コラム

桜が舞う季節に観たい“春”が舞台の恋愛映画4選

更新日：2017.10.28

新年度を前に、別れに涙し、新たな出会いに胸を躍らせている人は多いのでは？　人の人生は別れと出会いの繰り返し…、それは恋愛も例外ではありません。
今回は、新しい季節だからこそ観たい『春が舞台の恋愛映画4選』を紹介します。

桜の美しいアニメーションにうっとり『秒速5センチメートル』

小学校卒業と同時に東京から栃木へ引っ越した明里は、貴樹と離れ離れに。その後も文通でやりとりをしていた2人ですが、中学校に入学し半年が経った頃、今度は貴樹の鹿児島への転校が決まります。そんななか、栃木と鹿児島ではなかなか会えないと思った貴樹は大雪の中、明里に会いに行くことに――。

本作は、貴樹が明里に会いに行った大雪の日を描く『桜花抄』、貴樹の鹿児島での生活を描く『コスモナウト』、大人になった2人を描く表題作『秒速5センチメートル』の3本連作アニメーション作品。『秒速5センチメートル』とは、桜の花びらが舞い落ちる速度のことで、2人の心の距離を描く作品にはぴったりのタイトルです。

幼いころの淡い恋から大人の恋愛までを描く本作は、誰もが通り過ぎてきた恋愛模様が描かれ、自分と重ね合わせることができるエピソードばかり。美しい桜のアニメーションを見ながら、切ない思いに浸れる作品です。

10年の時を超えるラブストーリー『ハナミズキ』

東京の大学を受験すべく勉強する紗枝と、漁師の家業を継ぐために水産高校へ通う康平。
ふとしたきっかけで出会った2人は恋を育くみますが、紗枝の上京をきっかけに心の距離も開いていき――。

一青窈さんの代表曲『ハナミズキ』をモチーフに作られた本作は、沙枝と康平の10年間を描いた物語。高校時代に北海道で出会った2人は、お互いに足りない部分を埋め合いながら愛を育んでいましたが、沙枝の上京をきっかけに遠距離恋愛となり、それと同時にすれ違いが生じます。

北海道、東京、ニューヨークと世界を舞台に広げられる壮大な恋の物語はロマンチックな雰囲気が漂い、誰もが憧れるラブストーリーに仕上がっています。

春のすべてを詰め込んだ『四月物語』

大学に通うために北海道から上京した卯月は、少しずつ東京の生活に慣れていきます。そんな卯月が東京に来た理由は、「憧れの先輩と同じ大学だから」という人には言えないもので……。

『Love Letter』『スワロウテイル』などの岩井俊二監督が贈る青春ストーリーの本作。
桜が舞い散るなか引っ越し作業をする卯月。入学式を終え、友人もでき、サークルにも入り学校生活にも慣れていき――。

青春ストーリーでありながら、先輩への淡い恋心も描かれて恋愛要素もたっぷり。美しい桜の風景を堪能できる映像美も魅力の本作は、学生時代を思い出しながら懐かしい気持ちで見ることができる一作です。

恋愛と友情の物語『花とアリス』

中学生の花は落語研究会に所属する高校生の宮本に一目惚れをします。同じ高校に入学し、同じ部活に所属し、なんとか宮本に近づこうとする花ですが、ある日、宮本に嘘をついてしまいます。そして、その嘘がきっかけで宮本はアリスに恋をしてしまい――。

『四月物語』と同じく、岩井俊二監督の作品。元々はWEBサイトでショートムービーとして作成され、劇場映画となりました。
宮本が頭を打って倒れたことをきっかけに、記憶喪失になったと嘘をつき、自分が彼女であるように装う花。元々は小さな嘘のつもりが、次第に親友を巻き込んだ大きな嘘へと発展していきます。

桜舞い散る川べりを2人で歩くシーンがとっても印象的な本作。中学を卒業して高校生になり、桜並木をはしゃぎながら通りすぎる姿に青春のよさや、友情の素敵さが感じられます。恋に友情に甘酸っぱい思い出が詰まった作品です。

春を舞台にした映画は、桜や花などの風景が印象的。また、学校を舞台にした作品も多いのも特徴です。ぜひ、美しい風景を見ながら青春時代のときめきを思い出してみてくださいね。

＜プロフィール＞
舟崎泉美
ライター／エンタメライター。富山県出身、東京都在住。小説や脚本を執筆し、その経験を活かしライターとして雑誌やWEBなどに、本のレビュー、映画レビューなどを書く。最近はエンタメに限らず、女性向き媒体でさまざまなジャンルの記事を執筆。第一回本にしたい大賞受賞。著書「ほんとうはいないかもしれない彼女へ」（学研パブリッシング）。

写真© paylessimages - Fotolia.com

Profile舟崎泉美

ライター／エンタメライター。富山県出身、東京都在住。
小説や脚本を執筆し、その経験を活かしライターとして雑誌やWEBなどに、本のレビュー、映画レビューなどを書く。最近はエンタメに限らず、女性向き媒体でさまざまなジャンルの記事を執筆。第一回本にしたい大賞受賞。
著書「ほんとうはいないかもしれない彼女へ」（学研パブリッシング）。

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