急かさず、否定しない空間で子どもはどう変わる？リゾナーレ大阪に【レッジョ・エミリア・アプローチ】のアトリエ誕生

大阪・ベイエリアの「ハイアット リージェンシー 大阪」内に新しく誕生した「星野リゾート　リゾナーレ大阪」。ここに【レッジョ・エミリア・アプローチ】を取り入れた巨大なアトリエが誕生しました！

自然体験で子どもの脳と心が育つ5つの理由！親子におすすめの自然遊びも

話題の教育プログラムがどんなふうに生かされているのか、実際に子ども連れで体験してみました。その様子をたっぷりレポート！

「レッジョ・エミリア・アプローチ」とは

レッジョ・エミリア・アプローチとは

「レッジョ・エミリア・アプローチ」は、イタリアの都市レッジョ・エミリアで生まれた、世界的な乳幼児教育のひとつ。子どもの無限の可能性を信じ、能力を最大限に引き出すためのアプローチを行う教育法です。

子どもが主体的に、自由な発想で物事を考えたり、何かを生み出したりする環境を整えることに注力しています。

モンテッソーリ教育と「共通点」と「違い」

モンテッソーリ教育とは共通点もありますが、大きな違いはモンテッソーリがマリア・モンテッソーリにより設立され伝統を守り続けているのに対し、レッジョ・エミリア・アプローチは地域発祥で時代とともに進化してきたということ。

発想力を無限に発揮できるように使い方・遊び方が決まっていない素材（マテリアルと呼ばれています）がたくさん用意されているのも特徴のひとつです。

なぜリゾナーレで「レッジョ・エミリア・アプローチ」？

一方でリゾナーレは星野リゾートが手掛けるリゾートホテルブランド。さまざまな体験を提供して子どもたちの可能性を広げたい！という強い思いがあります。

他の施設では自然の恵みをベースに子どもたちへ体験を提供してきましたが、大都市である大阪で何を提供できる？と考えた結果、教育にたどり着いたそう。

さまざまな教育法を検討し、ホテルのコンセプトに合った「レッジョ・エミリア・アプローチ」を採用。ホテルの中で思う存分、好きなことを探求したり、表現したり思い思いに過ごしてほしいという願いから、アトリエがオープンしました。

レッジョ・エミリア・アプローチのアトリエを体験！

「創造力を遊びこむ」をコンセプトにしたアクティビティ施設「アトリエ」はホテル最上階の28階にあります。アトリエの営業時間は9:00〜12:00、13:00〜18:00。チェックイン当日は、13：00から利用可能。

アトリエ滞在料金は子ども1泊1人 15,000円（税金・サービス料込）で、滞在中は出入り自由です。大人と0歳児は無料！（大人のみの利用は不可）

使い方・遊び方が決まっていないマテリアルがたくさん

レッジョ・エミリア・アプローチに欠かせないのは、使い方・遊び方が決まっていないオープンエンドのマテリアル。森や海にまつわる自然物から工業製品まで、色も素材も形もさまざまです。

遊び方をイメージできるようなものはほとんどなく、画材や工業製品、石などの自然物、粘土など、子どもがワクワクして手に取りたくなるようなものばかり。

好きな素材や道具を使って、子どもたちが新しい遊びを考えます。何をしても、何を使ってもとにかく自由！

アトリエには「アトリエリスタ」が常駐

アトリエには芸術の専門家「アトリエリスタ」が常駐。一緒に探究し、活動のヒントをくれる心強い存在です。

家や保育園でもお絵描きを楽しむことはできますが、ここまで大きな模造紙を使えることはまれ。大きな窓から見える景色を描いてみたり、色の混ざり具合を実験してみたり…。いつもなら親が「ダメ！」と言いそうなことも、アトリエではどんどん挑戦できます。

動きやすく、汚れてもいい服装で参加するのがおすすめですが、アトリエにもTシャツ（有料）が用意されているので安心です。

光との出会いを楽しめるコーナーも

光との出会いを楽しめるコーナーでは、プロジェクターやライトテーブル、オブジェが用意されています。

見慣れたコップも、ここではアートの素材！「道具は手段でしかないんです。それらを使って自由に想像・創造していく楽しみを知ってもらいたい！」とアトリエニスタが話していたのも納得です。

アトリエの広さは469㎡で日本最大級！普段はルールや規律に縛られがちな小学生も、幼児のころの自由な気持ちを思い出す、いいきっかけになるのではと感じました。

アトリエで行うプロジェクトは、子どもの興味に合わせて内容が変わる

アトリエでは予約制のプロジェクトが開催されています。プロジェクトとは、空間や構造、色彩などさまざまなテーマで表現を深める約60分のアクティビティ。アトリエ内のプロジェクトルームで1日5回開催されています。

提供されるプロジェクトは定期的に内容が変わりますが、私たちが訪れたときのテーマは「花に聴く」（5月31日まで）でした。

プロジェクトに決まった手順はなく、子どもが興味を持ったもの、やってみたいことを基点にして各自違った活動を行うのが大きな特徴。

1回につき定員は最大8名ですが、子ども1〜3人につきスタッフが1人ついてくれるので、子どもの声を聞き逃さずそれぞれの表現を深められるのはとてもいい！と感じました。

ただ花を観察するだけでなく、触ってみたり、つぼみを分解してみたり、花びらをすりつぶして水と混ぜたり。

きょうだいでも興味や学びたいことは当然違います。同じプロジェクトに参加しながら、まったく違う活動をのびのびできます。

プロジェクトルームには顕微鏡やマイクロスコープも完備！そのほか、道具は本物にこだわり老舗画材店の筆や美濃焼のすり鉢、山椒のすりこぎ棒などが用意されています。

アトリエの利用は親同伴なのですが、プロジェクトに関しては基本的には子どものみで参加。その時間はのんびり羽根をのばすのもアリです。

60分のプロジェクト終了後は、親子で振り返りタイム

その日の活動で輝いていた瞬間をアトリエニスタが切り取り、プリントして渡してくれました。花から色彩の豊かさを学び、創造力がより豊かになったと感じられる濃い内容！

客室でもアトリエ体験ができる！

リゾナーレ大阪は、客室も表現を楽しめる仕様！今回利用した客室はコンセプトルーム「アトリエルーム デラックス」です。

このタイプの客室は壁面にホワイトボードが設置されていて、自由にお絵描きすることができます。専用の色鉛筆もあり。

専用色鉛筆は窓ガラスお絵描きにも対応していて、海をバックにダイナミックな表現活動ができます。建物を模写したり、魚を描いて泳がせたりと想像力が高まりそう！

壁のホワイトボードが設置されていないタイプの客室（ファミリールーム）には、イーゼルが用意されているそうです。

コンセプトルームの「アトリエルーム デラックス」には大きなアスレチックネットまで！

これだけでもじゅうぶん子どもたちは大喜びなのに、「アトリエルーム デラックス」には大きなアスレチックネットまで設置されているんです！

スルスルと登って寝転がったり、ハイハイしたり。通常なら子どもは客室では退屈しがちですが、表現も運動も思いきり楽しめて大満足。

巨大なアトリエや開放感のある客室で、のびのび自由に創造を楽しんだ子どもたち。時間にも遊び方にも縛られない、特別な非日常を旅の中で感じられました。そんな子どもの姿を見ると、親の気持ちにもゆとりが少し生まれます。

「また連れてって！」とリクエストされること必至です

子どもの新たな可能性を見つけてあげたい！思いきり創作活動をさせてみたい！と感じているなら、リゾナーレ大阪をぜひ訪れてみてくださいね。

＼今回訪れたのは／
星野リゾート　リゾナーレ大阪

リゾナーレ大阪は「ハイアット リージェンシー 大阪」とコラボレーションしたホテル。客室と料飲サービスはハイアット リージェンシー 大阪が提供。リゾナーレ大阪はリゾナーレ大阪宿泊者専用アクティビティを提供。港が見える開放的なベイエリアに位置しており、大阪駅からは無料のシャトルバス（30分程度）が運行していてとても便利。

【キッズ向け情報】

●アトリエルームはトリプル（定員3人）、フォース（定員4人）、デラックス（定員5人）。子どものアトリエ滞在は1歳〜12歳が1泊1人 15,000円、0歳は無料。

●客室には、キッズ用歯ブラシやパジャマ（80cm、100cm、120cm）、踏み台、補助便座を完備。

●ホテル内のイタリア料理レストラン「basilico」では、リゾナーレ大阪の開業に合わせてキッズ向けコース（写真下 2,938円／消費税・サービス料込み）の提供がスタート。サラダ、スープ、フォカッチャ、4種類から選べるメイン、3種類から選べるデザートがつく。

▶星野リゾート　リゾナーレ大阪
https://risonare.com/osaka/

撮影／内池秀人　取材・文／佐藤望美