こんにちは。和田明日香です。
今回は、ある日の我が家の食卓を徹底解剖してみようと思います。
夕方、打ち合わせが終わった後、近くのオーガニック食材店に寄る時間があった日。ついでにビオワインも買ったりして。さくっと飲むのにちょうどいい、微発泡の軽めの赤ワイン。これに合わせて何作ろう、と考える時は、仕事で新メニューを考えなきゃいけない時の何倍も頭が働くから、恨めしいです。
▲トマトとマッシュルームのサラダ
ぷりっぷりに赤く熟したトマトと、みずみずしいマッシュルームが売っていたので、迷わずサラダに。食べやすく切ったトマトをお皿に盛って、上からマッシュルームをシャッシャとスライスして載せるだけ。
以前、インスタライブでマッシュルームを生で調理したところ、生で食べられるなんて知らなかった!とたくさんコメントをいただいたのですが、新鮮なマッシュルームは生がいちばんだと思っています。
フレッシュなのに芳醇な香り。コリッパリッとした独特の食感も最高。味付けはオリーブオイルと塩だけで十分。ワインの香りとあわせて完璧なサラダになるのですが、当然ながら子どもたちはワインをあわせるわけにいかないので、ドレッシングも作りました。
ドレッシングといっても、新玉ねぎをみじん切りして軽く流水ですすぎ、ぎゅっと絞ってポン酢と米油、ちょっぴり蜂蜜とあわせるだけ。
子どもたちは大人ほどマッシュルームに興味を示しませんが、このドレッシングだとトマトを山ほど食べてくれます。
▲パクやっこ
この日はパクチーも元気いっぱいの子たちが並んでいました。茎も根っこもしっかりと太いのに、歯ざわりは驚くほど柔い。食感を引き立ててあげたくて、ふわふわのお豆腐ちゃんとあわせることに決めました。
冷蔵庫にあった絹豆腐をペーパーでくるみ、レンチンで水をしっかり引き出してからザルに置いて、氷水をはって重たくしたボウルを重ねて放置。こうすると冷ましながら効率よく水切りできます。
パクチーは歯ざわりが残る程度に刻んでボウルに入れ、塩とコク出しのための砂糖を絡めてから、豆腐を崩して入れます。
豆腐に残った水分で塩と砂糖を馴染ませていくように混ぜたら、ごま油をひと回し。
誕生日プレゼントにいただいた器に盛り付けたら、器のおかげでなんだかサマになったので、かっこつけたくなってチリパウダーもパラリ。赤色でアクセントをつけたかっただけだけど、スパイシーな香りがさりげなく味を引き締めて、ついでに美味しくもなりました。
「きれいなものは美味しい」と某シェフが言っていたのを思い出すなぁ。
▲シメサヴァ
その食材店には基本的に野菜を見に行くのですが、この日はお店の奥にある冷凍庫にあったしめ鯖も買ってみました。しめ鯖、好きなんですよねぇ。ラジオ番組で「今日は何食べたい?」と聞かれた時も、とっさに「しめ鯖ですかね」と答えたぐらい、しめ鯖が好き。
海の生き物全般が苦手な長男も、「炙り」には絶大な信頼を寄せているらしく、しめ鯖も炙ると食べてくれます。
炙るためのバーナーは調理グッズ好きの夫が購入。わたしは「こんなの買ったって使うの年に数回じゃん!」と思ったし、実際にその通りなのですが、あると思ったより楽しいのでおすすめアイテムです。
炙って盛り付けるだけでもよかったのですが、ワインに寄せてオリーブオイルでマリネ。ひとつつまんだら、鯖の脂とオリーブオイルでまったりしすぎてしまったので、薬味にネギといただきもののトマトアリッサを添えました。
これはもはや、しめ鯖ではない……シメサヴァ、ボナペティート!(と言ったところで家族の反応はとても冷たい)
レミさんからおすそ分けでもらった筍をバター醤油でこんがり焼いたり、中途半端な量残っていた豚肉をなすとあわせて味噌味で炒めたり、もうそれワイン関係なくなってるじゃん、というおかずも作りつつ、大人はちょこちょこつまんで、子どもはもりもりごはんと食べる、我が家らしい食卓でした。
和田明日香(わだ・あすか)●料理家。東京都出身、3児の母。料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、食育インストラクターの資格を取得。オリジナルレシピの紹介、企業へのレシピ提供のほか、講演会、コラム執筆、CM、ドラマ出演など幅広く活躍。近著『10年かかって地味ごはん。』は20万部を突破。
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kurashinista.henshuubu@gmail.com
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