「更年期になったら、昔より肩コリがひどくなった」「最近は腰の痛みも少し気になるし……」
更年期になると、女性ホルモンが減少して自律神経のバランスが崩れやすくなり、血行が悪くなったり、肩コリ・腰痛が悪化したりする方が多くなります。
今回は更年期の不調をツボ押しで改善する方法を解説します。皮膚の上から押すだけなので、とても簡単にとり入れることができますよ。
そもそも「ツボ」って何?
ツボとは、からだの中を巡る「気(生命エネルギー)」の出入り口をいい、経穴(けいけつ)とも呼ばれます。
気は、からだの中にある「経絡(けいらく)」を通って、筋肉や内臓に働きかけます。経絡の上にあり、気の出入り口として働くのがツボ(経穴)なのです。
ツボは皮膚の上にあり、目で見ることはできません。しかし、正しく押せていると、「痛気持ちいい」感覚が湧いてきます。
ツボ押しの効果・メリットは?
ツボは、症状に適した場所を押すと、さまざまな不調を改善する効果が期待できます。近年はツボ押しの評価が世界的に高まっており、WHO(世界保健機関)でも361個のツボが有効と認定されています。
ツボ押しは、からだの外側から不調に働きかけられるため、セルフケアでとり入れるのも効果的です。
更年期症状にもツボ押しが効く
更年期症状には、不調がやわらぐツボ押しがとてもおすすめです。
更年期には、女性ホルモン「エストロゲン」が減少して自律神経のバランスが乱れるため、血行不良が起こりやすくなります。その結果、肩コリや腰痛、むくみなどに悩まされる方が増えてしまうのです。
手軽にとり入れられるセルフケアとして、ツボ押しを試してみてはいかがでしょうか?
更年期の女性が知っておきたい4つのツボ
更年期におすすめのツボを4つ紹介します。
ツボ押しの基本は、指の腹で垂直に押すことです。5秒前後じっくり押したら、ゆっくりと戻していきましょう。「痛気持ちいい」と感じるくらいの強さで行ってくださいね。
1.血行促進に効くツボ
顔や首の血行をよくしたい方には「欠盆(けつぼん)」がおすすめです。欠盆は、鎖骨の上にあるくぼみの、ちょうど真ん中にあります。
押しながらゆっくり上下に伸ばしていくと、顔や首のリンパの流れがよくなり、血行が促進されますよ。
2.肩コリに効くツボ
肩コリには「曲池(きょくち)」というツボが有効です。
腕を直角に曲げると、横ジワがひじにできます。そのシワの外側の端に曲池があります。
反対の手で掴むようにおさえ、親指の腹でじっくり押すとよいです。
3.腰の痛みに効くツボ
「腰腿点(ようだいてん)」は、急性・慢性どちらの腰痛にもおすすめのツボです。
腰腿点は、左右の手の甲にそれぞれ2つあります。
中指の握りこぶしをはさむようにして、反対側の手指で中指の骨の左右をなぞるように手首方向になでおろしていき、固い骨にぶつかったところが腰腿点です
指で押すほか、温めるのも腰痛緩和には効果的ですよ。
4.足のむくみに効くツボ
足のむくみには「陰谷(いんこく)」というツボが効きます。
ひざを曲げたときにできる横じわを、脚の内側方向にたどってみましょう。しわの先端にある、ひざ裏のくぼみ部分が陰谷です。
指で軽く押しながらゆっくり回すようにして皮膚ごと動かすと、むくみが解消しやすくなります。
コリや不調には漢方薬もおすすめ!
「ツボを押してみてもすっきりしない」という方は、漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。
漢方薬は、整形外科や婦人科など実際の医療現場でも使われているお薬です。
漢方医学では、ストレス、冷え、同じ姿勢でいる、ホルモンバランスが乱れるなどの原因によって、血行不良や水分バランスが乱れ、肩コリが起きると考えられています。
漢方薬はからだの内側から水分や気の巡りをよくすることを得意とし、不調へ根本的にアプローチしていくお薬です。肩コリと同時に起きやすい頭痛や冷え、目の疲れなども体質から改善します。
さらに、漢方薬は自然由来の生薬成分がおだやかに働くため、一般的な西洋薬よりも副作用が少ないとされているのもメリットといえるでしょう。
<更年期のコリや不調がある方におすすめの漢方薬>
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力があり、肩コリ、頭痛、めまい、のぼせて足の冷えなどがある方
更年期障害に用いられ、血流の滞りを改善します。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):比較的体力が乏しく、冷え症で貧血の傾向があり、疲れやすく、肩コリや頭痛、動悸などがある方
更年期障害に用いられ、血流を改善し、からだを温めます。
いずれも、更年期症状に対する代表的な漢方薬です。
<コリやコリに伴う不調がある方におすすめの漢方薬>
・葛根湯(かっこんとう):体力があり、胃腸が丈夫な方、肩コリによる痛みがある方
緊張型頭痛や、肩コリの治療でもよく用います。からだを温めることでこれらの症状をやわらげます。寒気を伴う、かぜのひき始めによく用いられます。
ただし、漢方薬を選ぶときには「その人の状態や体質に合っているか」を見極めなければなりません。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
漢方に詳しい薬剤師が一人ひとりに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅まで郵送してくれますよ。
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ツボ押しで更年期の不調をリセット!
更年期のさまざまな不調には、ツボ押しがとてもおすすめです!皮膚の上から優しくツボを押して、コリやむくみを解消していきましょう。
また、漢方薬でからだの中から不調に働きかけていくのも効果的です。専門家へ気軽に相談してみてくださいね。みなさんの快適な毎日を心から応援しています。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 竹田 由子
薬剤師。元漢方・生薬認定薬剤師で薬膳漢方マイスター。
大学院では臨床薬学を専攻、病院に10年間勤務。結婚後は調剤薬局へ勤務するのと並行して、ライターとしての活動も始める。
腎機能低下を機に、月経痛への鎮痛剤使用量を漢方で減量成功した経験があり、「日常の不調はまず漢方」をモットーに生活を送る。
病院時代の長いDI経験を生かし、薬の面から分かり易くサポートしたいと考えている。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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