【武江さん宅(新潟県)】
時の重なりを感じさせる梁と柱、味わいのあるタイル、使い込まれた古い家具など、新築なのに長年住み慣れた家のような雰囲気の武江さんのお宅。一見、ヨーロッパの田舎家のようでいて、茶箪笥や畳の“お茶の間”リビングなど、ところどころにとり入れられた和の表情が、ほっこりと心を落ち着かせてくれます。
「和のスタイルでの暮らしが長かったので、やっぱり畳でごろごろするほうがくつろげるんです(笑)。テラコッタタイルを敷いたキッチンにも、昔の土間の台所のような懐かしさを感じています」
武江家の家づくりのテーマは“色を楽しむ”。「うちの会社で建てる家は、上質な自然素材にこだわっていますが、そのよさを生かすためにも、もっと色を楽しんでもらいたいと、お客さまへのプレゼンテーションも兼ねました。繊細な色のペイントやモロッコの手焼きタイル、輸入壁紙やファブリックなど、いろいろな素材で色をとり入れています」
もうひとつのこだわりは、光のデザイン。床から天井まであるような大開口は設けず、あえて室内に影をつくることで光を美しく見せながら、空間に奥行き感を与えています。
緑さんのリクエストは、「いいなと思うものはだいたい一緒だったので、基本的には主人におまかせ。ただ、私は海外ドラマが大好きで(笑)、そこに登場する欧米の家々が素敵なので、インテリアや建築の洋書を見て、いろいろと研究しました」
緑さんは、暮らし心地にも大満足。「北東向きのDKの、直射日光ではないやわらかな日ざしが好きです。気密性が高いので床下の空気をあたためる床下暖房だけで冬も十分にあたたかく、夜間電力を使用しているので家計も安心です」
お子さんがもう少し大きくなったら、暖炉を設けるプランもあるとか。家族とともに成長する武江家の今後が楽しみです。
LDK
やわらかな光が心地よい明るく開放的なDK
【Point】LDから続くコンサバトリー
キッチンに窓を設け、外の心地よさをとり込んで。北東向きならではのやわらかな日ざしが魅力です。
家事力が大幅アップ! 大容量のパントリー
キッチン奥に設けた約5畳のパントリー。食材や食器類のほか、DKで使う雑多なものもすべてここに。
裸足が気持ちいいオーク材のフローリング
歩き始めたばかりの彩葉ちゃんと紡希ちゃん。無垢のフローリングが心地よさそう!
畳の“茶の間”や 茶箪笥で和のくつろぎ感をプラス
DKから続く和室が、武江家のリビング(茶の間)。「ソファよりも畳のほうがくつろげるから。ここは家族みんなでごろごろする場所です(笑)」。ダイニングの茶箪笥は、緑さんの実家で使っていたもの。
Kitchen
長年住み慣れた家のような味わいあるキッチン
【Point】テーブルを囲むように配置したキッチン
ダイニングテーブルはベルギーで買いつけたアンティーク、チェアは「ハウス&ガーデン」のもの。
Conservatory
屋外の心地よさを室内にとり込むコンサバトリー
“おうちカフェ” が楽しめるコンサバトリー
コンサバトリーは、おもてなしの場にも最適。白い板壁がリゾート風で気分を盛り上げます。
「日ざしや湿度が安定しているからか、ドライフラワーもとてもきれいにできるんですよ!」。ママの手作りのスコーン&マフィンは、家族みんなの大好物。
段差をつけることで視覚の変化を楽しんで
【Point】あえて段差をつけて腰かけに
「子どもと遊びながら段差に腰かけると、ちょうど目線が一緒になるのもいいですね」と緑さん。
Hall
白を基調にほどよくちりばめたアクセントカラーで毎日を楽しく
DKに直接つながる玄関&階段
【Point】じゅうたん敷きの階段
帰宅して玄関ドアをあけたら、DKで過ごしている家族の笑顔がお出迎え。
上り下りだけではないみんなで遊べる階段!
DK内にある階段は、子どもたちの格好の遊び場。踊り場にはディスプレイスペースも。
玄関横のパティオは 則孝さんの“趣味部屋”
「EMERY&Cie」のタイルとペイントでコーディネートした、アーティスティックな空間。
Sanitary
DKからゆるやかにつながる水回り
洗面室は扉をつけずオープンエリアに。忙しい朝の支度中も、DKにいるママから目が届きます。
機能的でおしゃれな脱衣室&洗濯室
洗濯室&ユーティリティを兼ねた、広々とした脱衣室。機能性を重視しながらデザインにもこだわり、多目的シンクもペデスタルスタイルでおしゃれに!
デザインで遊びながら清潔感を忘れない洗面室
グレイッシュなブルーでペイントしたキャビネットに、ノスタルジックなタイルを組み合わせた洗面室。個性的なタイルは「名古屋モザイク」の「アルハンブラ」。
Bedroom
モリスのカーテンをつけた寝室は緑さんがいちばん好きな場所
【Point】寝室のブックコーナー
傾斜天井とドーマー窓が屋根裏部屋のような雰囲気のベッドルーム。落ち着きのあるグレーベージュでペイントした壁に「ウイリアム・モリス」のカーテンをコーディネート。ドア横にブックコーナーも設けました。
Kid's room
天蓋ベッドとかわいい色使いでパリの子ども部屋のように!
広いほうの子ども部屋は、将来は壁をつくって彩葉ちゃんと紡希ちゃんの個室にする予定。天蓋とベッドは「イケア」のもの。シャビーなペイントがパリっぽいドロワーチェストは「ハウス&ガーデン」で購入しました。
外観
“三角屋根”の傾斜天井で屋根裏部屋のような心地よさ
おとぎ話に出てくるような三角屋根のかわいいおうち
切り妻屋根に煙突つきの外観は、絵本に出てくるおうちのよう。「外観は、あこがれの“ISAKAハウス”をモチーフにさせてもらいました!」(ISAKAハウスは、おしゃれな家づくりで評判の群馬県のハウスビルダー「ハウス&ガーデン」のデザイナー、井坂恵子さんのご自宅)
靴も上着もしまえるウォークイン式の玄関収納
玄関横には広々としたウォークインタイプの収納を。アウトドア用品などもここに収納できます。
Pickup
心地よい住まいを実現するために武江さんが選んだパーツや設備。暮らしてみて、「やっぱり好き」「これを採用して正解!」だったポイントをご紹介します。
築200年の古民家から譲り受けた柱と梁
近隣の町の築200年の古民家で使われていた古材。柱は構造材としての役割も果たしています。梁は意匠用。
クラシカルなデザインのボウルと水栓金具
「コーラー」のシンク「K-2189」と水栓金具「K-12181(CP)」。「ナチュラルリビング」の家の標準仕様です。
南仏の田舎家のようなペンダントランプ
「ハウス&ガーデン」がフランスから直輸入している陶器のランプシェード。ウエイトと滑車でランプの高さを調節できます。
味わいのあるアンティークのテラコッタタイル
ベルギーで買いつけたアンティークのテラコッタタイルを、DKとコンサバトリーの床に敷き詰めました。
機能的でおしゃれなドロップインコンロ
カウンタートップに並ぶ調節つまみがおしゃれな「マジックシェフ」の「ドロップインガスコンロ2536」。コンロは5口!
手焼きならではの焼きむらと発色が美しいタイル
ベルギーのデザイナー、アグネス・エメリーのブランド「EMERY&Cie」の「Zelliges」。モロッコで手焼きされています。
DATA. 武江さん宅(新潟県)
Profile
武江さん 一家
「ナチュラルリビング」のオーナー夫妻、則孝さんと緑さん。4才のくんと、1才になる双子のちゃん、ちゃんの5人家族。
設計のPoint
オンリーワンでなくスタンダード(標準的)であるように
「ナチュラルリビング」の家は、素材の質や性能にはとことんこだわりながら、動線や空間構成は、誰にとっても暮らしやすく、心地よいと思えるスタンダードを心がけています。長く暮らせる家なので、お子さんも受け継ぎたいと思う家づくりが理想です。(則孝さん)
ナチュラルリビング
来年で創業100年を迎える老舗工務店、武江組の住宅ブランド「ナチュラルリビング」。上質な自然素材にこだわった、デザイン性と性能にすぐれた家づくりに定評があります。
家族構成 |
夫婦+子ども3人 |
敷地面積 |
915.30㎡(276.88坪) |
建築面積 |
112.07㎡(33.90坪) |
延べ床面積 |
198.19㎡(59.95坪) 1F 112.07㎡ + 2F 86.12㎡ |
構造・工法 |
木造枠組み壁工法(2×6工法) |
本体工事費 |
約3900万円 |
3.3㎡単価 |
約65万円 |
設計・施工 |
ナチュラルリビング(武江組) TEL: 0120-025-599 |
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