管理栄養士や食育インストラクター資格をもち、独身時代からずっと食にかかわる仕事を続けているAさん。梅干しやみそ、ジャム、果実酒など、月日がおいしくしてくれる保存食づくりが大好きといいます。「以前の住まいはキッチンが狭かったので、仕事の関係もあり、とにかくゆったりと作業できる広いキッチンに憧れていました」
環境が気に入っていたエリアに、前の住人からも大切にされていた雰囲気のいい家を見つけ、リノベーションすることに。「アネストワン」の瀧川淳司さんと一緒に快適なキッチンづくりをめざしました。「食事を作り、食べ、そしてくつろぐ。それがひとつの空間でできて、家族や来客が別々のことをしていても一緒にいられるようにしたくて」
そうした希望を受け、独立型のキッチン部分はパントリーとクローゼットに変更し、LDとして使われていた洋間をLDKにしました。食器や調理器具が十分に収納でき、かつ出し入れしやすいように、モノのサイズに合わせ、オープン棚とたくさんの引き出しを造作。ステンレスの作業台は、調理中の食材もラクに置けるように広く、そして友人たちと一緒に楽しむため、反対側からも作業できるように奥行きをとりました。
「すべてのサイズが私の身長や持ち物に合わせてあるので、とても使いやすいです。料理に対するモチベーションがさらに上がって、ひとりで過ごすときでも料理をするのが面倒と思わなくなりました。人も呼びやすくなり、一緒に食事を作ったあとは、丸いテーブルを囲んでワイワイ楽しんでいます」
とにかく快適!なキッチンリフォーム
作業台が広くてはかどる
以前は、独立型キッチンとつながる洋間。LDとして使われていました。
リビング側には引き出しを並べて、お子さんのお世話グッズを収納。「将来的には椅子を並べて、カウンターとしても使いたいです」
採光抜群で明るくさわやか!
南側に掃き出し窓のあるLDKは、白いしっくい壁でいっそう明るく。作業台横は扉つきの収納と飾り棚になっています。パソコンやプリンターも美しくおさまるよう、専用スペースを設けました。
キッチン奥にはパントリーが。汚れやすい場所にはタイルを貼って
パントリーは冷蔵庫の隣にあり、玄関からも一直線という便利な配置。LDKの床はナラの無垢材を使用し、作業台前のみタイルに。
食まわりのアイテムをまとめて収納
缶詰などの食品や消耗品を保管する、パントリーの棚。種類別にかごに入れて出しやすく。(左)
コンロ下にはオープン収納のスペースもつくりました。「湿気がこもらないし、鍋もすぐにとり出せます」(右)
本やファイルもキッチンに収納
キッチンにあると便利なレシピ本やファイルは、専用の引き出しを設けました。
背面カウンターには保存食、オープン棚には普段使いの食器や来客用カップなどお気に入りを飾って。白いドアの向こうが、Aさんの工房ともいえる調理室。(左)
廊下だった場所に業務用シンクを設置。焼き菓子などを作る仕事専用の調理室に。(右)
器は引き出し収納で取り出しやすく
「食器は絶対に引き出しに収納したくて」。地震対策にもなり、ひと目ですべての器が見える点も便利です。
「LIXIL」のセンサー式水栓。「肉やパンをこねた手を洗うときには本当に重宝しています」(左)
「サンワカンパニー」で購入したシンプルなボウルと水栓。ミラーは三面鏡になります。(右)
天井近くまである大きな黒い収納棚が造りつけられ、圧迫感がありました。
「ちゃぶ台を置いて床に座る生活がしたかった」というAさんのお気に入りは、「ファーストハンド」の東北産クルミ材テーブル。床暖房を導入したので、反らないよう床は3層になっています。
リフォームのポイント
設計のポイント
食器や調理器具など、どこに何を収納したいのかをこまかくヒアリング。シンクと調理スペースの広さや高さも、シミュレートしながら最適なサイズを割り出すなど、Aさんにとっての使いやすさを追求しました。また、食器棚や飾り棚、照明器具の高さは、リビングからの眺めも考慮しながら設定しています。
アネストワン 瀧川淳司さん
住宅メーカー設計部勤務を経て2009年にアネストワン入社。「住まい手の思いを優先するインテリア」をモットーに、シンプルな空間デザインを心がける。
DATA
家族構成 |
夫婦+子ども1人 |
住居形態 |
木造2階建て(軸組み工法) |
築年数 |
35年 |
延べ床面積 |
123.52㎡(37.36坪) |
リフォーム面積 |
63.31㎡(19.24坪) |
リフォーム部分 |
和室と階段を除く1階 |
リフォーム期間 |
2012年6月~8月 |
リフォーム費用 |
約980万円(耐震工事費を除く) |
リフォーム設計・施工 |
(株)アネストワン |
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