格子窓と梁のある憧れのナチュラルな家を予算内で実現
【濱野さん宅(大阪府)】
採用したいものをひとつずつ天秤にかけて。設備は割りきって調整
昔からインテリアが大好きで、家を建てる予定がない頃から、雑誌などを見て理想の内装や間取りを思い描いていたという濱野さん。実際に家を建てることになり、「予算に限りはあっても、かなえたい夢はたくさん。ここを削ればこれができますか?と、ひとつひとつ相談しました」
なかでも濱野さんが優先させたのが、家事動線のいい間取りとナチュラルスタイルの内装。無垢材の床や梁、格子窓などは、ずっと憧れていてどうしても採用したかったものだとか。一方、ドアなどの部材や水回り設備はそれぞれ同じメーカーでそろえ、シンプルなものならOKと割りきって上手にコスト調整をし、理想の家を実現しました。
「格子窓にこだわりましたが、少しでもコストダウンするために、あまり目立たない寝室とコートクローク、1階のトイレの窓は一般的なサッシにしました」
風を通すハイサイドライトは一般的な引き違い窓に。サッシはホワイトのものを選んで壁になじませ、すっきり見せて。
階段下に設けたコートクロークにも通風&採光用の小窓を。一般的なサッシでコストコントロール。
「寝室内に設けたウォークインクローゼットは、使いやすさを考えて最初から扉は不要と伝えていました。それがコストダウンにもつながったようです」
たっぷりと収納できるスペースを確保しつつ、棚板とパイプハンガーを渡しただけのシンプルなつくりに。
「ひと部屋ひと部屋はコンパクトですが、引き戸を開けると広々とした空間になるよう設計してもらいました。収納はオープン棚だけつけて、洋服などは廊下にある収納に。シンプルなつくりにしてコストをできるだけ抑えました」
お子さんが小さい頃は引き戸を開けたままにしていることが多かったいという2つの子ども部屋。成長したら引き戸で仕切って。
「市販の扉つきキャビネットのデザインが好きではなく、むしろシンプルな洗面ボウルや、オープン棚にかごを使って収納するのが夢で、コストダウンにもなりました」
洗面ボウルは「TOTO」の製品。ミラーとその下のペグシェルフは、「モビリグランデ」で購入して施主支給しました。
「キッチンの床はテラコッタ調タイルですが、洗面室やトイレの床は、そのタイルそっくりのクッションフロアに。脱衣所は素足でも冷たくないし、コスト調整もできました」
手前のキッチンの床は「オオムラ」で取り扱う輸入品のテラコッタ調タイル。奥の洗面室はクッションフロアです。
「コストと使い勝手を考えて扉は設けませんでした。カーテンを一度つけてみましたが、圧迫感が出てしまい、何もないほうが奥行き感が出ていいね、ということに」
約1畳でもストック食材や調理器具をたっぷりしまえるパントリー。すみずみまで見渡せるオープン棚が使いやすいとか。
「キッチンのそばに洗濯スペースや洗面室、浴室、パントリーがある間取りは、コストがかかったとしても実現したかったもの。以前の家では家事動線が悪かったので、新居ではそれを克服したかったのです」
水回りに2ウェイで行ける回遊式の動線は、家事がしやすく、毎日が快適だそう。
「床暖房をあきらめてでも、パインの無垢材フローリングは採用したかった部材。見せる梁や柱も憧れでした。そのかわり、壁は塗り壁ではなく、“塗り壁風”の一般的なクロス張りに」
床は味わいのある塗装が施されたパインの無垢材フローリング。ロフトにかけたはしごは「パナソニック」製。
「ドアやキッチン、トイレ、システムバスなどの水回り設備は、設計を依頼した会社に、白くてシンプルで手頃なものを提案してもらいました。特に浴室はタイル貼りがいいなあと思ったこともありましたが、お掃除も大変だし、提案に従っておいてよかった、と思っています」
キッチン、トイレ、システムバスは「INAX(現LIXIL)」で統一。キッチンにプラスした手元を隠す腰壁は、ダイニング側にオープン棚を設けて雑貨を飾っています。シンプルな設備は掃除もラクだそう。ドアは「パナソニック」製。
「格子窓は普通の窓より割高になるのですが、どうしてもゆずれなかったもの。夫婦ともにずっと憧れていたので、コストをかけてでも採用してよかったです」
格子窓サッシは「トステム(現LIXIL)」のもの。カーテンや照明、テーブルは「モビリグランデ」で購入。
「外壁はヨーロッパ風のしっくい塗りに憧れていましたが、コスト調整のため断念。そのかわり、横張り板のようなサイディングを提案してもらい、気に入って採用しました。2階リビングをもう少し広げたかったのですが、建物の形が複雑になるとその分、コストも上がるのでやめました。おかげで外観デザインがすっきりしました」
片流れの屋根と白を貴重にしたすっきりしたデザインで、こだわりの格子窓が映える外観に。
“お金のかけどころ&省きどころ”の本音 Q&A
Q.予算内におさめつつ満足度の高い住まいをつくるために、施主がすべきことは何だと思いますか?
A.設計会社や工務店のかたに会う前に、思い描いているものをはっきりさせて、優先したいこと、妥協できるポイントの順位を決めておいたほうがいいと思います。うちも優先順位をメモに書き出しておきました。何回もの打ち合わせや施主支給品を探すのはしんどかったけれど、一生住む家なので、がんばってよかったと思います。おかげで満足度の高い家になりました。
Q.思っていた以上にコストがかかると思ったものは何ですか?
A.地盤改良。古い家が立っていた土地だったので大丈夫だろうと思っていたのですが、検査したら要改良に。古家を解体してから検査したので、ローンとは別に現金で支払わなければなりませんでした。
Q.「ケチらなければよかった」または「お金をかけなくてもよかった」と思う部分はありますか?
A.コンセントは「ないと困るよ」と人から聞いて、必要以上につくりすぎたかも。
HAMANO HOUSE_DATA
家族構成:夫婦+子ども2人
敷地面積:92.00㎡(27.83坪)
建築面積:54.17㎡(16.39坪)
延べ床面積:97.23㎡(29.41坪) 1F50.03㎡+2F47.20㎡
構造・工法:木造2階建て(軸組み工法)
工期:2009年12月〜2010年3月
本体工事費:約1800万円
3.3㎡単価:約61万円
設計・施工:スタイルハウス㈱
TEL 0120-25-1038
www.plusstylehouse.com
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