Instagramのフォロワー約63万人、ブログは月間300万PVと、大人気の料理研究家・料理ブロガーのMizukiさんには、重度の拒食症を患った経験が。
Instagramやブログで頻繁に新しいレシピを発信し、書籍の出版やテレビ出演も精力的に行ういまの活躍ぶりからは、とても想像できません。
救急搬送された病院で「動かしたら死んでしまう」
Mizukiさんは10代の終わりごろ~20代前半にかけて、「体重を増やしたくない」というこだわりから拒食症の病状が進み、自力では歩くこともできず、誰かと会話を交わすこともできない日々を送っていたそうです。
そんなある日、胃痙攣を起こして救急搬送されたときの体重はなんと23kg(身長162cm)にまで減っていました。運ばれた病院では「動かしたら死んでしまう」と言われたほど。
理想の自分でなくても「もういいや」
それからも入退院を繰り返す日々がしばらく続きました。
23㎏になっても死ななかったという事実は、Mizukiさんの中で大きな意味を持つように。
生きるために治さなくてはと。
自分にとって何が大切なのかを心の天秤にかけてわかったのは、太りたくない気持ちよりも、献身的に看病してくれたお母さんや家族への思いのほうが強いということでした。
「理想の自分でなくても、もういいや」と現状を受け入れることができたとき、回復に向かって一歩が踏み出せたのです。
やりたいことじゃなくて、やれることを
24歳になったMizukiさん。同い年の友達は仕事をしていたり、結婚していたり、子育てしていたりして、自分だけとり残されている気持ちがしたそうです。
「何か始めなければいけない」という気持ちが増していき、“(歩けなくてもしゃべれなくても)家で一人でできること”を探して辿り着いたのがお菓子を焼くことでした。
当時焼いていたお菓子のレシピから
レモンマフィン
小麦粉とバター、卵で作るオーソドックスなマフィン。
退院してからは、シンプルな焼き菓子をよく作っていました。
レモンを加えてさわやかな仕上がりにしています。
●材料【マフィン型1 台(6 個)分】
バター(食塩不使用)…… 100 g
卵…… 2 個
薄力粉 ……100 g
ベーキングパウダー…… 5 g
グラニュー糖…… 80 g
レモン汁 大さじ……1 . 5
レモンの皮のすりおろし…… 1/2個分
●作り方
準備/バターは室温にもどす。卵は室温にもどし、ときほぐす。
型にグラシンカップを敷く。薄力粉とベーキングパウダーは合わ
せてふるう。オーブンを170度に予熱する。
1
ボウルにバターを入れて泡立て器でなめらかにし、グラニュー糖
を加えてすりまぜる。白っぽくふんわりとしたら、とき卵を5回
に分けて加え、そのつどよくまぜる。
2
薄力粉とベーキングパウダーを合わせたものを加えてゴムべらで
さっくりまぜ、粉っぽさが残っているうちにレモン汁とレモンの
皮を加え、さらにまぜる。
3
型に等分に流し入れ、オーブンで20~25分焼く。焼けたら型か
らとり出し、ケーキクーラーにのせて冷ます。
<ポイント>
◎ レモンはできれば国産のものを。なければよく洗って使ってください。
Mizukiさんはどのように回復して、どんな毎日を過ごしているの?
病気のMizukiさんを支え続けてくれたお母さんと一緒に、お菓子の材料を触る恐怖心と戦いながらはじめてマフィンを焼き上げたとき、やると決めたことをやり遂げられ、喜ぶお母さんの顔を見ることもできてうれしさがこみ上げてきたそう。
その日から毎日お菓子を焼き続け、通院していた病院の売店に卸すようになり、知人のすすめでカフェを開店し…。
自身の病気のこと、リハビリ期のこと、夢だった本の出版のこと、忙しい日常のこと、そしていま拒食症で苦しんでいるかたへの思いなどをつづったフォトエッセイができました。
エピソードにからめて、この記事に掲載の「レモンマフィン」をはじめ、とっておきのレシピ7品もご紹介。Instagramで募集した質問に答えるコラムもあります。
普通のおいしいをつくるひと
本体1400円+税
Mizuki著
Mizukiさんプロフィール
料理研究家・スイーツコンシェルジュ。和歌山県在住。
『簡単・時短・節約』をコンセプトに、ブログ「Mizukiオフィシャルブログ♡奇跡のキッチン♡」で誰にでも手軽に作れるレシピを毎日紹介し、月間300万PVを誇る人気ブロガーでもある。3年連続レシピブログアワードグランプリを受賞。Instagramのフォロワーは60万人超え(2021年1月現在)。書籍、雑誌、テレビ、Webメディアなどで多方面で活躍中。
▶暮らしニスタに投稿されたMizukiさんのレシピもチェック!
まとめ/暮らしニスタ編集部
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