【Oさん宅(高知県)】
ご夫妻と15才の長女、奥さまのお母さまの4人家族。休日は、近所で開催されるオーガニックマーケットに家族そろって出かけることが多いとか。家をあけるときは、家族のアイドル的存在の愛猫ミュウがお留守番。
木々が茂り、小川がせせらぐ、自然豊かな環境にひかれて土地を購入したOさん一家。建物にかけられる予算は「できれば1500万円で」。予算に限りがあったものの、無垢材を使用したナチュラルテイストの家づくりを得意とする、「ファンハウス」をパートナーに選びました。「手作り感あふれるデザインや素材感が、好みにぴったりだったんです」と奥さま。まさに、ひと目惚れだったといいます。
新居で印象的なのが、造作の家具や造りつけ収納。「フルオーダーだから、どこをとっても私好み。手持ちの雑貨や小物のイメージに合わせて、古材や無垢材で仕上げてもらいました」。"見せる収納”を意識したため、扉や引き出しが少ないのもポイント。使用する部材が減り、コスト削減にも貢献しています。
間取りに関しても、間仕切りや建具を極力省いて予算内でおさめる工夫をしました。さらに、キッチンのコンロ前には室内窓を設けて見通しを確保。森に面したLDの掃き出し窓を介して視線が外に抜け、広がりを演出することにも成功しています。坪数を抑えながらも狭さを感じさせないオープンな間取りで、コストダウンも実現。「母が孤立しない間取りや朝の洗面室の混雑を避けるプランも予算内でかなえてもらい、家族みんなで感謝しています」
Oさん宅の工夫
予算内におさめる工夫
造作に古材を使ったり、シンプルなデザインにすることで、建材コストを軽減。狭さを感じさせない仕掛けをしつつ、予算内におさまるように坪数を調整。
好みのインテリアにする工夫
造作工事が得意な会社に家づくりを依頼し、ダイニングセット、オープン棚、ディスプレイ棚などをオーダー。お気に入りの雑貨や小物が飾れる、統一感のある空間に。
暮らしやすさのための工夫
洗面スペースと脱衣スペースを別々にし、身支度時の混雑を回避。家族の中で生活サイクルが異なるお母さまが孤立してしまわないよう、家族が集まるリビングに個室を隣接。
1F LDK
オーダーした家具や造りつけ収納のおかげで、統一感のある落ち着いたインテリアに。LD側からシンクまわりを目隠しする壁を設けて、開放感を損なわずにすっきりと。
【Point】さりげない場所にも 飾れるスペースを 確保して
LDとキッチンのコンロ部分を仕切る壁に室内窓を設けたユニークなプラン。上部に棚をつけて、ディスプレイも楽しめるように。
1F リビング
「私たちと生活サイクルが異なる母が孤立しないようにしたかったんです」。そんな奥さまの思いから、お母さまの部屋を家族が集まるリビングに隣接しました。
森に面した南側に掃き出し窓を設け、リビングと床続きにウッドデッキも設置。キッチンで作業中も緑が眺められます。春は桜も望めるとか。
無垢材を使ってシンプルに仕上げたリビングの造作棚。控えめにディスプレイされた奥さまお気に入りのナチュラルな雑貨類が、空間になごみ感を加えます。
1F DK
【写真左】「家族と会話を楽しみながら料理ができるように」と、対面式のオープンなキッチンに。ダイニングテーブルとベンチは古材を使ってつくったもの。
【写真右】スチールシェードのペンダントライトをダイニングに。あたたかみのある明かりがナチュラルな空間によくなじんでいます。
家具や建具は造作で。 統一感をもたらし、さらにコスト削減にも
LDKの家具や建具などは、すべて「ファンハウス」にオーダー。新しく家具を買い足さなくてすむため、コストを削減できる利点が。
1F ダイニング
フローリングはパイン材、柱や化粧梁はスギ材。構造以外のすべての木部に無垢材を採用しています。肌ざわりがいいのか、愛猫ミュウはいつも床の上でお昼寝しているそう。
1F キッチン
造作で設けた吊り戸棚は、手の届きやすい位置だけに設置して使い勝手よく。奥行きや棚板の位置を指定できるのも、オーダーメイドのメリットです。
【Point】“見せる収納”が インテリアの アクセントに
食器やキッチングッズはあえて隠さず、オープンに収納。扉や引き出しを極力設けないことで、コスト削減にもつながります。
【写真左】お料理好きな奥さまがいちばんこだわったのが、このオーダーキッチン。「タイルにするとかわいくなりすぎるかも……」と、シャープな印象のステンレストップを選択しました。
【写真右】目隠し用のカーテンも「ファンハウス」のオリジナル。パッチワークやリボンをあしらったものなどバリエーションが豊富で、素材もリネンやコットンがそろいます。
【写真1】コンロ側から見た室内窓。LDにいる家族の気配が伝わり、外の景色も望めます。
【写真2】ダイニングセットと同じ古材を使って、キッチンの仕切り壁のダイニング側にニッチ風の棚を設置。特に気に入っている雑貨を飾れるステージができました。
【写真3】コンロ横に調味料用の引き出しを設けました。使い勝手はもちろん、「調味料は目立たないところに」という奥さまの希望も考慮して。
2F セカンドリビング
お風呂上がりにちょっとくつろいだり、お嬢さんが友達と遊んだり、フレキシブルに活用できるセカンドリビングを2階に設けました。LDKと同様、無垢材の床でナチュラルに。
1F 洗面室
【Point】洗面スペースと脱衣スペースを分けて身支度をスムーズに
洗面室と脱衣室を別々にして、「誰かがお風呂に入っているから洗面室が使えない」という状況を回避。特に朝に重宝します。
【写真左】タイルのカウンター、陶器のボウル、歯ブラシなどを置ける棚を備えた小ぶりな鏡など、洗面台も造作工事で好みのデザインに。足が悪いお母さまの将来を見据え、車椅子でも利用できるようにカウンターを低めにして、足が入るようにカウンター下はオープンに。
【写真右】アンティーク調のランプを洗面室に。明かりをつけると、影が壁に映って幻想的。
1F 玄関
靴だけでなくガーデニンググッズなども収納できる大型のシューズクローゼットを造作。玄関のたたきには、ひとつひとつ表情の異なる石を埋め込みました。
外観
玄関へと続く長いアプローチが特徴的。室内のナチュラルなイメージと同様に白とダークブラウンでまとめたファサードに、芝生のグリーンがよく映えます。
わが家のお気に入り
手作りのぬくもりを感じさせるカーテンや照明
室内のカーテンやビーズのランプは、「ファンハウス」のコーディネーター、名和さんのハンドメイド。「ショールームを訪ねたときにひと目惚れして、わが家にもつくってほしいとお願いしたんです」。手作りの素朴な雰囲気が大のお気に入りです。
DATA. Oさん宅(高知県)
設計のPOINT
ファンハウス コーディネーター
名和 久里恵さん
予算に合わせて床面積を小さくした分、「抜け感」を大切にしました。間仕切りや建具は極力なくし、FIX窓も活用して見通しを確保。LDKに入ってきたときやキッチンに立ったとき、視線が森に抜けることで、坪数以上の広がりが感じられます。また、造作部分は素材を厳選し、できるだけシンプルなつくりにしました。素敵な雑貨や小物をたくさんお持ちでしたので、“見せる収納”を意識しながら、オリジナリティのある空間に仕上げました。
Profile.
1967年兵庫県生まれ。工務店でプランニングやコーディネート業務を学び、現在は、高知県にある㈱北岡工務店の住宅部門「ファンハウス」のメインコーディネーターとして活躍中。
家族構成 |
夫婦+子ども1人+母親 |
敷地面積 |
137.83㎡(41.69坪) |
建築面積 |
48.00㎡(14.53坪) |
延べ床面積 |
90.00㎡(27.23坪) 1F 48.00㎡ + 2F 42.00㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2009年11月〜2010年2月 |
本体工事費 |
約1500万円 |
3.3㎡単価 |
約55万円 |
設計 |
ファンハウス(名和 久里恵) TEL: 088-822-3311 |
施工 |
㈱北岡工務店 TEL: 088-840-1511 |
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