【垣本さん宅(兵庫県)】
カントリーから始まり、ナチュラル、和、イギリスのアンティークと変遷した、垣本さんのインテリアの好み。数年前からフレンチブロカントに惹かれるようになり、さらに「家づくりをきっかけにエスカレートしました(笑)」。
アンティークショップで見つけたさびついたアイアンの門扉を壁にはめ込みたい、古いマントルピースをリビングの一角に備えたい、などと希望。「フランスの田舎にあるホテルのような、使い込んだ雰囲気の家にしたかったんです」
そんな垣本さんのイメージを理解し、一緒に盛り上がってくれたのが工務店のケーアイリビングでした。たとえばアイアンの門扉は購入当時、もっとボロボロで家の中に使うのがためらわれるほどだったそう。「それを古い雰囲気を損なわない程度に、ていねいに磨くところから始めてくれたんです」
また古材のように見える天井の梁は、じつは新材を手作業で加工したもの。「社長さんと大工さんが夜中までかかって傷をつけたり、塗装したり、作業されていた様子が目に焼きついています」。雨ざらしにして古材風にした材木をニッチの中にあしらうなど、アイディアと手間をかけ、新築なのになじみ感のある家になりました。
建築契約を交わした直後から、雑貨も置き場所を考えながら購入。新居に引っ越す際にはテイストに合わないものは思いきって処分し、家じゅうがまとまったインテリアになりました。
Living
リビングとダイニングの間たれ壁をゆったりとしたアーチ状に。床は幅広のパイン材を敷き、自然塗料をDIYで塗布。壁はコテむらをつけたしっくい塗りに。
①【シャンデリア】工務店「ケーアイリビング」が直接仕入れたもの
②【梁】工務店の社長と大工さんが 傷をつけて古材風に
③【ソファー】大阪・池田の家具ショップ 「モビリグランデ」で購入
【写真左】インナーテラスから直接庭に出られます。ドアもこだわってステンドグラス入りに。無塗装のものを仕入れ、好みの色合いに仕上げました。
【写真右】アンティークのマントルピースの上には、アンティークの枠でつくったミラーを掛け、キャンドル台などを並べてロマンチックなコーナーに。
①【テーブル】「ウェリントン」で買った ミシン台をテーブルがわりに
②【ドア】「サーマスルー」社のドアを ミルクペイント仕上げに
③【マントロピース】姫路のショップ 「ブロカントノンキ」で購入
オリジナルのアイアンの手すりが優雅。吹き抜けの開放的な間取りですが、「気密・断熱性がいいので、冬もストーブ1台で暖かです」。
①【テレビ台】オリジナルデザインで 職人が手作りしたもの
②【鉄格子】アンティークショップ 「ウェリントン」で買った 教会の門扉を利用
庭に向かって5角形に張り出す形のインナーテラス。ダイニングとの間にはアーチ状のたれ壁をつけ、床もテラコッタタイル貼りにして独立感を。
【シャンデリア】「ケーアイリビング」が 直接仕入れたもの
Kitchen & Dining
タイルや部材をひとつひとつ選んだオーダーキッチン。奥に広いパントリーがあり、すっきり片づきます。ダイニングテーブルは買いかえる予定。
①【レンジフード】やさしいデザインのフードは 「ヤマゼン」の製品
②【キッチン】「ケーアイリビング」による オーダーメイド
③【椅子】家具ショップ 「モビリグランデ」で購入
【写真左】カタログで見た施工例が気に入り、デザインをまねてキッチンの壁に。シンクはカラーステンレス、食洗機はこだわりの「ガゲナウ」製。
【写真右】キャビネットはブロカントのディスプレイボックスをイメージし、デザイン画を描いてオーダー。大切なアンティークを厳選して飾っています。
①【タイル】「名古屋モザイク」の デザインタイル
②【キャビネット】オリジナルデザインで職人さんが手作り
③【棚】現場でサイズを合わせて 大工さんが造作
吹き抜けを見上げると、古材風の梁にクラシカルなシャンデリア。アーチ状の開口が並ぶデザインも、フランスの田舎にあるホテルのよう。
ぬくもり素材と丹念な手仕事で使い込んだ雰囲気に
家づくりの当初から、モダンな家ではなく手作り感覚の家を建てたいと思っていた奥さま。一方、ご主人は古いものに興味がなく、ハウスメーカーの家を考えていたそう。そんなご主人を変えたのは、ケーアイリビングの完成住宅訪問でした。しっくいと無垢材に囲まれた空間の心地よさに「二人とも衝撃を受け、ひと目惚れしたんです」。手の込んだつくりだから高いのでは……と恐る恐る尋ねたところ、びっくりするほど手頃な価格で、依頼を即決したそうです。
それからじっくりと時間をかけての家づくりがスタートしました。まずプランニングの前にすでにお住まいのOB宅を何軒か訪問し、イメージづくり。ここで「アンティークの似合う、空間そのものが使い込んだ雰囲気の家」というコンセプトがはっきりしました。
間取り図を作成するのにも時間をかけましたが、垣本さんが驚いたのは着工後もつづいた打ち合わせ。棚の高さや壁のコテむらのつけ方、こまかい角の処理の仕方まで、現場で大工さんや職人さんと実物を目にしながら検討したそうです。
プロの手仕事に加えて、垣本さん夫妻も作業に参加。床をはじめ木部の塗装を1カ月かけてDIYで行いました。そんな思い出もよみがえる、ぬくもりたっぷりの家で暮らすと、「時間がゆっくり流れるようです」と奥さま。ご主人も今やアンティークにどっぷりハマり、ご夫婦そろって骨董市を訪れる楽しみもできたそうです。
Kid’s room
【写真左】ドーマー部分が子ども部屋の楽しいコーナーに。窓からしっくい壁に広がる光もきれいです。床は無垢のパイン材で、1階より幅の狭いタイプに。
【写真右】「小公女の部屋のように」と奥さまがイメージした子ども部屋。傾斜天井は趣がありますが、「狭く感じないように高さや角度を検討しました」。
【机&ベット】 家具ショップ「モビリグランデ」で購入
Japanese room
ちょっとレトロな和モダンテイストが好きだった時代もある垣本さん。和室は琉球畳と濃茶色の板の間、同色の天袋で好みのイメージに。
Sanitary
【写真左】フルオーダーの洗面台を備え、優雅な気持ちで時間を過ごせる洗面室。木部はミルクペイントを塗って拭きとり、木目の透けたシャビーな雰囲気に。
【写真右】左の壁面には埋め込み棚を設け、手作りの扉をつけて、ごちゃつきがちな小物をおしゃれに収納。使い勝手にもこだわっています。
①【ミラー】雑貨ショップで買った額に鏡をはめ込んで
②【洗面ボウル】洗面ボウルは 「カリフォルニア」製
③【タイル】洗面室とトイレのタイルは 「サンワカンパニー」のもの
お客さまも使う1階のトイレは、タイルやボウルにこだわった手洗いカウンターを造作。便器も自動洗浄タイプを選びました。
【洗面ボウル】「セラトレーディング」の輸入手洗いボウル
Master bedroom
ベッドルームはブラウンを基調にゴールドをアクセントに使い、落ち着いた雰囲気に。自然素材に囲まれて空気もさわやか、ぐっすり安眠できます。
【写真左】理科室の実験台だったという味のあるテーブルに、ドライフラワーやミラーをディスプレイ。スイッチプレートも陶器製を選びました。
【写真右】寝室の一角に設けた書斎コーナー。わずか1.5畳のスペースですが、デスクや棚を造りつけ、ガラスペンダントを吊るして落ち着けるスペースに。
①【ミラー】ゴールド枠のミラーは 「イケア」で購入
②【梁】工務店の社長と大工さんが 傷をつけて古材風に
アーチ形の開口は吹き抜けに面し、2階とリビングをつないでいます。窓台は新材を外に放置して風雨にさらし、古材風にしたもの。
Toilet
【写真左】家族が使う2階のトイレはシンプルな設備を選びながら、テラコッタ調の床タイルやビーズのランプを使い、あたたかみのある空間に。
【写真右】2階のトイレの前に洗面台を設置。これもフルオーダーで造作したものです。トイレのあとだけでなく、
朝晩の洗面にも便利。
①【タイル】床のタイルは 「丸鹿セラミックス」の製品
②【洗面ボウル】「セラトレーディング」の 輸入手洗いボウル
③【タイル】風合いのあるタイルは 「名古屋モザイク」の製品
Entrance
【写真左】広々とした玄関はシューズクローゼットを併設し、いつもすっきりした状態に。ポーチから続くテラコッタ調タイルがナチュラルです。
【写真右】可動棚に靴をたっぷり収納でき、コートを掛けるハンガーバーもとりつけたシューズクローゼット。お出かけや帰宅の動線もスムーズです。
【写真左】ドアノブなどのパーツはケーアイリビングのストックやカタログの中から、ひとつひとつ検討してセレクト。おしゃれで味のある輸入品が主。
【写真右】ニッチは現場に立ち会い、位置やサイズを検討して設けました。しっくいならではの丸みや古材風に加工した木があたたかな雰囲気です。
【ドアノブ】「ケーアイリビング」が 直輸入したもの
【フレーム】蚤の市で買った フレームと古文書
外観
しっくい壁やフランス瓦の優しい外観。屋根のドーマーやポーチのアーチがアクセントに。枕木やアンティークレンガを使った外構も外観デザインにマッチしています。
小さな家はなんと物置。余った瓦を活用して庭につくってもらいました。しっくい壁に木製ドアの本格仕様。
【屋根瓦】「イメリス」社の フランス瓦
木製の玄関ドアは オリジナルで造作
【ドア】木製の玄関ドアは オリジナルで造作
DATA. 垣本さん宅(兵庫県)
Profile.
垣本さん 親子
ご夫妻と6歳の莉奈ちゃんとの3人家族。インテリア好きのママ友も多く、親子で集まってパーティを開くこともたびたび。お料理大好きな奥さまは、手作りのピザやケーキでおもてなしするそうです。
設計のPOINT
現場での綿密な打ち合わせで イメージをきちんと形に
デザインにこだわる家をつくるには、1㎝の違いがイメージを大きく左右します。だから私たちは現場での打ち合わせを大切にしています。図面ではわかりにくいこともありますから、現場でご説明し、お施主さまと完成イメージを共有することが重要。ときには施工が進んだ段階でも、ご要望に応じてデザインの変更も行っています。
ケーアイリビング代表 池田 浩司さん
ハウスメーカーの営業職を経て1999年、ケーアイリビングを設立。「お客さまの希望をきめこまやかに叶える」をモットーに、自然素材と職人の手仕事を生かした家づくりを貫いている。
家族構成 |
夫婦+子ども1人 |
敷地面積 |
297.13㎡(89.88坪) |
建築面積 |
89.63㎡(27.11坪) |
延べ床面積 |
148.04㎡(44.78坪) 1F 86.35㎡ + 2F 61.69㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(枠組み壁工法) |
工期 |
2011年5月〜11月 |
設計・施工 |
ケーアイリビング TEL: 079-436-8556 |
外構 |
グラスランド TEL: 079-569-8182 |
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