コラム

子育ての “イライラ”“モヤモヤ”の原因はどこにあるの？

更新日：2017.10.28

日々、生活をしていて湧き上がってくる「イライラ」「モヤモヤ」とした感情を生み出す原因は、一体どこにあるのでしょうか？　子ども？　夫？　それとも社会？
いえ、それは「あなたの中」にあるのです。

自分の中の「期待」に気付くことでモヤモヤが軽くなる

例えば、何人かの子どもが公園で遊んでいるときに、わが子だけが一人遊びをしているとします。このような場面で、

「何でうちの子はお友達と一緒に遊ばないのかしら？」

とモヤモヤしてしまう人がいます。
このようにモヤモヤしてしまう人は、

「我が子には、お友達がたくさんいる子になってほしい」
「我が子には、人気者になってほしい」

というような期待があるのではないでしょうか。
そんな期待に対して目の前の現実が期待外れであった場合に、モヤモヤとした気持ちになってしまいますよね。

逆に「我が子には、自分の好きな遊びに没頭してほしい」という期待を持っていたとしたら…、

「すばらしい！　今日もお砂遊びで夢中になっているわ！」

と感じるかもしれませんね。
または、「お友達と遊ぶのもいいし、一人で遊ぶのもいいよね」と思っている人は、先ほどのような場面に出くわしても、心が乱れることはないでしょう。

“わが子が一人で遊んでいる”という事実はひとつです。しかし、どのような“期待”を持っているかで、発生する感情が変わってくるというわけです。
一人で遊んでいる子がダメなわけでも、悪いわけでもありません。モヤモヤしたときには、「私の中にどんな期待があったのかな？」と自分に聞いてみてください。
「私の中に、“子どもはお友達と遊んでほしい”という期待があるんだな」と気づくだけで、モヤモヤはスッと軽くなるはずです。

「●●であるべき！　●●すべきでない！」と言うルールはありますか？

先ほどの場面で、一人で砂遊びをしている我が子にお友達が声をかけてきたとします。

お友達：「ぼくも砂遊び一緒にさせて！」
我が子：「え～、ひとりで遊んでいたかったのに…」

こんなやりとりを見たママは、モヤモヤを通り越してイラッとしてこう言ってしまうかもしれません。

「そんな言い方しないの！　お友達も入れてあげなさい！」
「みんなのお砂場だよ！　譲り合わないとダメでしょ！」

まるで、ルール違反をした人に「ピピーッ」と笛を鳴らす審判のようですね。
このママには、

・友達の誘いを断るべきではない
・断る時はやんわりと伝えるべきだ
・イヤな態度をあからさまにすべきではない
・公園などでは譲り合わなければいけない

というルールがありそう。だから、そのルールを違反している子どもを見るとイライラしてしまうのですね。

しかし、このルールは日本中で決められているルールではありませんよね？　たとえ皆が同じようなルールを持っていたとしても、その強さには個人差があります。
ということは、このママのルールは「自分だけのマイルール」ということになります。
マイルールですから、子どもや他人が同じルールを持っているとは限らないわけです。

でも、「●●であるべき！　●●すべきでない！」と、日頃から自分をギュウギュウとしばっているマイルールだからこそ、目の前の人が平気で破っているのを見ると「ピピーッ」と笛を鳴らしたくなってしまうのです。

笛を鳴らす回数を減らすにはどうしたらいい？

では、笛を鳴らす回数を減らすにはどうしたらいいでしょうか。ひとつには、「私にはこういうルールがあるんだな」と、気づくことです。
「相手が悪いのではなく、自分の中のマイルールに引っかかっているんだな」と気づくだけで、イライラのトーンは下がります。

もうひとつは、「マイルールを緩める」です。
「友達の誘いを断るべきでない」というマイルールを、「友達の誘いは断らないに越したことはない」と言いかえてみてください。
口に出してみて違和感がないものは、「●●に越したことはない」と、少しずつ緩めていけるといいですね。そうしてルールが緩まれば違反者は減っていくはずです。

そしてもうひとつは、「私と相手（子ども）のルールは違う」ということを知ることです。
「断るときはやんわりと伝えるべきだ」と思っている人もいれば、「きっぱり断るほうがいい」と考えている人もいます。
「私は●●と思っています。あなたは▲▲と思うのですね」と、互いの考え方の違いを認め、自分と相手の両方を尊重できると人間関係はグッとラクになりますよ。
●イライラ・モヤモヤを通して自分を知る
イライラ・モヤモヤしたときは、

「もし、期待があるとしたらなんだろう？」
「もし、マイルールがあるとしたらなんだろう？」

と、自分に質問して、じっくりと自分の中を観察してみてください。
あなたの中にある“期待”や“マイルール”は宝物です。

・自分はどんな子育てをしたいと思っているのか
・自分が大事にしていることが何なのか

という大切な情報がいっぱい詰まっているのです。
だからこそ、「イライラ」「モヤモヤ」は、自分を知るチャンスでもあるのです！

＜プロフィール＞
高橋世志子
コーチングコーチ。二児の母＋同居嫁。子育てや同居につまずき、コーチングに助けられた経験から自らコーチとなる。子育てにお悩みの方や、もっと輝きたい女性向けの個人相談・講座を多数開催。また、出産前から一級建築士で住宅設計にたずさわってきたことから、「子育て×家」「女性の飛躍×環境」を探究中。

写真© naka - Fotolia.com

Profile高橋世志子

コーチングコーチ。二児の母＋同居嫁。子育てや同居につまずき、コーチングに助けられた経験から自らコーチとなる。子育てにお悩みの方や、もっと輝きたい女性向けの個人相談・講座を多数開催。また、出産前から一級建築士で住宅設計にたずさわってきたことから、「子育て×家」「女性の飛躍×環境」「風水×お片づけ」を探究中。
ブログ　　http://ameblo.jp/se-shi-ru/

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