【永田さん宅(熊本県)】
ご夫妻と7歳のシオン君、4歳のリノンちゃんの4人家族。夏はマリンスポーツ、冬はスノーボードとアウトドアレジャー好きのファミリーらしく、「家でも屋外の心地よさを感じられるのは素敵なことですね!」
玄関を兼ねた広い土間に通じてそのままテラスにつながる、とびきり開放的な永田さん宅のLDK。フルオープンになる大きな窓からたっぷりの光と風が降り注ぐその場所は、家族の暮らしの中心! いつも屋外の気持ちよさを感じることのできる空間です。
こんなに明るくのびのびとしているのに、じつは住宅に囲まれた、こぢんまりとした敷地に立つ永田さんのお宅。プライバシーを確保しながら、光と風と、木々の緑と青い空……そんな自然の心地よさを家の中にとり込む工夫がたくさん詰まった住まいです。
1F LDK
光と風が通り抜ける、コの字形のカウンターキッチン
休日のランチは オープンカフェ気分! 家族みんなの好きな場所
吊り戸棚や袖壁を設けず、低い位置ですっきりまとめて。座り心地のよさそうな畳のスツールは、「ソラマドの家」のオリジナル。
大きく開いて外とつながる引き戸
LDKと外(土間&テラス)をつなぐ部分は、4枚引き戸に。3枚が引き込めるので、全開にすれば、のびのび開放的な空間に。
光をたっぷりとり込むガラスの引き戸
LDKと土間の間には、冷暖房効率を考慮して引き戸を設置。ガラス戸にすることで効果的に光をとり込み、明るさと暖かさを確保。
「光と風と家族の笑顔が いつでも 身近に感じられます」
のびのびとして仕切りのない 光と風のあふれる家
長男の小学校入学に照準を合わせて家づくりをスタートさせた永田さん。「住宅展示場でいくつか、いわゆる“普通の家”を見て、『こんなものかな』と話を進め始めた矢先、住宅雑誌で部屋の区切りがなく、光があふれる家を目にし、一から仕切り直しました(笑)」とご主人。さっそく、その家を手がけた設計事務所のオープンハウスに出かけ、心地よさを実感。依頼を決めたといいます。永田家の、“住宅密集地でありながら光と風を存分にとり込む作戦”の要となったのが、塀とテラス。塀で囲んで視線を遮ることで、思いきり大きな開口(窓)を実現。ほどよい広さのテラスの作用で、室内にたっぷりの光と風を送り込んでいます。そしてもうひとつのポイントが、LDKとテラスの間に設けた土間スペース(兼玄関)。「LDKからテラスまでフルオープンにできるので、まるで外にいるような気持ちよさが満喫できます!」
ほかにも、2階の大きな窓から階段を通じて階下に光と風を届けたり、ガラスの引き戸で冷暖房効率を高めながら、効果的に光と風をとり込むなど、アイディア満載です。さらに極めつけは、バスコートつきのお風呂。「お風呂はまさにリゾート気分(笑)。どこにいても光と風を感じることのできる居心地のいい家に大満足です」
大きな窓の対面に設けた “風の出る窓”
風は、空気が入ってくる窓と出ていく窓があってはじめて生まれるもの。土間に向いた大きな窓からとり込んだ空気を出すための小窓を対面に設けて、風の流れをつくりました。同様に、キッチンの勝手口のドアも風の抜け口として活用できます。
1F 土間
フルオープンになる「フォールディングドア」
LDKから続く土間には机を並べて、子どもたちの勉強コーナーに。テラスに続く開口部は折り戸にして、春から秋にかけての気持ちのいいシーズンはフルオープンに。「土間は外のような部屋のような楽しい空間で、子どもたちも大好きな場所です」
虫を防いで風をとり込むスライド式の網戸
「塀を高くしているからか、蚊や虫は意外と入ってこないのですが、夜は防犯も兼ねて網戸を閉めています」
1F 洗面コーナー
洗面コーナーを、浴室&トイレに近いLDKの一角に設置。扉はつけずに開放的な雰囲気にしました。
湿気がこもらないので、いつも清潔。
2F 寝室
フロストガラスの引き戸で光をとり入れて
隣家に面していて大きな窓がつくれなかった寝室は、明るい階段ホール側をガラスの引き戸にして、効率よく光をとり込みます。
2F 子ども部屋
壁がないから光と風を遮らない
できるだけ壁をつくらず、光と風の通り道を設けました。「子どもが成長したら、間仕切り家具で仕切る予定です」
2F フリースペース
2階から1階に光と風を送るグレーチングの床
排水溝のふたや立体駐車場などに用いる格子状のグレーチングを階段ホールの床に使って、大きな窓からとり込んだ光と風を1階に届けています。「下が透けて見えるので、デザイン的にもワクワクして楽しい空間になりました」
1F 浴室
大きな窓とバスコートでリゾート気分
バスコート(デッキ)に続くフレンチウインドーを全開にすれば、露天風呂気分!
塀で囲まれているからこその解放感です。
1F トイレ
トイレは至ってシンプルに。「大きな窓のある浴室の脇にあるので、風通しがよく、いつでも快適です(笑)」
1F 土間&テラス
床の高さをそろえて中と外の一体感を
「空とつながる“外の部屋”で 屋外の気持ちよさを満喫」
屋外の風や光も同じ空間のものとして感じることができ、同時に、塀が壁のように見えるので、テラスも部屋の一部のような錯覚に。
1F テラス
計算された広さのテラスと開口部
塀が近すぎると室内に光がとり込めないので、テラスは十分な広さに。
「テラスは、キッチンからも目が届くので安心です」
1F 土間
折り戸式の窓で光も風もたっぷりとり込む
白い壁で光を反射させ、明るさをアップ。
「家じゅうの壁は土佐しっくい。左官職人の父が塗りました。一部、家族で塗ったところも」
階段
上下階に光と風を届けるスケルトン階段
蹴込み板がないスケルトン階段は、光も風も遮りません。らせん状で、空間にデザインをつけながら省スペースに。
外観
建物の白い壁と塀の茶色とのコントラストがおしゃれな外観。「四角い箱を重ねたようなシンプルさが気に入っています」
住宅密集地でプライバシーを保ちながら、室内に十分な光と風をとり込むために欠かせなかった塀。
DATA. 永田さん宅(熊本県)
設計のPOINT
アトリエSORA 井内 清志さん
まわりを家に囲まれたコンパクトな立地で、家じゅうどこにいても気持ちよく過ごせるように、たくさんの工夫と仕掛けを凝らしました。季節や過ごし方によって、光や風のとり込み方が変えられる引き戸や折り戸もそのひとつ。子どもたちがテラスやデッキなどの外の空間も含めて家じゅうを走り回って遊びたくなるような楽しい家であること、また、将来的にソーラーエネルギーにシフトしやすいようにオール電化を採用したこともポイントです。
【Profile】
福山大学工学部建築学科卒業。コンセプト住宅「ソラマドの家」ほかで、数々のコンテストに入賞。「日々の暮らしをちょっとおしゃれに&いつも心地よく過ごせる家づくり」がモットー。
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
敷地面積 |
185.17㎡(56.01坪) |
建築面積 |
48.85㎡(14.78坪) |
延べ床面積 |
81.14㎡(24.54坪) 1F 40.57㎡ + 2F 40.57㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2011年7月~10月 |
本体工事費 |
約1630万円 |
3.3㎡単価 |
約66万円 |
設計 |
アトリエSORA TEL:03‐6435-4517 |
施工 |
SORAデザイン TEL:096-288-9801 |
★おしゃれな注文住宅を建てたい方はこちら
★注文住宅のカタログを取り寄せたい方はこちら
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます