やっと梅雨が明けて、何となく気持ちもすっきりとしましたね。
しかし、今年よくニュースなどで耳にする「ラーニャ」という言葉に少し不安な気持ちになっている人もいるのでは? 今年は一体どんな夏になるのか心配になりませんか?
「ラーニャ」とは、すっかりおなじみになった「エルニーニョ」の逆の言葉だそうで、ペルー沖の海水温が通常より低くなる現象のこと。そんな現象から今年の夏は……、
なんと「観測史上最高の猛暑」になるそうです!!
そんな恐ろしい夏を迎える前の束の間に、「薬膳」の理論に基づいた食べ物の力で夏バテにならないように養生をして、これから来る暑すぎる夏を乗りきりましょう!
夏バテすることを中国語では「苦夏」。まさに夏に苦しむという意味です
できれば、夏に苦しむのは避けたいですよね。では、「苦夏」=夏バテの原因とは何でしょうか?
1夏の気温の高い状態(暑邪)
2夏の多湿と冷たいもの摂りすぎ(湿邪)
3夏場の冷房の当たりすぎと冷たいものの摂りすぎ(寒邪)
4過労(睡眠不足やもともとも虚弱体質)
( )内の「●邪」というのは中医学の世界で身体の力と外の様々な環境の力のバランスが崩れたときに病気の原因になることを表したものです。
特に日本の地形は水に囲まれていることから1の暑邪に2の湿邪があわさって熱中症になる人が多いのです。
では、夏バテにならないためにはどうすればいいのでしょう?
夏バテ予防に重要な臓器は「脾・胃」と「心」。味は「苦味」
薬膳では、私たちの体は、肝、心、脾、肺、腎の5つの臓器から成り立っていると考えられており、これらを「五臓」とよびます。さらに、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦(さんしょう)を「六腑(ろっぷ)」といい、これらは五臓と対になって働きます。
暑邪や湿邪は、「脾・胃」や「心」に影響しやすく、食欲の低下、だるさややる気が起きないなどの症状が出ます。まさに夏の体調不良の代表的な症状ですね。
そのため、「脾・胃」の機能を高める“健脾作用”の食べものを摂ることが大切です。そして、「心」を補強する“養心”や、夏にかかわりのある味、“苦味”のものを摂って養生することも重要。また、余分な熱や湿をためないように、“清熱作用”“利水作用”のあるものも摂りましょう。
健脾・清熱・利水作用や苦味の食材をとり入れて!
夏バテ予防 におすすめの食べものは以下のとおりです。今から余分な湿邪をためず、夏バテにならないように気をつけましょう!
●養心・安神
あさり、牡蠣、しじみ、ハツ(豚)、小麦、ココナッツ(強心)、アーモンド、蓮の実、蓮の葉、蓮の芯(お茶)、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ジャスミン茶、緑茶など
●健脾
大豆、いんげん豆、ひよこ豆、じゃがいも、さつまいも、山芋、タピオカ、枝豆、オクラ、なす、人参など
●清熱・利湿
ハトムギ、小豆、緑豆、きゅうり、なす、スイカ、マンゴー、メロンなど
おすすめデザートレシピ「タピオカ入りスイカのココナッツ冷やし汁粉」
上記の効能を持つ食べ物をたっぷり使った夏バテ予防の薬膳をご紹介します。
〈材料〉 (2人分)
スイカ…160g
タピオカ…20g
ココナッツミルク…150ml
牛乳…200ml
練乳…大さじ3
ミント…少々
〈作り方〉
1. スイカは2cm角に切る。ココナッツミルク、牛乳、練乳をよく混ぜる。
2.水300mlを沸騰させてタピオカを入れ、弱火で15分程度、時々かき混ぜながら茹でる。フタをして30分置く。ザルにあけ、水をかけながら冷やし、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
3.食べる直前にスイカ、タピオカを1のココナッツ汁に加える。器に盛り、ミントを添える。
いかがでしたか? 薬膳を取り入れるのは、決して難しいことではありません。おすすめ食材を参考に、デザートなどにも薬膳を取り入れ、日々の養生に役立てましょう!
<プロフィール>
清水加奈子
フードコーディネーターであり、管理栄養士・国際中医薬膳師・国際中医師・調理師の資格を持つ。
料理のおいしさ、シズルを伝える調理、盛り付け、食器のセレクトなどのスタイリングだけでなく、カロリー計算されたダイエットレシピの作成・アイディアレシピの提案、栄養専門調理実習講師、栄養関連の監修、中医学に基づいた薬膳レシピの提案、講師、などを行う。
写真© aijiro - Fotolia.com
フードコーディネーターであり、管理栄養士・国際中医薬膳師・国際中医師・調理師の資格を持つ。
料理のおいしさ、シズルを伝える調理、盛り付け、食器のセレクトなどのスタイリングだけでなく、カロリー計算されたダイエットレシピの作成・アイディアレシピの提案、栄養専門調理実習講師、栄養関連の監修、中医学に基づいた薬膳レシピの提案、講師、などを行う。
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