「わけもなく気分が落ち込む」「ネガティブな考えがやまず、眠れない」など、マイナス思考がつらい方はいませんか?
女性は、更年期の時期にマイナス思考になる場合があります。早ければ30代からプレ更年期、そして40〜50代で更年期と、長期間にわたって症状が続いてしまうことも。
この記事では、つらいマイナス思考を楽にするためのセルフケアや、よく使われる漢方薬についてご紹介します。(文/薬剤師 中山歩実)
マイナス思考が止まらない…これって更年期?
更年期が影響しているマイナス思考には、どんな特徴があるのでしょうか。
更年期のマイナス思考の特徴は?
更年期のマイナス思考の特徴としては、以下が挙げられます。
・何があったわけでもないのに「悪いことが起きそう」と不安になる
・自分の存在意義がわからないと感じる
・うれしい、楽しいなどのポジティブな気持ちがわきにくい
・言葉で言い表せない漠然とした不安、孤独感がある
更年期には、精神的に不安定な症状が起こりやすいことがわかっています。更年期の女性の約50%が、不安感や気分の落ち込み、カッとなりやすいなどの精神的な症状に悩んでいるといわれているのです。
症状が深刻になってしまうと、これをきっかけにうつ病などを発症してしまうことも。そのため、自分の心のコントロール方法を知り、早めに対処することが大切です。
なぜ更年期はマイナス思考になるの?
更年期にマイナス思考になってしまう原因としては、ホルモンバランスの影響が最も大きいといえます。
更年期にはホルモンバランスが乱れることで、心身のバランスまで乱れてしまいます。こうして自律神経などの働きに支障をきたし、イライラ・不安感・動悸・発汗などの更年期症状につながります。
また、ライフステージの変化によるストレスも、マイナス思考を強める原因になっています。
一般的に女性の30〜50代は、ライフステージの変化によって「役割」が変わるタイミングです。みなさんにもそれぞれ、母として、妻として、社会人としてなど、さまざまな役割があると思います。
子どもの反抗期や受験、夫の定年退職や、親の病気や介護問題も出てくる年代です。
こうしたライフステージの変化によって、環境の変化によるさまざまなストレスが加わり、よりホルモンバランスを乱す原因となってしまうことがあるのです。
更年期のマイナス思考を止めるには?
更年期のマイナス思考を改善するために、よいとされているセルフケアを3つ紹介します。
1.適度に運動する
ウォーキングやヨガ、水泳などの軽い運動は、更年期症状を和らげてくれます。忙しくてなかなか時間がとれない場合は、テレビを見ながらストレッチや軽い筋トレをするのもいいですし、動画を見ながらヨガなどをしてみるのもいいでしょう。
近所のスーパーに車で行かず、徒歩や自転車にしてみたり、 出勤のとき、少し早歩きをするだけでもいいです。続けることが大切なので、簡単にできる小さなことから始めてみましょう。
2.しっかり眠る
マイナス思考を緩和するには、しっかり眠ることが大切です。睡眠不足は、不安やいらだちなどの精神的な症状をさらに悪化させてしまいます。
しかし、精神的ストレスやほてりなど、更年期にはさまざまな要因によって不眠になりやすい時期です。眠りたくても眠れない方もいるのではないでしょうか?
そこで、眠りやすくする方法として、適度な運動でからだを疲れさせたり、入浴やストレッチで心身をリラックスさせたりなどが有効です。
3.バランスのよい食事を意識する
ホルモンバランスを整え気持ちを安定させるためには、食事のバランスも大切です。できるだけバランスのよい食事を心がけましょう。
更年期には、女性ホルモンと似たはたらきをもつとされる大豆の摂取がおすすめです。また、閉経前後の女性は骨粗鬆症になりやすいといわれるため、ヨーグルトやチーズなどの乳製品も取り入れるといいでしょう。
更年期のメンタルケアには漢方もおすすめ
「セルフケアだけではうまく症状が改善しない」「更年期の心身の不調を体質から改善したい」という方には、漢方薬もおすすめです。ストレスによる精神や自律神経の乱れを整えたり、血の巡りを改善したりすることで、更年期の不調を根本から改善していけます。
医薬品として効果を認められている漢方薬は、更年期の多彩な症状に対応しています。実際に、更年期の治療薬として婦人科でも多く使われています。更年期は長いですから、漢方薬を使って根本的な体質改善を目指してみませんか?
<更年期のマイナス思考におすすめの漢方薬>
・当帰芍薬散:冷えやむくみがある方に
血の巡りをよくしてからだを温めます。めまいや動悸だけでなく、精神症状に使われることもあります。
・加味帰脾湯:貧血や不眠がある方に
気や血を補い巡らせて精神不安を和らげます。
・加味逍遙散:ホットフラッシュや肩こりがある方に
乱れた気のバランスや血の巡りをよくして、精神不安やイライラを和らげます。
漢方薬を選ぶときには、個人の状態や体質に合っているか、ということが重要です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が合うのかを見極めるために、専門家の力を借りてみませんか。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのがおすすめです。
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更年期のマイナス思考には
更年期には、ホルモンバランスの影響やライフステージの変化によって、わけもなく落ち込んでしまったり、不安や孤独感にさいなまされたりして、マイナス思考になることがあります。
運動や食事など日常生活を見直し、心身のバランスを整えて楽しく過ごせるようにしていきましょう。
なお、つらいマイナス思考をひとりで抱え込んでいると、なかなか改善の道筋が見えないかもしれません。そんなときは、漢方薬を取り入れて根本的な改善をめざすことも考えてみてください。
<この記事を書いた人>
薬剤師 中山 歩実
大学病院、市立病院での勤務を経て、長期療養型の病院へ転職。なかなか改善しない症状に対し漢方を使ったサポートを実施している。
さまざまな病気の段階の方と接する中で、正しい医療情報を得ることの難しさを痛感し、ライター活動を開始。がんや感染症、生活習慣病など幅広い疾患や薬についての記事制作を担当。「誰もが自分のからだを労れる社会」を目指し、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
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