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コラム

知らず知らず“自分へのご褒美ビンボー”になってませんか? 

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知らず知らず“自分へのご褒美ビンボー”になってませんか? 
「子どもの教育資金、足りるかしら?」「老後はどうしよう?」…など、お金の不安は尽きないもの。ファイナンシャルプランナーとして数多くの相談に答えてきた畠中雅子先生が、そんな不安とサヨナラするための心得をアドバイスします!

アイドルの追っかけでパート代が消える!

「ふだん育児を頑張っている自分のために、たまに子どもを実家に預けて友だちとランチ、一生懸命働いて貯めたお金で年に一度、海外旅行……、そんな自分へのご褒美は明日の活力のためにも欠かせません。

ところが遊びに行くのが、たまにどころか毎週だったり、パートで6万円稼いだうちの5万円を自分のために使ったりする人がいますが、これはご褒美ではありません、浪費です。

あるアイドルに、はまっているAさん(42才女性・娘12才と10才)。そのアイドルが出演した映画や舞台はすべて観にいき、その関連グッズも買えるだけ購入するというAさんですが、そこにかけるお金は、なんと月に6万円。遠出する月は1カ月の支出が15万円になることもあるといいます。A子さんのパート収入が月々6~7万円ですから、パート収入のほとんどが、このアイドルに消えている計算になっています。

聞くと数年前に、嫁姑ストレスから病気になってしまったというAさん。でもそのときに元気を与えてくれたのがこのアイドルで、Aさんにアイドルにかける、いわば趣味のお金は『カウンセリング料のようなもの』と話します。

パートを再開するまでは家計から趣味費を出していたのを、最初は黙認してくれていたダンナさんも、あまりの支出にいよいよ堪忍袋の緒が切れたよう。ついにAさんはダンナさんに家計の財布を取り上げられ、Aさんが買い物するときはカード払いのみ。その明細もこまかくチェックされて息苦しいとため息をつきます。自分の自由になるお金がパート収入だけにもかかわらず、自分で稼いだお金は自分のために使って当然という気持ちがあるようです。

でも、お子さんが小学生のいましか貯蓄をふやすチャンスがないのに、パート代がすべて趣味費になっているのは、かなりやりすぎ。妻が働いて得たお金といっても、家計は家族のものですから、家族みんなで使うのが当然です。

Aさんがいまのペースで使っていると、教育費が貯まらないばかりか、ご主人の定年後まで住宅ローンを返済しなければいけないというのに、Aさんはただただその現実から目をそらしているようにしか見えません。

それに対して、自分にご褒美がうまくいっている例として、私が仕事でおつき合いしているMさん(56才・独身)をご紹介しましょう。

彼女のご褒美は、ある韓国俳優さん。その人に会うためだけに年に3~5回くらい韓国に行っていますが、年間予算を決め、それ以外の旅行やブランド物はすべてあきらめています。何もかもしてしまうと、社会人としての自分がダメになるとわきまえているからです。

彼女にとっての生きがいは、その俳優さんの追っかけ。韓国に行くために生活費のほとんどをマイルにかえているので、飛行機代も半分ぐらいは浮いているといいます。また仕事場でもそれを公言し、ふだんの仕事はきっちりとこなし、休むときには早めに『○月○日から○日まで韓国に行きます!』と宣言してしまい、周りに迷惑をかけないように休んでいます。

Mさんは仕事熱心だけではなく、連絡の取り方が綿密で、仕事上でのミスを犯すことはめったにありません。そんな仕事関係者の評判もよいMさんを、職場の人たちは『いいよ、行っておいで』と、快く(半ば、習慣的に)送り出してくれるそうです。

趣味のために自分の身の丈に合った生活に完全にシフトし、何よりも少女のように目を輝かせて話す彼女を見ていると、つくづくじょうずな楽しみ方だなと感じます」

趣味費は半年予算を立てて、その中でやりくりするのが原則

「アイドル好きのAさんと韓国俳優を追っかけているMさんの違いはなんでしょうか。それは、ズバリ“予算立て”です。Aさんは自由になるお金のすべてを趣味費に注ぎ込み、Mさんは年間の予算を決めて、その中でやりくりしています。

趣味費を確保しようと思ったら、まずは毎月の給料の10%をきちんと貯蓄にまわしたうえで、残りの予算の配分から考えていくことが原則。子どものいる家庭なら趣味費は、夫婦のこづかいとなる10%以外には、5%が上限になります。ただし1カ月単位では減らすのは難しいので、半年予算にして、その中でやりくりする方法を考えていきます。Mさんのように年間予算で考えてもよいでしょう。

たとえば30万円の収入であれば、月々の趣味費の上限額は1万5000円程度。夫婦のこづかいを合計で3万円、おこづかいの配分を夫が2万円、妻が1万円だとします。趣味費の1万5000円からも、1万円くらいは妻が遣っていいお金と考えて、ひと月2万円を“妻の趣味費の上限額”と考えます。

それを半年分にまとめて、2万円×6カ月=12万円の中で半年間、趣味費をやりくりすることが大切。12万円を超えたら、次に貯まるまで我慢する。それが予算立てです。

楽しいことは継続してしまうのが人の常。でもくれぐれもやりすぎるのは禁物です。
やりすぎてしまうと目の前の生活だけでなく、将来の老後プランも破綻しますよ」

これでお金の不安ともサヨナラ!

もっと詳しく畠中先生のお話を読みたい方はこちら!

『サヨナラ、お金の不安』(1200円+税・主婦の友社刊)
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675

子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣&行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です!

畠中雅子/ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』(主婦の友社)、『どっちがお得?定年後のお金』(高橋書店)など著書多数。

取材・文/池田純子
ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』(主婦の友社)、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』(KADOKAWA)など著書多数。
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