親が持っている銀行口座や保険、財産の棚卸し。大事だとわかっていても、つい先延ばしにしていませんか?困るのは、突然やってくる親の病気やケガ、そして認知症です。
今回は、「親が元気なうちにやっておいてほしいこと」を、相続・贈与の専門家であるファイナンシャルプランナーの土方朋(ひじかた・とも)さんに伺い、ランキング形式でご紹介します。
「相続でもめない家」がやっている、意外な共通点が見えてきました。
第5位:まずは「親の希望」を聞いておこう
介護や延命治療、住まいのことなど。子どもは「親の希望に寄り添いたい」と思っていても、本人が話してくれなければ動けません。
「迷惑をかけたくない」と言って何も伝えないまま判断できない状態になると、結果的に子どもにとって負担が大きくなります。
土方さんは言います。
「資産整理だけでなく、どう生きたいか、どんな最期を迎えたいか、も話し合っておくことが、子どもにとっての安心につながります」
相続を通じて「何を残すか」だけでなく、「どう生きたいか」を語り合う。これも大切な準備のひとつです。
第4位:「遺言書は書き方で意味が変わる」と知っておく
「遺言があれば大丈夫」と思っていませんか?実は、書き方ひとつでトラブルの原因になることも。
たとえば「すべてを長男に相続させる」と書くと、他の相続人から遺留分侵害額請求(法的な取り分を侵されたとして請求されること)を受ける可能性があります。
「正しい形式と配慮のある中身で、もめない遺言書を残すことが家族への思いやりです」
専門家にチェックしてもらうなど、伝わる書き方を意識しておきましょう。
第3位:認知症になる前に「資産管理の仕組み」をつくる
認知症になると、自分で財産の管理や売却ができなくなります。その備えとして、注目されているのが「家族信託」。
これは、お金や不動産の管理を信頼できる家族に託す制度で、
「親が認知症になっても、子どもが代わりに実家を売却して施設費用に充てる」
といった柔軟な対応が可能になります。
「亡くなった後の遺言+生前の家族信託」でセット対策するのが理想的だそうです。
第2位:「誰に、何を渡すか」を早めに決めておく
相続トラブルの多くは、不動産が原因。
現金と違って分けづらいため、「どの家を誰に渡すのか」を早めに決めておくことが重要です。
土方さんはこうアドバイスします。
「最初は遺言書よりも、家族への手紙やエンディングノートでも構いません。
誰がどこに住むのか、土地をどう守りたいのか。想いを書き残すことから始めてみてください」
第1位:「どこに何があるか」を一緒に整理しておく
最も多い声が、「書類や口座情報がわからない」というもの。
保険証券はどこにある?
どの銀行と取引している?
家の名義は誰?
親が倒れた後に探し回るのは大きなストレスです。
「元気なうちに、一緒に〈情報の棚卸し〉をしておくことが、最大の親孝行です」と土方さん。
親が元気な今こそ、「話しておく」が最大の備え
「まだ元気だからいいや」ではなく、元気な今だからこそ話せる・決められる。
親子で〈もしも〉を前向きに話し合うことが、未来の安心につながります。
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〈教えてくれるのは〉
土方 朋(ひじかた とも)/1級ファイナンシャルプランニング技能士
2008年三井住友銀行入行
2021年三井住友銀行退職
2022年準備期間を経て、AMI FINANCIAL DESIGNを設立
まとめ/暮らし二スタ編集部
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