「毎年6月ごろはむくみが出やすく、顔や脚がパンパンで憂鬱」
「梅雨の時季、湿度が高い日が続くと、体調が悪くなる」
毎年、梅雨の時季になると、「むくみ」に悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、梅雨の時季に起こる「むくみ」の原因と解消法や予防法をご紹介します。予防や対策を心がけて、梅雨の時季も元気に過ごしましょう!
(文/医師 木村眞樹子)
「湿邪」が引き起こすさまざまな不調
梅雨は、雨の日が多いために日照時間が少なくなり、寒暖差も大きくなるため、一年で最も気象ストレスを受けやすい季節。湿度が高い環境が続くと、水分や老廃物もたまりやすくなるため「むくみ」が生じやすくなります。
梅雨の時期にとくに発生しやすい湿気のことを、漢方の言葉では「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。この湿邪は、むくみを引き起こし、それ以外にもさまざまな不調を引き起こすとされています。
むくみとは、からだに余分な水分や老廃物がたまった状態。水分が蒸発しにくくなったり、汗や尿での十分な排出ができなかったりなど、水の巡りが悪くなることでむくみが起こります。
体内の水分調整がうまくいかないことにより、年中起こり得る症状ですが、梅雨の時季はとくに、むくみが起こりやすいとされています。
さらに「湿邪」は、下痢、関節痛、頭痛、水虫など、さまざまなトラブルの原因となることがあります。湿邪に最も侵されやすい臓器は、胃や消化器系などで、食物を消化して栄養を巡らせる臓器が弱ることで、重だるい疲労感など全身の症状が徐々に出始めてきます。
むくみの予防と対策
日々の生活に少しのケアを取り入れるだけで、むくみが改善でき、予防にもなります。
むくみの予防と対策法を知り、自分のからだをじっくりと見つめ直し、不調から開放されましょう!
1.腰まわりを温める
腎臓の冷えが、脚のむくみを引き起こしていることがあります。脚だけでなく、腰まわりを温めてみましょう。薄いシルクの腹巻きなどを使うと、薄着の日でも快適に過ごせるのでおすすめです。
2.食事の見直し
からだを温めたり、水分の排出を促す食品を食べたりすることで、湿邪を改善できます。
からだを温める食品としては、根菜類や生姜、発酵食品がよいでしょう。逆に白砂糖など、からだを冷やすものは控えましょう。
水分を排出させる食品としては、ウリ科の野菜・果物や、枝豆や黒豆などの色のついた豆がおすすめです。コンビニ食など塩分多めの食事や、お酒の飲み過ぎはむくみの原因となるため控えましょう。
3.マッサージや運動など
マッサージや運動で、脚にたまった水分を排出しやすくしましょう。とくに、ふくらはぎの筋肉を鍛えると、筋肉がポンプのようにはたらき水分を押し戻してくれます。エスカレーターを使わず弾みをつけてトントンと階段を降りてみるなど、日々の生活を工夫してみましょう。
また、お風呂に入ったときやトイレに座ったとき、脚の付け根の内側をグリグリと強めに刺激を与えましょう。鼠蹊部(そけいぶ)といわれる部分は、リンパがたくさん通っているため、マッサージすることで体液の流れが良くなります。
脚のむくみがひどい方は、水分が下にたまらないように心がけましょう。寝るときには低めのクッションを使って脚をなるべく上げるようにするなど、脚にたまった水分を重力で流すよう工夫してみましょう。
むくみにおすすめの漢方薬
「むくみをとりたいけれど、運動する時間がない」
「手軽にむくみを取りたい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
梅雨のむくみに効果がある漢方薬はいくつもあります。
理想の健康を目指す漢方薬は、多くの症例により効果が認められている自然由来のお薬です。一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、漢方薬は現在生じている不調を抑えるだけではありません。根本的な体質の改善を目指すものですので、むくみやすい体質に悩む方に、ぜひ試していただきたいお薬です。
効果が認められている漢方を毎日の生活に取り入れることで、健康を維持して快適な生活を目指してはいかがでしょうか?
むくみには体内の水分代謝を促す代表的な生薬である蒼朮白朮、茯苓、猪苓、沢瀉を組み合わせた漢方薬がよく使われます。
<梅雨のむくみにおすすめの漢方薬>
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):むくみがあり、太り気味の方に
体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向のある方の、肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、水太りがある方におすすめです。
・五苓散(ごれいさん):一時的に不要な水がからだにたまっている方に
体力にかかわらず使用でき、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔いの方に向いています。
ただし、漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
「オンライン個別相談」なら、AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、一人ひとりに効く漢方薬を見極めて自宅に郵送してくれます。スマホで完結するサービスですので、対面では話しにくいことも気軽に相談できますよ。
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むくみ知らずのからだを目指そう
「水を摂るのはからだにいい」というイメージは定番になりつつあります。しかし、からだのなかで水の巡りが滞り、ため込んでしまうと一変、不調を引き起こす原因となります。むくみは血管やリンパ管を圧迫し、血行を悪化させてしまうからです。
梅雨はとくに水の巡りが悪くなる時期。日々のちょっとした工夫で、むくみは解消できます。できることから始めてむくみを解消し、心地よく過ごせるといいですね。
<この記事を書いた人>
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
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