作業する時間が長く、収納したいものも多い場所は、何といってもキッチン。狭小住宅でも使いやすて、ストレスの少ないキッチンを目指したいですよね。そのためには、コンパクトで無駄のないレイアウトや収納計画が必須です。基本的なテクニックをメインに、狭小住宅でのキッチンづくりに役立つ情報をまとめました。
壁づけのⅠ型キッチンで家族のふれあいも満喫!
宮崎さん( 東京都 )
宮崎さん宅はスキップフロアの3 階建て。幅が狭く奥行きの長い建物の形状に合わせて、キッチンはシンプルな壁づけスタイルにしました。大きなテーブルを置くゆとりが生まれ、親子のくつろぎやだんらんの場として活躍しています。
ダイニングから全体が見えるI 型キッチンは、デザインにもこだわりたいところ。宮崎さんも、ナチュラルな印象の木目の面材、ステンレスのワークトップ、白いタイルの壁など、こだわりを反映させました。吊り戸棚もとり入れ、I 型キッチンで不足しがちな収納量を補っています。
食器や食品ストックをまとめているスペース。左のシェルフは、アイアンのフレームに床材の余りを組み合わせてつくりました。
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キッチンとテーブルを直結。収納スペースにも技あり!
太田さん宅( 東京都 )
1 階のLDK は合わせて15畳ほど。狭さ克服のため、キッチンカウンターとダイニングテーブルを一体型にしました。キッチンに立つ人とテーブルでくつろぐ人が隣同士という位置関係になり、家族の自然な会話も楽しめます。
テーブルの天板が、そのままシンク回りまで続いている造り。この素材感のつながりが、ダイニングとキッチンの一体感を高めています。背面にも造りつけの収納があり、作業効率のいいⅡ型キッチンのメリットも併せ持っています。
階段とテーブルの間にある、木製の壁のように見える部分は、スライド式の収納スペース。引き出すと5 段もの棚が現れ、食品のストックなどに重宝しているそう。階段下のデッドスペースを生かす賢いアイディアです。
狭小住宅に向くキッチンのレイアウトとは?
2 つの実例に登場したキッチンをはじめ、狭小住宅でよく採用されるキッチンプランをまとめました。それぞれ作業のしやすさにも収納量にも差があるので、自分たちの暮らしに合ったプランを検討しましょう。
Ⅰ型キッチン
case study①のキッチンです。I 型キッチンとは、シンク・コンロ・冷蔵庫などを壁に向けて一列に配したもの。横に移動するだけで作業でき、省スペースなので狭小住宅に向いています。ただし、コンパクトな分、当然ながら作業スペースや収納は少なめ。でも、キッチン外に収納スペースを設けたり、収納スペースと作業台を兼ねたキャスターワゴンを利用するなどの工夫でカバーできます。
Ⅱ型キッチン
case study②のキッチンです。Ⅱ型キッチンとは、I 型キッチンの背面に収納キャビネットやカウンターなどを設けたもの。収納スペースをたっぷりとれるうえ、振り向くだけで必要なものが手に取れるので、作業効率にすぐれています。背面収納の奥行きを深くすれば、食品ストックや大型の調理器具もしまえます。
一列型キッチン
キッチンカウンターとダイニングテーブルを一列にレイアウトするプラン。キッチンからそのまま横に移動するだけで配膳や後片づけができるので、家族が自然にふれあえて、DKの面積もコンパクト。カウンター下だけでは収納が足りない場合は、ダイニングなどの壁面に食器棚やパントリーを設けるケースが多いようです。
狭小住宅に向かないキッチンってあるの?
ずばり、狭小住宅ではあまり採用されないキッチンプランを挙げてみました。とはいえ、「家全体の中でキッチンがいちばん大切! 」という人は、面積を割いてでも理想のキッチンを最優先させるのが正解。あくまで参考までに。
L 型キッチン、U 型キッチン
カウンターがL 型やU 型になったキッチン。作業スペースも収納もたっぷりですが、その分面積が大きくなるうえ、コーナー部分がデッドスペースになりがち。
独立型キッチン
LDから独立させたクローズドタイプのキッチン。料理に集中できる、ダイニングやリビングに汚れが広がらない、お客さまから丸見えにならないなどのメリットがありますが、やはり大きな面積が必要に。
アイランドキッチン
大人数で囲んでパーティができるような、大きなカウンターを備えたキッチン。カウンターにダイニングテーブルを兼ねさせるなど、プランを工夫すれば、狭小住宅でも実現できる場合も。
狭小住宅のキッチン計画で、考えておきたいこととは?
小さくても使いやすいキッチンをつくるためには必須! のチェックポイントをまとめました。
誰がどんな頻度でキッチンに立つ?
キッチンに立つのは妻だけ? 夫婦で? 親子で? ゲストと? 料理をするのは毎日? 週末だけ? など、キッチンを使う人数や頻度などが、キッチンの広さやレイアウトを決めるベースに。
どう動けたら作業効率がいい?
調理や盛りつけ、後片づけなど、キッチンでの一連の動作をシミュレーション。何をどこに置いてどう動ければスムーズかがわかると、作業スペースと収納の位置関係や、無駄のない広さがイメージできるはず。
コミュニケーションのスタイルは?
料理や洗いものをしながら家族とおしゃべりしたい、子育ての間は子どもを見守りながら家事がしたい、料理は一人で集中してやりたいなど、希望するコミュニケーションの形に合わせて、キッチンとダイニングの関係を決めるのがベスト。
食品を買い置きする?
共働きなどで食品をまとめ買いする人や、実家から野菜やお米が送られてくるという人には、キッチン収納だけでは足りないことも。廊下や玄関に納戸兼パントリーをつくるなど、食品ストックを保管できるスペースがあると便利。
将来、暮らしに変化がありそう?
子どもが生まれたり、お菓子づくりの趣味ができたりと、将来の変化は予測できないもの。それにフレキシブルに対応できるのが、細かい仕切りのない棚や、カウンター下を一部オープンにした“ 余白スペース" 。あとから食洗機やオーブンなどを入れたいときにも○。
まとめ
「狭小住宅でも、キッチンの優先順位は上! 」という人は多いですよね。狭いからと妥協しないで、自分の家事のクセや、楽しく家事がこなせるレイアウトを見きわめて、理想のキッチンを目指してください。
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この記事のライター:後藤由里子
主婦の友社刊「はじめての家づくり」をはじめ、数々の住宅・生活関連記事を手がけるライター。キャリアは20年、これまでの実例や建築家、ハウスビルダーへの取材件数は300以上に及ぶ。
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