗った食器をフキンで拭くより素早く、清潔に乾かしてくれます。今どきの食器乾燥機は見た目にも美しく、便利な機能満載。四家さんおすすめBEST3をご紹介します。
VD-B5S(東芝)
たっぷり6人分の食器プラスまな板も入るのに、とってもコンパクトな「VD-B5S」。食器乾燥機のラインナップの中では低価格で手に入るのも魅力です。水筒や哺乳瓶を立てられる専用スタンドがついており、底に直接温風を当てながらハイパワーで乾燥させます。内部トレイはステンレス製で取り外しが可能。丸洗いできるので長く清潔に使えます。
・容量目安:6人分
・本体寸法/幅:幅489×奥行409×高さ359mm
・本体質量:約4.8kg
TK-ST11(三菱)
シンクは抗菌加工ステンレス。はし立て・食器カゴもステンレスと、ステンレス部材をふんだんに使っているのが特徴。底面にまな板専用の乾燥室があり、消臭用にイオン化吸着されたアタッチメントもついています。付属の排水ホースが長いので、シンクが本体の左右どちらにあっても排水が可能です。
・容量目安:6人分
・本体寸法/幅:444×奥行375×高さ369mm
・本体質量:約4.4kg
EY-SB60(象印マホービン)
「EY-SB60」は食器かごをセットしたまま、底部のステンレストレーを引き出せる構造。水アカ、ヌメリ、黒ズミがつきにくく、お手入れラクラク。かご、はし立て、水受けはもちろんふたまで分解洗浄が可能。「ソフト乾燥コース」では、高温に弱い樹脂の食器も乾燥できます。
・容量目安:6人分
・本体寸法/ 幅:520×奥行415×高さ45mm
・本体質量:約6.0kg
もっと家事がはかどる! 食洗機の豆知識
食洗機本体のあれこれをビックカメラ新宿西口店・四家さんに詳し~くうかがったところで、効果的な使い方や、おきがちな疑問についての情報をピックアップ。ぜひご参考に!
食洗機って、ちゃんと汚れが落ちるの? 効果的に使うコツは?
せっかく食洗機を導入したのに、「洗い上がりが思っていたのと違う」「汚れが落ちていない」というケースに遭遇することがあります。こういった場合、多くが「使い方」を見直すことで改善するようです。
生活情報サイト「Lidea」(リディア)によると、
・食べ残しなどはサッと水に流して食べ残しや汚れを取り除く
・こげつきやこびりつきなどの落としにくい汚れは「つけおき」などの前処理をする
・グラスやカップは洗剤液が内側にもあたるよう斜め下向きに置く
・使用後は、残さいフィルターを外して掃除する
などのコツがあがっていました。ちょっとしたことですが、効果は抜群! 忘れず習慣づけることをおすすめします。
★ライオンが提供する生活情報サイトLidea(リディア)の“「食器洗い機(食洗機)」でキレイに仕上げる「上手な使い方」”では、洗い上がりに差がつく食洗機の使い方や、洗剤情報を紹介しています。 https://lidea.today/articles/68
食洗機の設置場所と設置方法はどうしたらいい?
【設置場所】
ビルトイン型の定位置はシンク下。卓上型はキッチンのシンク横、調理スペース、出窓などが候補になります。そこにも置くスペースがない場合は、ラックを用意して乗せるケースも。いずれにしても排水がしやすい、アースがとれる、周囲を汚さず食器が入れられる、などの点に注意が必要です。開閉時にせり出すドアが蛇口や棚にあたらないよう、上下のスペースも確認しましょう。製品仕様書には、ドア開放時に必要なスペースが明記されています。
【設置方法】
キッチンの蛇口(水栓)に分岐水栓金具をとりつけ、食洗機に付属するホースで食洗機とつなぎます。分岐水栓金具は食洗機とは別売品になり、自宅の蛇口形状にあうものを取り寄せることになります。自宅の住宅仕様書か、蛇口に刻印されている水栓品番を確認し、電気店などに相談しましょう。
食洗機で洗えないものってある?
高温のお湯で洗ってすすぐ食洗機。パナソニックの公式サイトによると、高温に弱い高級漆器や金、銀食器のほか、カットグラス、クリスタルグラスなどの高級ガラス食器、アルミ製・銅製の調理器具などがNGとなっています。また、水圧でかごから飛び出してしまう恐れがある軽い食器(さかずきなど)、フッ素加工を施したもので、表面に傷やはがれがあるものなども洗えません。
水の無駄遣いにはならない?
機械が洗ってくれるとなると、どんどん水を使ってしまうのでは?と不安に思う方も多いようですが、実は手洗いに比べて食洗機を使ったほうが使用する水の量は大幅に少ないのです。手洗いの場合、洗剤を泡立てて洗うため、大量のすずぎ水が必要。しかも流し水ですすぐことで、さらに水を無駄遣いすることになってしまうのに対し、食洗機は少ない水をためて、噴水のように循環させてすすぐので、水量は格段に少なくて済むのです。
パナソニックの公式サイトによれば、1回分の使用量は手洗い→約84リットル、食洗機→約11リットルと7倍以上の差があるようです。
★パナソニックの食洗機紹介サイトでは トラブルのない食洗機の使い方ほか、分岐水栓ガイドや工事や置き方の解説、スマホでできる設置シュミレーション、気になるランニングコストなども詳しく紹介。食洗機初心者も納得の情報がもりだくさんです。 http://panasonic.jp/dish/
おすすめ食洗機・食器乾燥機の選び方まとめ
ラクちんなだけでなく洗い残しがない、節水効果も高い食器洗い乾燥機は、もはや一家に一台の必需品。食器乾燥機だけでも、家事の大きな手助けになりますね。食洗機は「設置」が大きなハードルになりますが、施工が必要なビルトイン型も、条件さえそろえば2時間ほどで作業終了のケースも多いのだとか。
卓上型については、シンクの上に渡す棚や窓前設置用の脚などが用意されているので、ギリギリ置けない、という場合も諦めず検討してみてはいかがでしょう。いずれも頼りになるのは売り場スタッフ。どんどん相談に乗ってもらいましょう!
取材協力/ビックカメラ新宿西口店
■公式サイト
http://www.biccamera.co.jp/shoplist/shop-016.html
■ビックカメラ.com
http://www.biccamera.com
取材・文/和田玲子
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