【Hさん宅(東京都)】
広告デザイナーのご主人と、次男の出産前はライフスタイルショップで働いていた奥さま。多趣味でセンス抜群のご夫妻と、Nちゃん(12歳)、Kくん(4歳)、Rくん(1歳)の5人家族です。
1階の大部分は土間とLDK。自然素材でつくり上げたナチュラルな空間は、ひとつづきになって開放的。壁のしっくいは友人に協力してもらい、自分たちで塗り上げました。
屋外の気持ちよさを家の中にたっぷりとり込みました
通り土間を風が走り抜け、大きく開く引き戸の玄関から、心地のいい日ざしがたっぷりとさし込むHさんのお宅。家の中に外の気持ちよさをとり込む工夫が、たくさん詰まった住まいです。
なかでも印象的なのが、とびきり開放的な玄関。「もともと田舎育ちだから、縁側から出入りする暮らしがしっくりくるんです。それに、そもそも玄関っているの?っていう思いもあって(笑)。そう建築家さんに相談して、玄関のような縁側のような、外と心地よくつながる出入り口ができました」と笑顔で話すのはご主人。
家づくりにあたって、いるものといらないものがはっきりしていたというHさん夫妻。いるもののなかでも絶対にゆずれなかったのが〝大きな部屋〟と〝抜け感〟。
NYのロフトやガレージのような家に憧れていたというご主人は「できるだけ仕切りがなくワンルームに近い形で、『ここは何の部屋』と決めずに自由に暮らしたいという夢がありました。土間から外につながる広いLDKで、思いが叶いましたね」。
明るくのびのびと開放的な家には大賛成だった奥さまも、「子どもたちは、何の部屋とか関係なく遊びたいところで遊ぶし、眠くなったらどこでも寝ちゃいますしね(笑)。最近では長女が土間にちゃぶ台と小さな本棚を持ってきて、宿題をしたり工作をしたり。すっかりお気に入りの居場所になっているようです」。
1F テラス
玄関前に設けた広いテラスは、やんちゃざかりのKくんの格好の遊び場に。ガラス戸越しでも、LDKで家事をするママから目が届いて安心です。「夏のバーベキューも楽しい!」
1F 土間
玄関を兼ねた土間は家族も、光も風も心地よく招き入れる場所
ご主人が子ども時代に慣れ親しんだ縁側ライフを今また、家族で満喫中! 玄関は引き戸でフルオープンになるので、テラス、土間、LDKが心地よくつながります。
夏は涼しく、冬はぽかぽか ――居心地抜群の通り土間
土間には床暖房が入っているので、冬もあったか。もちろん夏はひんやりと涼しく、一年を通して快適な場所になっています。裏庭を望む窓もあり、景色も楽しめる場所。
1F LDK
何にも仕切りのない大空間が家の中心
Hさんの家づくりは、10年以上も前に手にした1冊の雑誌から始まりました。まだ家を建てる計画もなかった当時、書店で見かけた住宅雑誌の表紙になった家に目が釘づけになったというご主人。「中央が広いデッキですべての部屋とつながっていて、テントの屋根があって、とにかく開放的で気持ちよさそう。家づくりって、こんなこともできるんだ!と感動しました」
そしてご自身の家づくりが現実になったとき、「あの家を設計した建築家に建ててもらいたい!」と迷わず依頼したのが、アトリエSORAの井内清志さんでした。「期待どおりというか、期待をはるかに超えて楽しく気持ちよさそうなアイディアをたくさん提案していただけて、感動しましたね」
通り土間も、そんなアイディアのひとつ。「どうせだったら広くて部屋のような土間にしたい!」とリクエスト。さらにコンクリートの床を水回りまでのばして、つながりをもたせました。トイレ、洗面、バスが一体になった水回りは、ハイサイドライトを設けて明るく快適な空間に。
周囲からの視線を避けながら窓の位置をコントロールして、効果的に光と風をとり込む工夫があちこちに設けられていることで、どこのスペースにいても、家族が常に心地よく過ごせる家ができ上がりました。
のびのびと開放的なLDK。大きな開口部の対面に小窓を設けて、風を通しながら光もとり込んで。
「キッチンで料理をしながらでも外が見えるので、心地よく過ごせます」
キッチンは部屋にとけ込むようにすっきりと仕上げて、オープン棚に暮らしの道具を並べ、ほどよい生活感をアクセントにしています。
1F 寝室
1階で唯一、区切られた部屋。「一応、寝室としていますが、下の子たちが小さいので、家族みんなで2階に寝ています」
階段
階段の吹き抜けの大きな窓からも、1階にたっぷりと光が注ぎます。冬でも暖かい階段の窓の下は、ご主人がRくんと過ごすなど、お気に入りの場所になっています。
1F バス・サニタリー
“抜け感”のあるオールインワンの水回り
水回りもできるだけワンルームに近い形で“抜け感”を。浴室部分だけガラス戸でゆるやかにゾーニングし、光を分断せず、全体にやわらかく光を回すことに成功しました。
2F みんなの部屋
毎日がキャンプ気分! バルコニーにつながるワンルーム空間
部屋の中の“家”は軸組み構造で建てたもの。「アトリエSORAのイベントで展示していたものにひと目惚れし、ゆずってもらいました」。各自が自由に使っていますが、いずれはNちゃんの部屋になる予定。
2F ルーフバルコニー
空と直結した“外の部屋”で屋外の気持ちよさを満喫
H家でもうひとつ、とびきり心地よい場所は、空につながる広いルーフバルコニー。2階面積の半分以上を占め、“外の部屋”として、家族のくつろぎ&遊び場所になっています。これも、広い庭やデッキのある暮らしを理想としていたHさんが、限られた敷地で思い描いたライフスタイルを実現するために、井内さんが考えたプランです。
「ルーフバルコニーは、屋上緑化ができるので、暮らしながら少しずつつくっていこうと思います。室内も同様で、家族の成長に合わせて少しずつ、自分たちらしくつくり上げていきたいですね」
5年後、10年後がますます楽しみなHさんの住まいづくりです。
「パーゴラにはそのうち植物を這わせて、グリーンでいっぱいの、庭のような場所にしたいですね」
【写真左】「気持ちのいい季節には、ここで食事をすることも」。バーベキューをしたり、夏になるとプールを出したり。約20畳のルーフバルコニーは、H家の暮らしの主役。
【写真右】テラスからルーフバルコニーを見上げたところ。空を間近に望む場所です。
庭
庭も、時間をかけて自分たちでつくっていく予定。「そう広くないスペースとはいえ、けっこう大変!(笑)」
外観
「カクカク四角い家」が理想だったというご主人が、イメージしたとおり! という外観。
DATA. Hさん宅(東京都)
設計のPOINT
どこにいても心地よさを 感じる空間づくりを
「ここにいると心地よい」という特別な場所をつくるのではなく、子どもたちと遊びながら、家事をしながら、気分のいいときも悪いときも、常に心地のいい家をめざしました。Hさんが求めるライフスタイルを考慮しながら、人の動き方や使い方と、光と風の流れが一致するように、さまざまな仕掛けをつくっています。
アトリエSORA 井内 清志さん
1958年岡山県生まれ。福山大学工学部建築学科卒業。コンセプト住宅「SORAMADO(ソラマド)」シリーズほかで、数々のコンテストで受賞。
家族構成 |
夫婦+子ども3人 |
敷地面積 |
168.24㎡(50.89坪) |
建築面積 |
67.26㎡(20.35坪) |
延べ床面積 |
93.05㎡(28.15坪) 1F 65.49㎡ +2F 27.56㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2011年10月~2012年3月 |
設計 |
アトリエSORA TEL: 03-6435-4517 |
施工 |
内田建設 |
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